江東区猿江にある学習塾、
ほっとすぺーすかたつむりの代表、
金子潤(かねこ じゅん)です。
(5月8日の記事より続く)
「ひとつの」を表すのに
"an" しか使わない時代があった
のです。
ですからその頃は、
"an book(本が一さつ)",
"an chair(いすがひとつ)",
"an boy(男の子がひとり)"
で正解でした。
ところが英語に限らず、ことばというのは徐々に簡単に、
省略できるものはなくなっていくものです。
"one" を短くした"an" ですが、
それさえも「長い」と、
「ン」の音を省いた
"a" が使われ始めました。
しかし今回は少々問題が生じました。
"a book","a chair","a boy"などはいいのですが、
"a aunt(おばさんがひとり)",
"a eagle(ワシが一羽)",
"a octopus(タコが一匹)" など、
母音で始まることばの前に置くと
発音しにくいと感じる人が多かった
ようです。
そこで、
母音で始まることばの前では今まで通り "an" を使う
という現行のルールになりました。
ということは、
母音の前では例外として「ン」の音をつけて "an" とする
ではなく、
基本は "an"、
ただし子音で始まることばの前では
「ン」の音を省いて "a" にしてもいい
というのが本来のルールなのです(これはとても大事です!)。
ですからタイトルの文、"I have an book(本を一さつ持っている)."は
実は正解なのです。
単に機械的に覚えるだけでなく、
背後にある歴史を知ると、ことばの勉強は
もっと楽しくなりますね。