パワハラセミナー
2年ほど前、
厚生労働省、21世紀職業財団主催のパワハラ対策支援セミナーに
参加しました。
そこで学んだことをつらつら書いていきます。
昨今、なんでもかんでもハラスメントと結びつける風潮があり、
なんたらハラスメントは50種類以上にも上るそうです。
そこはきちんと学ばないといけないと思いました。
たとえば、
カスハラ(カスタマーハラスメント:悪質な顧客)、
ハラハラ(ハラスメントハラスメント:何でもハラスメントと訴える)、
間接パワハラ(パワハラされている人の隣席の人も影響を受ける)
などなど。
よって、パワハラの定義を学ぶことが、ぶれない基準として大切だと思いました。
パワハラとは、
「職場内での優位性を背景に、
業務の適正な範囲を超えて、職場環境を悪化させる」ことだそうです。
その優位性とは、一般的に、
上司と部下、先輩と後輩、正社員と非正規社員等の関係性から生じますが、
逆ハラと言われるように、部下が上司に対して優位性が生じる場合もあります。
(例、部員が上司を拒否、無視、知りません、分かりませんという態度をとる。
また部下同志で組んで、上司を拒否するなど)
そして、パワハラは6つに分類されます。
1.身体的な攻撃
2.精神的な攻撃
3.人間関係の切り崩し
4.過大要求
5.過小要求
6.個の侵害
です。
殴る蹴るなどの行為はパワハラ(傷害も含む)は分かりやすいのですが、
私も含め悩ましいのはパワハラのボーダー、グレーな行為だと思います。
例えば、
部下が遅刻した時、「なにやってんだ!」と叱責することはセーフですが、
「社会人失格!」と叱責すると、グレーだそうです。
この2例両方ともパワハラだと間違って理解している人も散見されるので、
よく理解することが大切だと思います。
上司が部下に仕事の指示をした場合の例です。
もし部下が、
「自分がその仕事をしなければならないのか?納得できません。嫌です」というようなことがあっても、例え部下が、嫌だと感じても、パワハラにはなりません。
良くある誤解として説明があったのは、
「相手が嫌と感じたらパワハラである」という解釈は、
「誤り」であるということです。
パワハラかどうかは客観性で判断されますので、嫌と感じてもパワハラではありません。
相手がどう受け止めようともパワハラにはなりません。
しかし、セクハラは、主観性で判断されるため、
嫌と感じられたらセクハラ認定されるそうです。
ほか、言葉尻にこだわらない事が大切だそうです。
危険な状況にある場合の叱責「ばかやろう!」はセーフだそうです。
緊急かつ命を守ることが目的(客観性)であるためで、
実際の裁判でも「状況」や「理由」が重要視されるため、
言葉尻に囚われることはないそうです。
会社が取り組むべきことも学びましたが、長くなるので割愛します。
私が個人的に危惧を感じている点は、4点あります。
一つ目は、
パワハラをきちんと学習しないで、自分の少ない人生経験のみで判断、
自分に都合の良いように判断してしまうことです。
これは加害者も被害者も、そして、自分を被害者と思いこんでいる人たちです。(てんぐさんたち)
よって、会社が研修の場を設ける必要があります。
二つ目は、
パワハラの自覚が全くなく指導の一貫と思い込んでいる人、
もしくは自覚はあるが、指導として言い切って、
自分に責任が及ばないように企んでいる人です。
ここまでくると、自分たちで直接対応せずに、カウンセラー等専門職に委ねることが重要だそうです。
三つ目は、
これらのことを知りながら、見て見ぬふりをする会社の存在です。
得てして、仕事が出来る人というのは、多くの部下たちの犠牲の上に成り立っていることがあり、
部下たちが歯向かえないことをいいことに、
都合の悪いことは蓋をするので、経営者は気が付かないこともあるそうです。
時には、「業績には代えられない」と目をつぶる経営者もあると、数多くのコラムに出くわしました。
解決策は、殆どが、経営者が当該者(パワハラ加害者)解雇の覚悟を決める、でした。
最後に、
素人が対応することにより、余計に解決を困難にするということです。
やはり専門家に任せるべきだと講師が説明しておりました。
この4点をなくさない限り、パワハラは無くならないように思いました。