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お勧め書籍を中心に<毎日をハッピーに送る秘訣>をお伝えしていきます。

HSCは、ポジティブ心理学をベースにしていますが、幸福感は、伝播力があることがこれまでの研究で明らかになっています。

それを詳しく解説しているのが、ニコラス・クリスタキス『つながり』(講談社)です。

本書によれば、

・直接つながっている人(一次の隔たりにある人)が幸福だと、本人も約15%幸福になり、さらに派生する。つまり、二次の隔たりのある人(友人の友人)には、幸福の効果は10%、三次の隔たりにある人(友人の友人の友人)に対する効果は約6%であった。ただ、四次の隔たりまで行くと効果は消滅する。

といった結果になっている。

これらの結果は、私たちが幸福になることは、私たち自身のためだけでなく、他の人たちにもポジティブな影響があることを意味しているのです。

つながり 社会的ネットワークの驚くべき力/講談社

ポジティブ心理学では、「希望」による癒やしを重視しています。ただ、お気楽な楽観主義ではいけません。現実を直視し、それを解決しながら、明るい未来を信じることが必要なのです。

そこで、今回紹介するのは、ジェローム・グループマン『病を癒やす希望の力』(草思社)です。

本書では、希望に関するさまざま効果が紹介されています。

・希望と楽天主義は異なる。「前向きに考えなさい」と言われたり、過度に薔薇色の未来を約束されたりしても、希望は生まれない。楽天主義と異なり、希望は紛れもない現実に根ざしている。・・・(中略)・・・希望は、心の眼で、よりよい未来へと続く道を見るときに経験する高揚感である。

など、本書では、たくさんの症例も紹介しながら、希望の大切さを訴えています。

病を癒す希望の力: 医療現場で見えてきた「希望」の驚くべき治癒力/草思社


ポジティブ心理学では、偉大な先人の生き方を学んで、自分の問題解決のヒントにすることをすすめます。

今回ご紹介するのは、明治期の日本の躍進に貢献した大宰相・高橋是清の伝記、幸田真音『天佑なり』(角川書店)です。

本書では、高橋是清が、13歳で渡米して、奴隷となりながらも、苦労して英語を身につけ帰国。その後、英語学校の校長や政府の役人として、さまざまな経験を積みながら、実践力を高め、宰相になっていく姿が活き活きと描かれています。

参考になるのが、数多くの失敗をしても、決してへこたれずに、そこから教訓を得て、着実に成長していく姿です。

「失敗は成功の母」を地でいく人だなと感心します。

天佑なり 上 高橋是清・百年前の日本国債/角川書店


今、アドラー心理学が流行っていますが、アドラーは、人間のポジティブな側面にも目を向けようとした心理学者であり、ある意味、ポジティブ心理学の源流にある一人といえます。

そこで、今回は、岸見一郎『アドラー心理学シンプルな幸福論』(ベスト新書)をご紹介します。

本書では、アドラー心理学を分かりやすく解説しながら、幸福へのヒントを提示しています。

たとえば、

・人生が複雑なのではなく、私が人生を複雑に、そのため、幸福に生きることを困難にしている。人生についての「意味づけ」(ライフスタイル)を変えれば、世界は信じがたいほどシンプルになる。・・・(中略)・・・意味づけというのは人生や世界、あるいは自分をどう見るかということです。人は同じ経験をしても、その経験にまったく同じ意味づけをすることはありません。

・アドラーの治療方針は、非常にシンプルです。彼が今や持っている自分への関心(self interest)を他者への関心(interest in ohters)へと変えることです。アドラー心理学の鍵概念である「共同体感覚」は、その英訳(social interest)が示しているように、他者への関心そのものなのです。

などなど、人生のヒントが満載です。

「愛は幸福の卵」といわれますが、他者への関心を持って、他者のお役に立つことが「愛」であり、それが私たちの幸福の源泉になるのでしょう。

アドラー心理学 シンプルな幸福論 (ベスト新書)/ベストセラーズ


HSCはポジティブ心理学をベースにしておりますが、この最新心理学の根底にあるのが宗教と哲学です。

詳しくは、イローナ・ポニウェル『ポジティブ心理学が1冊でわかる本』(国書刊行会)です。

本書は、これまでのポジティブ心理学の歴史や研究成果がわかりやすく述べられていて良書です。

たとえば、

・ポジティブ心理学の主題には西洋の哲学思想が大きな影響を及ぼしていることは明らかですが、愛、思いやり、慈悲、喜び。これらは幸福へ通ずる道としてヒンドゥー教仏教で明確に奨励されている感情であり、現代のポジティブ心理学が研究する主要な領域です。

