● どうしてベトナムはコロナ被害が少ないのか
こんにちは、竹之内です。
今日はニュースレターから紹介します。
まだまだ世界でのコロナ被害は続いていますが、ベトナムでは新規の感染が先月末から出て おらず、終息に向けて確実に進んでいます。
中国に隣接しているにも関わらず少ない被害で 済んだのはなぜでしょうか?
今回はこれまで出されているコロナの情報と実際に現地で様子を 見ている私の考えを交えて紹介していきます。
・過去の被害が教訓に?
中国の武漢でコロナウイルスが発生した 1 月、まだ世界的に警戒されていなかったときです が、ベトナムでは既にマスク着用や手指の消毒などの奨励が政府主導で行われていました。
この背景には過去に大勢の被害を出した SARS の経験が影響していると言われており、この ときの記憶が今回の警戒心の高さに繋がっているとされています。
・ベトナムの気候
現在コロナウイルスは一定の温度帯で活発に活動すると言われています。
発生した当初は気 温が高いと感染力が弱まると言われていましたが、シンガポールやインドネシアのような熱帯地 域でも感染者が出ていることから、そういった見方ができなくなりました。
現在言われているのは 気温が 10~20℃前後が最もウイルス活動が盛んになると言われているようです。
ベトナムで は流行りだしの時期に四季のあるハノイでも 20℃を上回る気温に入る時期でしたので、タイ ミングが良かったのかもしれません。
また常夏の南部よりも北部のほうが感染者が多かったのも 上の説明で合点がいく気がします。
・政府の権力が強い
ベトナムは一党独裁の共産圏です。
これはときに批判的に語られることもありますが、今 回のコロナ対策に関していうと、それが功を奏した部分も考えられます。
基本的に上が決 定したことは絶対ですので、それを批判するマスコミもありませんし、その決定に従わなけ れば処分するこもできます。
自由や人権などがないと言えるかもしれませんが、自分勝手 に振舞って終息を遅らせたあげく、結果的に被害が拡大することを考えると、これぐらいの 強制力をもつ政府というのも一概に批判できないものです。
現に国民からも政府の支持 が今回の件で上がっています。
・ベトナム人の意識
基本的に同調意識の強い国民性ですので、皆がやってるから自分もやらないとと思う人 は多いです。
右にならえの精神と言いますか、良くも悪くも輪を乱しません。
また自粛の 結果経済的な被害を恐れるのはどこの国でも同じですが、ベトナムを見ていると将来的 な経済被害による恐怖よりも、目下の感染に対する恐怖心のほうが高いように感じまし た。
将来的なことよりも今のことを重視するお国柄と言われていますが、この一致は偶然 でしょうか?
今回ベトナムのコロナ対策は世界からも称賛を受けており、今後はコロナ被害が落ち着 けば依然続いている国に対して支援をしていきたいと政府は発表しています。
一日でも 早くコロナウイルスの終息を祈りたいところです。