2月19日。
彼と付き合いだして、ちょうど6年と11ヶ月。
この間、いろんなことがあった。
そのたびに、一時の感情でたいして別れる気もないのに、別れるだの騒いでいた自分、すっごい馬鹿みたい。
2月19日は、そんな過去のことなんて全て無くなってしまうくらい、衝撃的至上最大最悪な日になってしまった。
事の発端はそのさかのぼること2月4日。
いつも月曜の朝8時半ごろになると、彼から電話が入る。
なんとなく自分の中で、週のはじまりの定期的な日課のように思っていた。
ところが、9時を過ぎても何の連絡もなかった。
9時半が過ぎてやっと彼から電話が来て、「なにしてるの?!」と、ちょっとイラつき気味に聞いたところ、「日曜日に胃腸炎で入院した。」と言っていた。
今から会計を済ませるところと言っていた彼だった。
体調が良くないことも知っていたし、本来だったら心配するはずが、その日はなんだか心配よりも先に、信用ができなかった。
とうとうその日彼は、何の連絡もなしに会社を半休して、15時過ぎに出社してきた。
そんな状況にますます、入院したということが信用できなくなった。
彼との生活は、2月4日前まで、週6日間四六時中ずっと一緒に過ごしてきた。
その日の彼は、家庭に帰った。
そして翌週の火曜日も、息子の体調が悪いからといった理由で、家庭に帰った。
その時点で、何かおかしいと、変な勘が働いた。
そして2月19日。
週頭に頻繁に家庭に帰り出す彼に違和感を覚え、嫌な予感がして、いつもの如く、「もう別れるから鍵を返して!」と言った私に、彼は一度だけ抵抗をしたけど、自分の持っていた鍵の束から私の家の鍵を抜いて、返してきた。
自分から言ったことだったにもかかわらず、すんなり鍵を返してきた彼に、少し戸惑ったのを覚えている。
そのとたん、私の頭の中に何の脈絡もなかったけど、「もしかしたら嫁が妊娠した・・・?」といった疑念がわいた。
彼と、並んであるいているとき私は彼に、「嫁、妊娠したでしょ。」と突如聞いた。
とっさに彼は、「は?なんでそうなるんだよ。」といつものように言っていて、少し安堵感があったのもつかの間、嫌な予感が私の中で駆け巡った。
そもそも、週頭に頻繁に帰っていた理由がまったく信用できなくて、嘘ついているでしょ!と問い詰めた私に彼が、「嘘じゃない!でもひとつだけ言っていないことがある。」と、力をこめて言ってきた。
まさか・・・と思ったと同時に、私は「だから嫁が妊娠したんでしょ!」と言い放ち、心の中では、ついさっき彼が言ってた「なんでそうなるんだよ。違う。」という言葉を期待していた。
その期待はやっぱり裏切られ、しかし俄かに信じがたい言葉が彼の口から出た。
「でも俺の子じゃない!!」
一瞬にして頭が真っ白になったが、そんなドラマのような話を信じるほど、私は能天気な人間ではない。
「馬鹿にしないで!!あんたはいつも嫁のことを、専業主婦でも忙しくしてるって言ってたじゃない!そんな忙しい人がいつどこで、他人の子供を作る時間なんかあるの!」
「だいたい、そんな馬鹿げた話誰が信じると思ってんの!!」
と怒りに満ち溢れた。
でも彼は、「忙しくしてると思ってたよ!でも実際あいつが何してるかなんてわからない。それにこの話は本当なんだ。嘘じゃない。」の一点張りだった。
私は、その日胃が痛くて早退をしようとしていたときで、彼はちょっと買い物に出ただけだったので、いったん別れることにした。
彼は、「きちんと話をさせてくれ。」と言っていたけど、冷静を保てなかった私は、「話すことなんかない!」と言って、その場をあとにした。