など、分かりやすく学べます。

専門分化する社会にあって、心理学だけでなく、宗教や哲学思想も人間の健康を考える上で欠かせないのです。

ポジティブ心理学が1冊でわかる本/国書刊行会


HSCでは霊的人生観をベースとした心理療法を展開しています。その人生観とは、「人間とは永遠の魂をもっており、転生輪廻を繰り返しながら魂修行している存在である」という考えです。

霊的人生観の心理学的研究については、「臨死体験」や「前世療法」などをこれまでご紹介してきました。

さらにこれまでの報告を見ると、私たちの臓器にも意識があることが示唆されています。たとえば、ポール・ピアソール『心臓の暗号』(角川書店)が参考になります。

本書では、臓器移植後に、臓器提供者(ドナー)の意識が影響して、移植された患者(レシピエント)の性格や行動が変わった症例が多々報告されています。

たとえば、

「私(精神科医)の患者の8歳の女の子は殺害された10歳の女の子の心臓を移植されました。女の子のドナーを殺した男の夢をくりかえし見ては、夜中に悲鳴をあげるので、母親が私のところに連れてきたのです。女の子は犯人が誰だかわかっていると母親は言います。何度かセッションをしたあと、私もそのこの話を否定しきれなくなり、母親とともに警察に通報することに決めました。すると女の子の話した特徴をもとに、容疑者が見つかったのです。彼女が提供した証拠が決め手となって、その男の犯行だと断定されました。犯行時刻、凶器、場所、犯人の着ていた衣服、被害者が殺されるときに言ったこと・・・心臓移植を受けた女の子の証言は、すべて正しかったのです」

など、何とも不思議な症例の数々ですが、霊的人生観から見たら、理に適っているといえるでしょう。

心臓の暗号/角川書店


診療しているとよく「幸福感の高め方」について聞かれます。少なくとも、本人が「幸せだ!」と思えることが重要ですが、ポジティブ心理学のこれまでの先行研究で、万人に共通する幸福感の高め方がいくつかわかっています。

今回ご紹介するのが、エリザベス・ダンら『「幸せ」について知っておきたい5つのこと』(中経出版)です。

本書で紹介されている幸福感の高め方について、

・幸せな人の方がボランティアに積極的な傾向があります。ボランティアは人を幸せにしやすいのです。

・モノを買うよりも「経験」を買った方が幸福を感じる。

精神的豊かさ、すなわち、感謝親切、人とのつながり、夢を追うことの方が幸せに寄与するということがわかっています。

・強制されていると感じずに他者のためにお金を使ったときこそ、最も大きな幸福感が得られる、という結果が出ています。

などなど、参考になるヒントが満載です。

人は得てして、幸福になるために自分のことしか考えなくなりますが、実は逆で、幸福になるためには、人の役に立つことが重要なのです。

「幸せ」について知っておきたい5つのこと NHK「幸福学」白熱教室/KADOKAWA/中経出版

人間、生活がマンネリ化してくると、何事にも感動しなくなってきます。それが「うつ」の遠因にもなると言われています。

そこで、足ることを知る「知足(ちそく)」をすすめているのがアリゾナ大学のワイル教授です。アンドルー・ワイル『ワイル博士のうつが消えるこころのレッスン』(角川書店)

世界的ベストセラー『癒す心、治る力―自発的治癒とはなにか』で有名なワイル先生ですが、本書で印象に残った箇所をいくつか紹介します。

・多くの人が幸福を「どこか外に」求めているということを、私はいやというほどよく知っている。その人たちは、昇給・新しい車・新しい恋人・冷え切ったジュース等々、欲しいけれども所有できていないものがもし手に入ったら幸福になれるだろうと思い描いている。私自身が繰り返し経験してきたことだが、実際にそれを獲得し、所有したときの喜びは、それを思い描いていたときの感情の高まりよりも、かなり小さなものになるのがふつうである。

