リーダーやマネージャになると、

「自分の言動がパワハラとして受け取られないように」

コミュニケーション力を、今まで以上に向上させる必要があります。

 

その一方で、「パワハラ(セクハラ・モラハラ)」を受けた!」という相談に

対応する、という機会も出てきます。

あるいは、対応窓口になった、という方も、いらっしゃるかもしれません。

 

今日は、そんな「パワハラを受けた!」という話を聞いたときに

必ずするべき3つの基本対応をお伝えしますね。

 

ハラスメントとは?

まず最初に押さえておきたいのは、各ハラスメントの特色についてです。

 

ハラスメントというのは、

「社会通念を大きく逸脱した行動で、受けた人が傷つくもの」

と考えてください。

 

近年、認知が進んだものとしては

 

リンク パワーハラスメント(外部リンク:あかるい職場応援団)

リンク セクシュアルハラスメント(外部リンク:セクハラ110番)

リンク モラルハラスメント(外部リンク:Allabout)

 

の3つがありますね。

 

このうち、パワーハラスメントとは

 

職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為

 

を指します。

 

上司から部下、などは想像つきやすいと思いますが、そのほかにも

「専門家から非専門家」「経験者から未経験者」といった

なんらかの優劣がある関係をベースに発生します。

 

「自分は、直属の部下がいないから大丈夫」

「あの人は、優しい上司だから大丈夫」

とはいかないのが、パワハラの難しいところです。

 

はたから見て、まったく関わりがないような人同士の間でも、発生することがあります。

 

パワハラの相談を受けたら

パワハラの相談を受けたら、あなたがすることは、基本的に3つあります。

ちなみに、この対応は、セクハラ・モラハラのケースも同じです。

 

1.否定せずに話を聞く

まず最初にすることは「否定せずに話を聞く」ということです。

そして、これが一番大事です。

 

パワハラを受けている、あるいは受けているかもしれない、というのは

非常にデリケートな話題です。

 

相談する側も、

 

「自分が会社の中で立場が悪くなるかも…」

「誹謗中傷だと思われたらどうしよう…」

 

など、不安の中で、打ち明けてくれることも多いです。

 

その中で、あなたが

 

「いや、そんなはずはない」

「それは勘違いだ」

 

というスタンスで話を聞いてしまうと、

相談者に、

 

「この人は話を聞いてくれない」

 

と思われてしまいます。

そうなってしまうと、きっと、2回目以降の相談が来ることはないでしょう。

 

が、本当にもしパワハラだったり、

そうではないにしろ、本人が苦しんでいたら、どうなるのか?

 

その社員が

 

公的相談機関に駆け込んだり、法的訴えを起こすかもしれませんし

メンタル疾患に罹患して、会社を長期に休職することになるかもしれません。

 

そうなると、会社の社会的信用が損なわれることになります。

 

そこまで行かなかったとしても、

会社と、その社員の信頼関係を損ねることになり、マイナスしかありません。

 

なので、「否定せずに聞く」ということは、とても大事なのです。

まず最初に、相談者との信頼関係を築く、というのが、本当に大事です!

 

2.記録を取らせる

信頼関係を築きながら話を聞く、ということは、とても大事です。

ただ、これは「共感しましょう」「相手を肯定しましょう」ということではありません。

 

これ、すごく大事なポイントですよ!

 

この時点で

共感と肯定は必要ありません

 

「あなたは悪くない」とか言っちゃダメです

火種が、かえって大きくなります

 

じゃあどうやって話を聞けばいいんだ、というのは

コミュニケーション自体を学んでいただく必要があるんですが

リンク コミュニケーションを学びたい方はこちら

 

それはひとまず置いておいて、

 

パワハラ対応で大事なのは、

あなたは、基本的に、中立の立場で話を聞く必要があるということです。

 

実際に、パワハラが存在したのかどうか、は

話を聞くのとは別に、客観的証拠に基づいて、

確認する必要があるんです。

 

そのために必要なのは、相談者に記録を作成してもらうことです。

いつ、どこで、どんな風に言われたか…という記録です

厚生労働省が公開している記録票をリンクしておきますので、参考にしてみてください

リンク 厚生労働省:パワハラ相談記録票

 

記録を取ってもらう内容は、

 

・いつ

・誰から(加害者)

・どのような発言、振舞いがあったか(場所・状況・具体的な発言)

・目撃者の有無(目撃者がいる場合は所属と氏名)

 

が基本です。

 

相談者から記録の提供があったら、速やかに人事担当者へ相談しましょう。

 

3.心身の健康状態の確認

もう一つ、相談を受けた時点で、必ず確認しておきたいのが

相談者の心身の健康状態です。

 

というのは、パワハラの初期の状態で相談してくれる、ということは

実は、あまり多くはないのですね。

 

実際には、相談を受ける時点で、相談者は、心身共に

かなり、参ってしまっていることも多いのです。

 

なにしろ、ストレスの原因は、ほとんど人間関係、

と言われているくらいですからね…

パワハラ下では、あっという間に消耗してしまうのは

きっと、簡単に想像できるのでは?と思います。

 

(なお、パワハラで心身がボロボロ、ということもありますが、

 逆に、心身が参ってしまっているから、ちょっとしたことがパワハラに感じられる

 ということもありますので、これは注意が必要です)

 

なので、必ず健康状態を確認し、必要に応じて、

病院の受診や、カウンセラーとの面談を促す、という配慮が必要になってきます。

 

迅速な対応のポイント

パワハラ相談に、迅速に対応するためのポイントは、なんといっても

対応者自身が、何をどこまですればよいか知っているかどうか、ということです。

 

どこまで、自分で話を聞き、どこからカウンセラーにつなぐか?

どこまで、自分で調査し、どこから人事に渡すか?

 

組織の中で、あらかじめ決まっていて、周知されていることで、

お互いに、素早く解決に持っていくことができます。

 

そして、その時、一番の鍵になるのが

一番最初に相談を受けた人のコミュニケーション能力なんです。

 

もし事前に、パワハラ対策を検討するなら、

相談窓口の設置対応内容の整理・周知に加えて

リーダークラス以上のコミュニケーション力の向上も計画に入れてくださいね。

 

そこで、本当に大きな差がでます。

 

 

トラストコーチングスクール認定コーチ

くろいわひろこ

 

 

コミュニケーション力の向上には、コーチングを学ぶのが近道です。

 

わたし自身の

 

・コーチングを学んだきっかけ

・コーチングで学んだこと

・コーチングで学んで変わったこと

 

は、こちらからお読みいただけます。

 

 → 「コーチングってなんだろう?」コーチングと出会い、学んで変わったこと

 

 

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