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アダルトチルドレンの回復をはじめてから、
ずっと同じ場所ばかりを掘っていました。
母との関係と祖母との関係。
支配、束縛、過干渉。不機嫌。
いつも空気を読んで、機嫌を損ねないように先回りして動いていた記憶。
アダルトチルドレン界隈では「母との関係が原因」とよく言われる。
だから私も、そこが生きづらさの根っこだと、ずっとそう思っていたんです。
心理学、愛着理論、アダルトチルドレン、HSP。
いろんな角度から向き合って、少しずつ楽にはなっていた。
昔よりかなり回復した実感もあった。
でも、どこかに「まだ何か残ってる」という感覚が消えませんでした。
何が残っているのか、分からないまま…
その答えが出てきたのは、接骨院でした。
オープンスペースで首をほぐしてもらっていたとき、なかなか緩まなかった。
仕切りのある個室に移ったら、するっと緩んだ。
その時に先生に言われました。
「人混み、苦手でしょ。身体がすごく敏感だよ」
その通りだった。
HSS型HSPの特性として、刺激への感度が高いのは分かっていた。
でも先生はさらに言った。
「思いが身体に悪さをしてる」
その時は思いってなんだろう?って、
先生の言っている意味が分からなかった。
でも帰り道、歩きながら、急に言葉が浮かんできた。
「あれ……もしかして、父?」
そこで一気に、繋がった。
父は、怒鳴り散らすタイプじゃなかった。
普段は無口で、感情もあまり見えない。
祖母と母のインパクトが強すぎて、
父の存在はずっと「目立たない人」だと思っていた。
だから「父が原因かもしれない」なんて、考えたことがなかったんです。
でも実際は。
人混みに行くと機嫌が悪くなる。
外食で料理が遅いとイライラする。
車の運転中に急な割り込みをされるとガチギレする。
そのたびに私は、息を潜めていた。
父と車に乗るとき、帰り道に「コンビニ寄りたい」と言い出せなかった。2人で留守番するのも嫌だった。
それを私は「自分が下に入る性格だから」と思っていた。
でも違ったんです。
わたしは、萎縮していただけでした。
祖母や母は分かりやすく怒鳴り散らした。
だから「また怒ってる」と反発する気持ちも、少しは出せた。
でも父は違った。
静かで、無口で、何を考えているか分からない。
反発する隙間がなかった。
ただ小さくなることで、やり過ごしてきた。
ポリヴェーガル理論でいう「凍りつき反応」に近い状態だったと思う。
戦うでも逃げるでもなく、ただ固まることを選んでいた神経系。
繋がった、というのはそういうことだった。
仕事で上司に必要以上に緊張するのも。
理不尽でも耐えてしまうのも。
無口で読めない人がどうしても苦手なのも。
全部、父との記憶に紐づいていた。
身体はずっと「怒らせないように」「空気を悪くしないように」で動いていた。
頭では忘れていても、神経系はちゃんと覚えていた。
もう一つ、気づいたことがある。
私の家には、感情を受け取ってくれる人がいなかった。
父に怖い思いをして、祖母の部屋に逃げ込んでも、慰めてもらえなかった。
誰も「怖かったね」と言ってくれなかった。
だから感情を出すことを、どこかで諦めていました。
嫌だ。怖い。寂しい。見ていてほしい。
そういう気持ちを全部押し込めて、
空気を読むことだけで生き延びてきた。
大人になってからも、「つながり」の感覚が分からなかった。
何で満たされるのか、ずっと分からなかった。
でも最近、ようやく分かってきたんです。
私が欲しかったのは、たぶんシンプルなことだった。
家族そろって「おいしいね」とご飯を食べる。
くだらない話で笑い転げる。
ゲームで盛り上がる。
そんな小さな、感情の共鳴。
それが、ずっとずっと欲しかった。
もしあなたも、こんな感覚があるなら。
「何か満たされない」「ずっと寂しい」「人といても孤独」
それは、あなたが弱いからじゃない。
子どもの頃、安心して感情を出せる場所がなかっただけかもしれない。
「怖い」と言える相手が、いなかっただけかもしれない。
「まだ何か残ってる」という感覚、
それは鈍いんじゃなくて、まだ見ていない場所があるというサインだと思う。
つづく
