平成30年司法試験再現答案 選択科目(倒産法)第2問 | 司法試験受験記録

司法試験受験記録

平成31年司法試験受験予定(3回目)。ロー卒。

設問1小問1

1 裁判所は再生手続開始の決定をすることができるか

裁判所が再生手続開始決定をするためには民事再生法(以下法令名略)25条各号該当事由がないことが必要であるところ、本件では「再生計画案の…可決の見込み…がないことが明らか」であり、25条3号該当事由が認められるため再生手続開始決定ができないのではないかが問題となる。

(1) 再生計画案は、議決権者の過半数の同意かつ議決権者の議決権の総額の2分の1以上の議決権を有する者の同意がなければ可決することができない(172条の3)のであるから、これらの同意が得られないことが明らかといえる場合に25条3号該当事由が認められる。

(2)本件では、総権利行使見込額の45%にあたる権利を有するE銀行・F社が、再建に消極的な意見を表明しており、これらの主要債権者が再生計画案に反対すれば再生計画は円滑に遂行されることがないため、他の債権者も再生計画案に反対する可能性が高い。そうだとすれば、現時点では上記の同意を得られる可能性は低い。

 しかし、E社についてはF社と異なり、再建に確定的に反対しているわけではなく、今後の交渉によっては再生計画案に賛成する余地がある。

 したがって、現時点においては上記の同意が得られないことが「明らか」とまではいえないと考えられるため、25条3号には該当しない。

(3)以上より、裁判所は再生手続開始の決定をすることができる。

設問1小問2

1 A社が採る方策

 A社は、G社のA社に対して有することとなる再生手続開始後の取引債権が、119条2号により共益債権となり、再生手続によらずに優先弁済を受けることができる(121条1項、2項)として、取引の継続を依頼することが考えられる。

 そして、この取引債権が共益債権である旨を再生債務者たるA社が承認するためには、裁判所の許可を得る必要がある(41条1項8号)ため、A社は併せて裁判所の許可を得る必要もある。

設問2小問1

1 A社が採る手続

 民事再生手続では原則として再生債務者に財産の管理処分権があり(38条1項)、監督委員はあくまで後見的に再生手続を補助する立場であるから、監督委員たるDが否認権を行使させるためには、Dに否認に関する権限の付与を求める申し立てをする必要がある(56条1項)。

2 管財人が選任されている場合

 管理命令が発せられた場合、財産管理処分権は管財人が有する(66条)のであるから、管財人が否認権を行使(135条1項)するよう求めるべきである。

設問2小問2

1 G社が採る方策

(1)G社は、法人たるA社社長Bの財産管理処分が失当であるとして、管理命令をするよう裁判所に申し立てるべきである(64条1項)。

(2)G社が、Bに対して有する損害賠償請求権を保全するために、Bの財産に対する保全処分をするよう、裁判所に申立てをすべきである(142条1項、3項)。

(3)G社は、Bの責任に基づく損害賠償請求権の査定の裁判をすることを裁判所に対し申立てるべきである(143条1項、3項)。

 そして、この査定決定を債務名義として強制執行をすることも検討すべきである(147条)。

 

以上(1286文字)

 
 

 

【雑感】

・全体的に書けていない気がしてならない。設問1小問2は120条1項の問題だった。設問2小問2の管理命令は書く必要がなかった。

 

 

 

 

 

※本記事(平成30年司法試験再現答案 選択科目(倒産法)第2問)について

…問題文と答案構成用紙のみを参照し、ミス等も含めて本番で書いた答案をできるだけ忠実に再現したものであり、内容の正確性は一切担保できません。