複素フーリエ級数の記事で数式作成とか多くて必要以上に時間をとられ
てしまいゴタゴタした状況に陥りました ( p_q)
でも記事が少ないのでコラム的に何か書いておこうということで、
価格変動の正体は?
というテーマで書いていきますね (^-^)/
とりあえず金融市場における価格変動、というよりも変動率もしくは収益率
って言った方がわかりやすいですね。これが、実は正規分布に従わないっ
てのは様々な情報からご存じだと思います。
それでも時系列解析の世界では、
その階差 ΔXt は誤差項である μt となり、
誤差項 μt は正規分布に従うってのが古典的であれ基本としてあるわけ
です。あくまでも仮説ではあるのですけどね・・
上記内容を根底とするモデルとしてはARモデル・MAモデルが有名ですが、
実践分野においては幾分か修正されております。修正を繰り返すことで、実
際の株価の動きに近くなるモデル(例えばGARCHモデル)が採用されている
のですねえ。
しかしながら、それでも極端な変動を度々繰り返す変動に対する説明能力は
決して高いものと言えず、さらなる精度を求めて価格変動モデルが開発され
ているのです。その中で注目を浴びているのが、
冪乗則(べき乗則)
を根底にしたモデルです。冪乗則に属する分布は分布の裾野が正規分布より
も太くなるのですよ。正規分布の確率密度関数グラフは、
このような釣鐘上になるのに対して冪乗則に属する確率密度関数グラフは、
こんな形状になります。パレート分布の確率密度関数を使ったので本来は
負の領域はありませんが、正の領域の対称を負の領域として便宜上表示し
ました。
ちなみにパレート分布は連続型確率分布なので実質的にX軸の0においては
値はありません。グラフが変になるのでTOPの値をそのまま引き継がせて表
示してます。(離散型にはジップ分布がある)
そして、価格変動が裾野が太い冪分布に従うのであれば、度々発生する極端な
価格変動は決して珍しいものではないという考え方に徐々に変化しているので
すねえ。ということは、
における μt は正規分布に従うのではなく冪乗則に属する確率分布を採用す
ればいいじゃない ヘ(゚∀゚*)ノ となりますよね?
でも、そう簡単なものではない模様です。というのも、自然界や観測によって冪乗
則のようなデータが観測されてはいるものの未だ研究の域を出ないようですねえ。
ここまで読んだところで、
個人投資家には関係ないや ヽ(゚◇゚ )ノ
と思われるかもしれませんが、実は大きく関係するのです。予期せぬ急落や、未だ
かつてない価格変動で損してませんか?ありきたりな価格変動の範囲では儲けた
りすることが可能ですが、感覚的に異常な動きと思うような場合には大きく損をして
しまうことを繰り返すことこそ冪乗則に対する対策がとれていないことになるのです。
大きく動き度に大きなマイナスって嫌ですよね?
挙句の果て滅多に動かない値幅が連続で続くと嫌ですよね?
価格変動の正体が冪乗則に従ったものと結論付けることまではできませんが、これ
を機に冪乗則への理解と対策を考えてみるべきでしょう。
でも、かなり難しいのも事実です。多くの方が価格変動が冪乗則だと書いてはいます
が、具体的にどのようなモデルを作ったり戦略を組んだりしていいか示している個人
投資家の方は皆無だということからも難しさがわかります。
もうちょっと書籍などの資料が増えてくれると助かりますよね (;^_^A