同一労働同一賃金にどう向き合うか(1) | 人材活用ノウハウBOOK〜人事コンサルタント、社会保険労務士の知恵袋

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◆働き方改革を整理すると

 

働き方改革の中身は多岐に渡りますが、整理すると次の2つに集約されます。

 

①働き方そのものをどうするか

②働いた対価をどうするか

 

①の「働き方そのもの」とは---

「仕事をする時間の問題」

「仕事をする場所の問題」

「仕事の進め方の自由度の問題」

ーーーこの3つになりますが、これらはお互いに絡み合う問題といえます。

 

②の「働いた対価」は---

「賃金、賞与」

「人事評価」

「ポスト」

ーーーこの3つで、これもお互いに絡み合う問題になります。

 

ここでは②の「働いた対価」にからめて、何かと話題になる「同一労働同一賃金」について少し考えてみましょう。

 

◆同一労働同一賃金の意味を掘り下げてみよう

 

「同一労働同一賃金」とは平たく言うと「同じ仕事をしていれば同じ賃金にしましょう」ということになります。

当たり前のことを言っているようですが、実はそう単純ではなさそうです。

 

たとえば、職場に正社員とパートタイマーがいて、仕事の内容はほとんど同じだけど、賃金は全く違う(パートの方が賃金が低い)ということは珍しくありません。

 

「パートなのだから当然では?」という理由づけがされてきましたが、同一労働同一賃金の観点からみると、おかしな話に思えます。

しかし、そう単純でもありません。

 

そもそも「同一労働」とは何ぞや?

ここが簡単なようでそうでもありません。

 

特にこれが、実際の会社経営、労務管理にからんでくると、問題は複雑になってきます。

 

しかし、放っておいていい問題でもなさそうです。

社会情勢からいってもそうですが、何より人材不足です。

合理性、納得性のある賃金決定ができない会社は少しづつ世の中からおいていかれるように思います。