日中で誘客プロジェクト
家電量販店大手のヤマダ電機が県内の温泉地や高崎市内の病院と連携し、中国人富裕層をターゲットにした「メディカルツアー」を企画していることが16日、分かった。医療と観光を結びつけて県内への誘客増を図る試みで、今秋にも第1弾のツアーを実施する。家電量販店業界をめぐっては、売り上げ5位のビックカメラが今月、6位のコジマを買収する方針を決め、ヤマダ電機に次ぐ2位に浮上することになる。ヤマダ電機は独自企画で競合他社との差別化を狙う作戦に打って出るようだ。
ツアーを計画しているのはヤマダ電機をはじめ、全国で宿泊施設を展開するホテルチェーン、高崎市筑縄町で真木病院を運営する医療法人「真木会」など日中両国の民間8法人による「大連群馬誘致プロジェクト」。
がん検診が目玉
ツアーはPET(陽電子放射断層撮影)のほか、MRI、超音波検査、マンモグラフィといった総合的ながん検診を目玉に、温泉リゾートやゴルフなどのレジャー、さらに家電製品ショッピングを組み合わせた「医療観光」を前面に打ち出す。
検診後、結果を中国側のクリニックと共有、旅行者が帰国した後の継続的な治療に生かす試みも行われる予定だ。
同プロジェクトによると、大連市内で先月、開催した説明会には銀行やゴルフ場経営者ら約100人が参加。観光スポットの紹介ビデオを上映するなどして群馬をアピールした。参加者からは同プロジェクトにツアー価格の問い合わせがあり、すでに家族1組の来日が予定されるなど具体的な動きが出ている。
新規顧客開拓も
同プロジェクトは中国遼寧省大連市の「大連安心国際旅行社」で代表をつとめる吉沢秀房さんを中心に昨年、発足した。吉沢さんは富岡市内でプラスチック成型の会社を経営する一方、約10年前に大連市に進出。中国人の外国旅行斡旋(あつせん)を行っている。
また、ヤマダ電機はツアーを通じ新規顧客の獲得を望めると判断。「創業の地、群馬に貢献したい。県内観光の起爆剤になるよう成功させたい」(同社)としてプロジェクト参画を決めた。
出典:MSN産経ニュース