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日本がつまんない?!んなわきゃ!

=== このブログを本棚にして、読んでみた新書を並べてみましょう。===

前田護郎『若き日の欧州記』 を読みました。

この書は、著者の第2次世界大戦の始まるころの欧州への留学と

大学教員としての滞在におけるヨーロッパのひとびとの風景を示されています。

 

とてもこなれた日本語で、安心する。

現代社会でギスギスしている、カリカリしている精神状態の方へ

たいへんお薦めです。

 

他者への尊敬を持って、他人と話しができて

ひとびとの間をつなぐことができる社会がもう少ししっかりしたものに

なるといいなと思いました。

 

戦後の経済の高度経済成長と進学率の向上、戦争期を知らない世代が

社会を作ったと言えるのか。どうか。

 

このような易しい書き物を読んでしまうと、

ひとびとはなにを望んできたのか。考えてしまう。

 

あまりにも多くの人間が高等教育機関へ進み過ぎ、

あまりにも多くの大学出、大学院出の教員が各教育機関への就職を促されてしまった。

 

受け身の教育があまりにも多く広がってしまったことが

良い人材の育成や排出を困難にしてしまったようなことだろうと考えてしまう。

私自身も反省してしまうほど、良い文章である。

 

 

A・シーグフリード(吉阪俊藏 訳) 『スイス』 岩波新書 1956

笹本駿二 『私のスイス案内』 岩波新書 1991

福原直樹 『黒いスイス』 新潮新書 2004

宮下洋一 『ルポ 外国人ぎらい』 PHP新書 2020

 

前田護郎『若き日の欧州記』 学生社新書 1958

花房尚作 『田舎はいやらしい』 を読みました。

この書は、過疎地域についての体験レポートで

都市部の行政官僚、知識人や研究者の地域活性化についての考察です。

 

ついこの前まで、市町村のなかでも、地区に関して過疎地域という

指定がされて、特別な地域として活性化策が奨励されていたようだったけれども

いつのまにか、市町村全体が過疎地域に指定されています。

時間の経過によって人口減少や居住者の働き口の減少などが関わっているでしょう。

 

過疎地域には、特定の地域ボスがいて、

低賃金、労働基準無視の労働環境で地域の組合や道の駅などでの働き口を作っているとばかりの

勢いで、市町村長などの公的な首長に口を出させないような状況が蔓延していることは

確かにある。

そして、長寿命社会のなかで、地域のボスは簡単にはぽっくりいかない現状にある。

いったい何歳まで生きるのだろう。人生は60年で引退したほうが、次の世代のためだ。

 

著者の前提として、競争社会が好ましい。

これはひとによって違う。

少人数の小中学校を出て、高校や大学で多くの人間のなかに時間を過ごしたとしても

少人数のなかで良かったと考えているひともいる。

人口が少なくても、国家はなりたっている社会もある。

人口が多すぎて、地方自治体は小さな人口で成り立たせている社会もある。

 

他者に言われたことを、まともに受け入れ、反抗心が生まれる性格と

抵抗する必要も感じず適当にこなし、他の時間に自分のやりたいように過ごす性格のひとも。

 

高度経済成長期に2-3世代によって教えられた競争社会。

そうでない社会への順応も必要かもしれない。

それは自由経済とか社会主義とかそういうことではなく。

満足を得られるマインドを再構築し、他者をそこまで気にせず

少数者のなかにもいろいろな生き方があり、

弱者を助ける心の余裕をもつ必要があるのかもしれない。

 

多くの場合、地域のボスやボスの取り巻き集団は

国や県などの補助金をもらっていることがある。

この補助金申請においての条件のなかに、計画そのもののほかに

労働環境や労働時間、建築基準法を含め、施設の使用状況に違法な点はないかなどの

チェック項目を厳しくすると、補助金が認められなくなり

既得権益集団は勢いを削がれることになるだろう。

新規の決まりを守ることを重視しながら、

計画を実施できる別の集団が現れることもある。

 

