彼が事務所から降りてきて、何やら普通に話しかけてきたけれど、絶望、怒り、嫉妬、様々な感情が交錯する中で受け答えが全く出来なかった。
私が先に事務所を出た後すぐに彼も出てきたが、一人とぼとぼと歩いて行ってしまった。
昨日は大雪が降ったせいもあり、自転車を押して彼とは逆の方向へ私は歩いた。
こんな状況でも馬鹿みたいに彼のことが気になっていて、ふと悪いことが頭に浮かんだ。
彼と私は、普段使う事務所が1階と2階で分かれている。そのため、私は2階事務所の鍵は所有していない。
基本的に私一人が1階の事務所にいて、彼含めほか社員2名は2階にいる。
昨日は訳あって2階の鍵を所有することになった。
彼と別れて出た私は、2階の鍵を持って事務所に入った。
彼の社用携帯とパソコンが置いてあり、彼のLINEがパソコンに入っていることは知っていた。
いけないことだとわかっていながらも、彼のパソコンを触ると、出て間も無くだったためかロックがかかっていない状態だった。
一度触り出したら手は止まらない。。
彼のLINEを徐に開いた。。
まず、一番気になっていたのが、彼のもう一人のこと。それを目の当たりにすれば諦めつくんじゃないかと思い、やり取りの形跡がないか見たけれど、それらしきものが見当たらない。
嫁に見られる可能性もあるかもしれないし消したのかな...と思った。
そんな中ふと、嫁とのLINEが目に留まった。
恐る恐る開けてみると、年末休暇中のやりとりが。。
嫁から年明けすぐのタイミングで彼に、happy new yearというスタンプが送られており、「今どこ?31〜1日まで仕事だなんて。」とLINEがされていた。
え...って思い先を見ると、彼が返信で「あけおめ。●●にいるよ」と。。
頭が真っ白になった。
他の誰かと一緒に年越しているんだろうな。。って思ってはいたものの、どこかで信じたくない自分がいたのだろう。
そんな信じたい思いが音を立てて崩れる感覚から、更なる強い絶望感が襲った。
LINEを見ている最中から、ずっと彼から着信が入っていた。
電話に出て、彼に「年明けすぐのタイミングどこにいたの?誰といたの?●●にいる。って何...?」と聞いてしまった。
パソコンを勝手に開いてLINEをみるなんて最低なこととわかっていながらも、気持ちが暴走した。
程なくして彼がすごい勢いで、2階に戻ってきてパソコンを閉じ、配線を抜いた。
2階の事務所は普通の民家でもあり、すぐ隣に住居人もいることから、夜中に事務所で話すことなんかできないため、お互いすぐ2階の事務所を出た。
私自身、大きな穴がポッカリと空いた状態で精神的にも虚な状態...
想像通りの現実を自ら開いたにもかかわらず、受け止める気持ちの余裕すらない。
足元もおぼつかない。
そんな状態の私を彼は、時折腕を掴んで必死に家路に戻そうとした。
その瞬間、私も気が動転していることもあり、狂いそうな負の感情に苛まれていることから、触らないで...と何度か拒絶しながら、長い時間をかけて家路についた。彼はひたすら後ろをついてきていた。
彼は、昨日うちに大切な薬を置きっぱなしにしていることもあり、それを回収しなければならないこともあったからだけど。。
もう何も考えたくない。何も感じたくない。
楽になりたい。
死にたい...
そんな思いを巡らせていた。