ネパールに訪れた時、母にネパールに来た事をメールしたら、
母から 「ネパールはインドになるんですか?」と返信が来た。 
ネパールが国の名前ではなく、インドの一部だと思っていいたらしい・・・。 
大国インドと大国中国に挟まれたネパールは、
小さな国ながら健在している歴史ある国だ。  
ネパールに新天地を求めつつ、ゆっくりとものづくりに没頭するために、三か月の滞在を決めてやってきた。 

約一年半前にネパールに来た時は、五日間カトマンズで過ごしただけだった。 
しかも、旅行者が集まる安宿街のタメル地区から一歩も出なかったため、ネパールについて、ほんの一部の表面的な部分しか分からなかった。 
以前はインドから陸路で入国し、バスでカトマンズまで来たが、
今回はカトマンズ・トリブヴァン国際空港に到着してからタメル地区までタクシーでやってきた。  
前回と同じゲストハウスに宿泊しようと訪ねると、宿のオーナーが変わったのか受付の様子が変わっていて、
以前居た元気なおかみさんが居なかった。
宿の建物は古く、水まわりのリフォームがされていないため古い水道管を通った水は茶色く濁っている。
鉄くさい水シャワーは相変わらずで、ルームチャージ料金だけが値上がりしていた。
以前は一泊150ルピー(約150円)だったのが、新しいスタッフは300ルピーだと言ってきた。 
「三日間泊まるから安くして」と交渉して一泊200ルピーにしてもらった。
wifiも無く、決して長居はしたくない宿だが、
タメル地区の中心でスーパーも目の前にある便利な立地でこの安さは、今ではありえない破格である。  

前回訪れた2012年3月と、今回の2013年7月では、さほどレートは変わっていないが、
近年どんどん物価が上がっているようだ。
カトマンズで生活する人と話してみると、
野菜の値段も二倍になり、住民の暮らしが厳しくなってきているとのことだ。  

長く栄えてきた王国制度が崩壊し、大統領制に変わるという、大きな時代の変化が数年前に起き、
まさに今、ネパールは変わりつつある。

観光ビジネスでの収入を期待して、2008年に観光年というものが国によって定められたそうだ。
レストランに入っても外国人旅行は10%チャージをとるのは当たり前。
それに伴いインフラが整っていけば良いのだが、相変わらず一日に数時間は必ず計画停電があるし、
インターネットの速度も遅い。
又は、時に繋がらない。
メールはできても動画などの重いウェブサイトを開くのは難しい。  
首都のカトマンズでこの状態という事に驚くが、現地の人達にとってはこれが日常生活。
突然電気が消えても困った顔せずろうそくを持ってくる。
まれに停電が起きただけで日本人は大騒ぎするを事を思うと、ネパールの人との大きな生活の差が伺える。  

カトマンズから200キロメートル西へ行った所にあるポカラという町に行った。 
6年前に行った人の話によると、ポカラは小さな町で、湖の畔にゲストハウスが点在する静かな場所だったそうだが、
今はホテルの建設ラッシュといった感じで新しい宿が増加中だ。 
ダルバート(ネパールのカレー定食)が地元の人と同じ料金で食べられたのも昔の話。
今は旅行者10%チャージをとるし、メインストリートにはATMやお土産屋が立ち並び、
歩いているだけで様々な国の言葉で客引きをする声が聞こえる。  
トレッキングのスタート地点としての町であるポカラからは、アンナプルナやマチャプチャレなどのヒマラヤ山脈が見渡せる良い景色なのだが、
近年の大気汚染によって山々がスモッグかかってしまっている。
午後三時頃の空気は、強い太陽光による光化学スモッグで頭が痛む時があるほどだった。  
数年後にはポカラが国際空港になる予定もあるらしく、
町が大きくなるに従い、カトマンズの様に少しずつ変わっていっている。

車の数が増えていくが、海外からの中古輸入車ばかりの為、黒煙を吐きながら走る車ばかり。
先進国の様に排ガスの規制をしたりというような環境への取り組みが、まだまだ追い付かないのである。
経済的な発展の背景にある環境汚染は深刻だ。

そして、経済的な豊かさばかりを追い求める人々が増えていくことも止められない事実である。
ヒマラヤトレッキングに行った時の事である。
ジョムソンという町まで行き、テントが欲しくてアウトドアショップに入った。
そこの店でテントのレンタルはいくらかと聞いてみたら、店の人が10日で4000ルピーだと言ってきた。
それでは山小屋に泊まるのと変わらない値段なので、値切ってみると、2000ルピーまでさがった。しかも、寝袋もつけてくれると言うので、良いかなと思っていると、
その店員が...
「テント返却の時にキズや穴があった場合は4000ルピー払ってもらうから、今のうちに良くチェックしておけ」と言ってきた。
なので、テントを広げ、すみずみまで細かくチェックをしていると、
再びその店員が...
「寝袋料金は別途かかる」と言ってきた。
「話が違う。全部で2000ルピーだと言ったじゃない。」と、言い返しても無駄で、
「払えないなら貸せない。全部で4000ルピーだ。」と言い張る。
態度も急に冷たくなり、貸したくない様に豹変してしまった。
面倒くさいことになったなと思いつつ、結局借りるのをやめて店を出た。
きっと、元からテントに細かいキズがあり、返却時にそのキズを私のせいにして金を取るつもりだったのだろう…。
立派な詐欺ではないか!
しかも、すぐバレる様な嘘で騙そうとしてきて、バレそうになると掌を返したように態度が冷たくなり、逆ギレ状態で店を追い出すなんて。
インドのバラナシにいる悪い商人とそっくりだ。
その人もインド系の顔をしていたが…。

母のメールの通り、ある意味で、
ネパールはインドになっていっているのかもしれない。

そんな止められない変化をどうしていったらいいものだろうか?


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