実際には、地方にも人財はいるのだ。

 

 

ピエール・ブルデュー (石井洋二郎 訳) 『ディスタンクシオン』I/II 藤原書店 1990

増田寛也 『地方消滅』 中公新書 2014

増田寛也/冨山和彦 『地方消滅 創生戦略篇』 中公新書 2015

宮本常一 『忘れられた日本人』 岩波文庫 1995

山崎正和 『不機嫌の時代』 講談社学術文庫 1986

 

 

花房尚作 『田舎はいやらしい 地域活性化は本当に必要か?』 光文社新書 2022

樋口明雄 『田舎暮らし読×毒本』 を読みました。

山梨県の長野県のとなりに住む体験談。

最近では、都市部とみなされる地域でも社会問題として

著者の問題提起が身近になってきた。

やはり読みやすい文章を書くことができる物書きによる伝達であることは

限界がある。

 

いろいろ知ることができる。

「田舎暮らし」についての根本的な考えが「山暮らし」であること。

「移住者」が地元のひとにはなれないとしているが、

都市部では「移住者」であったひとは都市部の地元のひとであったのかどうか。

疑問が生じた。

自分がその場所に受け入れられているかを気にすることが日本的ではある。

 

田舎暮らしが「ログハウス」であることからなんだか古臭いが

ログハウスには「コーキング」で覆われた化学的な居住空間であることに

驚きを受ける。もちろん一般住宅でも水回りなどには使う。

シリコーン、ポリウレタン、アクリル…。あまり室内にはあってほしくない。

 

集落から離れた暮らし。

健康なひと、健康なときを過ごすには良い。

現在では、高齢化のなかで、都市部でも各自宅で暮らす要介護者の課題でもわかるが、

地方でも離れた家々、人々の課題があることを考えてしまう。

 

ここ10年、20年で、社会の人と人の関係人口というような関心も変わってきた。

自由で横暴な性格では上手くいかない状況もある。

2000年くらいまでは、人口も多く、付き合いたくなければ切ればいい関係もあった。

反して、人間関係をうまくできない、コミュニケーション下手な若者も普通になってきた。

少ない人口のなかで、

携帯の画面をみて社会の歯車や仕事や取引ができてしまう一面に

犯罪に加担してしまう若者、高齢者も多くなってきた。

 

来たひとたちが、何をするか。地域のひとを巻き込むことがある。

新興宗教を持ってきたり、大麻を育てようとしたり

違法なネットカジノにはまっていたり。

地方や都市部の境界は無くなってしまった。

 

鹿や熊の害獣問題も同じく、地方や都市部の境界は無くなった。

どこか繋がっているのだろうか。

 

ひとが生きがいを持ちながら、どのような社会で暮らしていきたいか。

自己中心的な考えから成長でき、学習し、

他者に対して、思いやりをもちながら、伝えられる意見を持てるかどうか。

災害を含めた、自然との共生。考えさせられる。

 

 

木村尚三郎 『風景は生きた書物』 中公文庫 1986

同著 『「耕す文化」の時代』 PHP文庫 1992

同著 『美しい「農」の時代』 ダイヤモンド社 1998

同著 『小さなまち、たがやす人』 小布施講演録 文屋文庫 2002(未読

木村尚三郎/中村靖彦 『農の理想・農の現実』 ダイヤモンド社 2000

玉村豊男 『田舎暮らしができる人 できない人』 集英社新書 2007

同著 『里山ビジネス』 集英社新書 2008

同著 『千曲川ワインバレー』 集英社新書 2013

同著 『村の酒屋を復活させる』 集英社新書 2018

同著 『パリのカフェをつくった人々』 中公文庫 2012

同著 『食と農のブランド力とまちづくり』増補改訂版 小布施講演録 文屋文庫 2008(未読

 

樋口明雄 『田舎暮らし読×毒本』 光文社新書 2021