・気分のぶれ幅の中立的な位置(感情の平均海面)はじつは「幸福」にではなく、むしろスピリチュアルな修行の多くが目標としている「知足」(足るを知るこころ)、「静穏な受容」の心境にある。その心境にいたれば、よいことも、わるいことも、人生のすべてが受容できるようになり、自分自身のことも、自分が世界に占めている場所のことも含めて、すべてが「あるべきように」あり、「すべてよし」なのだということがわかってくる。
 意外なことに、その「受容」から生じるのは、決して受動性や消極性ではない。私自身、その状態にあるときにいちばん無理なく、肯定的な自分になれているということに気づいている。

などなど、本当の自分には「せわしい心境」ではなく「穏やかな心境」でこそ出会えることがよくわかります。

ワイル博士のうつが消えるこころのレッスン/角川書店(角川グループパブリッシング)

トマ・ピケティの『21世紀の資本論』が世界中で流行っていますが、彼の結論を一言でまとめると「資本の集積は無意味なので、格差是正しろ!」と言うことです。

結論に至った彼のデータ解析に問題があって、色々批判もあるようですが、格差是正のために、もっと累進課税を強化しろという主張も問題になっています。

とりあえず、彼の主張が間違いであることは、ノーベル経済学者・ハイエクの代表作『隷従への道――全体主義と自由』を読めば明瞭です。ただ、取っつきやすい書物ではないので、おすすめは、渡部昇一『ハイエクの大予言』(李白社)です。

20世紀の天才経済学者ハイエクと直接話したこともある著者の渡部昇一先生ですが、本書では、とてもわかりやすくハイエク思想を解説されておられます。

たとえば、

・民主主義と自由主義のどちらが重要かといったら、自由主義が重要なのです。民主主義には非常に怖い民主主義もある。フランス革命でギロチンを使った連中も、それが民主主義だと思っていたし、ヒトラーも民主主義だと思い、恐らくスターリンも民主主義だと信じていたはずです。毛沢東だって自分は民主主義だと信じていますし、スカルノもそういったいました。

・ハイエクは、「法の前における形式的平等」は「物質的・実質的平等」を目指す意図的政策と衝突し、両者は両立できないといいます。つまり、「結果の平等」と「自由」は相容れないものであるということです。「分配の平等」、「結果の平等」は聞こえはいいけれども、異なった人々に平等な結果を与えるためにはそれぞれに異なった扱いをしなければならないから、「法の支配」はなくなるわけです。・・・(中略)・・・税制でいえば、人によって税率が違う累進課税がその典型例でしょう。

などなど、ピケティの結果平等思想が粉々に粉砕されています。

やはり、「結果平等」ではなく、「機会平等」が幸福を生んでいくのです。

ハイエクの大予言/ビジネス社


お役所からの規制のために、民間のビジネスが滞り、景気の足を引っ張っているます。仕事ストレスを和らげるためにも、社会情勢から目を離さないことが必要です。

今回ご紹介するのが、原英史『日本人を縛りつける役人の掟』(小学館)です。

著者は元エリート高級官僚ですが、日本にある岩盤規制について、一般読者にもわかりやすいように解説しています。

たとえば、

・既得権益者は、いわゆる族議員や官僚機構と一緒になって「鉄のトライアングル」を組み、不合理な規制を必死で守ろうとする。一方で、無数の一般市民の側は搾取されていることに気づいてさえいないことが多いのだから、勝負にならない。

・規制により農家は資金面で農協に頼らざるを得なくなっている。・・・(中略)・・・自ら事業プランを描くのでなく農協の指導に従って作物を作り、言われるままに肥料・農薬を買い、借金して高価な農業機械を購入する・・・。しかも、農協の言うとおりにやっても最後まで面倒を見てくれるわけではない。

・日本の医療制度は患者が窓口で支払う「値段」を国が決める。単価が上げられないため、医療サービスの質を上げるよりも、標準的な治療で多くの患者を集める方が合理的な仕組みなのだ。・・・(中略)・・・診療報酬点数表に基づく「公定料金」の世界では、診療や処置が上手でも下手でも値段は変わらない。

などなど、規制が根強く残る理由がわかってきます。

これからの行政改革のメインは、農業医療分野になるでしょう。

日本人を縛りつける役人の掟: 「岩盤規制」を打ち破れ!/小学館