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息子小2・娘2歳のとき、

近隣の部屋で、とある出来事がありました。

わたしはその出来事をきっかけに、 

引っ越したいと、強く思うようになります。

 

もともと、ワンオペ育児に疲れ果てていて、 

夫にも「出張のない部署に移れないか」と相談していました。

でも、希望が通ったとしても、2年後になると言われていて。

ずっと気持ちが沈んでいました。

 

引っ越すなら、一軒家がいい。

上下左右に気をつかうマンションには、もう住みたくない。

場所は、私か夫の実家の近く。

私の実家がある県は、仕事が見つかりにくそう。

 夫の実家のある県なら、近隣も含めて仕事はありそう。

だったら——夫の実家の近くに引っ越したい。

 

そう思い始めたころ、 夫も何か思うところがあったのか、 転職活動を始めました。

この生活から抜け出せるなら、正直どこでもよかった。

毎日毎日、ワンオペで。 

せっかくワクワクして買ったマンションに、夫はほぼいない。

 家族そろって土日を過ごしたい。 

子どもたちに、おじいちゃん・おばあちゃんのいる生活を味わわせてあげたい——

そんな気持ちが、どんどん大きくなっていました。

 

転職活動からしばらくして、 

夫の実家から車で1時間ほどのところに、転職先が決まりました。

ただ、引っ越しとなると、息子は転校になる。 

それがずっと、頭から離れませんでした。

でも、引っ越しを決めたとき、息子は小学2年生。

 転校先では、3年生の4月からのスタートになる。

まだ低学年のうちに。 今を逃したら、もう動けないかもしれない。

そう思って——引っ越しを、決意しました。

 

 

「引っ越したい」が止まらなかったのは、HSS型HSPの神経が動いていたから。

「引っ越したい」という気持ちが、頭から離れなくなった。

近隣で起きた出来事をきっかけに、 

気づいたら「もうここにはいたくない」という衝動が、 どんどん大きくなっていた。

この感覚、あなたにも心当たりはありませんか?

「また逃げようとしている」「わがままなのかな」と、自分を責めた経験が。

でも、これはわがままでも、逃げ癖でもありません。 

HSS型HSPの神経が、正直に反応しただけなのです。

 

HSS型HSPが「環境を変えたくなる」のには、理由がある

HSS型HSPは、相反するふたつの特性を持っています。

ひとつは、深く処理する神経。 

音・光・人の気配・空気感——あらゆる刺激を、他の人より何倍も細かく受け取ります。

もうひとつは、新しい刺激を求める衝動

 「変わりたい」「動きたい」「何か違うものを見たい」という欲求が、

神経レベルで存在しています。

 

この組み合わせが意味するのは

今の環境が合わないと感じたとき、そのシグナルが人より強く、鮮明に届くということです。

 

ポリヴェーガル理論で見ると、何が起きていたのか

ポリヴェーガル理論では、わたしたちの神経系は3つの状態を行き来しています。

  • 腹側迷走神経が優位なとき → 安心・つながり・余裕
  • 交感神経が優位なとき → 戦うか、逃げるか。警戒・興奮の状態
  • 背側迷走神経が優位なとき → 凍りつき・シャットダウン・無気力

ワンオペが続き、助けもなく、夫も不在 

その状況の中で、神経はじわじわと「ここは安全ではない」という判断を積み重ねていきます。

 

やがて交感神経が慢性的に優位になり、サバイバルモードに入っていく。

サバイバルモードとは、

脳の扁桃体(感情の警報装置)が過剰に反応し、

前頭前野(冷静に考える部位)の働きが抑えられた状態です。

「じっくり考えよう」ではなく、

今すぐ状況を変えなければ」という緊急信号が、神経全体に流れ続けます。

そのとき「引っ越したい」という衝動は、

わがままではなく神経が出した、生存のためのアラートだったのです。

 

アダルトチルドレンの神経は、「危険な環境」への感度が高い

さらに、アダルトチルドレンの神経は、

幼少期の経験によって「いつ何が起きるかわからない」という前提で育っています。

 

予測できない環境の中で生き延びるため、

神経は幼いころから番犬のように、常に周囲をモニタリングする癖がついています。

 

近隣で「とある出来事」が起きたとき、その番犬は即座に反応しました。

「ここは安全じゃない」 「子どもを守らなければ」 「この場所を出なければ」

HSS型HSPの「環境を変えたい衝動」と、

アダルトチルドレンの「危険センサーの高さ」が重なったとき

「引っ越したい」という気持ちは、もはや止められないほど大きくなります。

これは神経の合理的な反応であり、弱さでも異常でもありません。

 

「環境を変える」という選択は、神経を守る行動だった

ポリヴェーガル理論の提唱者、ステファン・ポージェス博士は言います。

「安全であることを感じられる環境こそが、神経系の回復の土台になる」と。

 

腹側迷走神経が活性化されるのは、

「つながりがある」「助けがある」「ひとりじゃない」と感じられる場所にいるときです。

夫の実家の近く。 

おじいちゃん・おばあちゃんが近くにいる生活。

 家族そろって土日を過ごせる日常。

 

それを求めた気持ちは、逃げではなかった。

 腹側迷走神経が活きる場所を、神経が本能的に選ぼうとしていたのです。

HSS型HSPは、環境の影響を人一倍受けます。 

だからこそ、環境を選ぶことは

HSS型HSPにとって、自分を守る最も根本的な手段のひとつなのです。

 

「引っ越したい」という衝動を、わがままだと思っていたなら。

それは、あなたの神経が正直に教えてくれたサインでした。

自分の神経の声を、責めなくていい。 

あなたはただ、安心できる場所を求めていただけです。

 

 

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