伊之助を抱っこしたまま、
トラックの運ちゃんを見送って…
からのお話
伊之助は暴れもせず、大人しく私に抱っこされてます。
もう一度周りを見ると、なんと、工事現場があります。
私と伊之助はプレハブ事務所へ。
「すいません。子ネコ保護しちゃったんですけど、
飼ってくれる人いませんか?」
「はっ?それは、無理だね。
俺は寮住まいだから…。」
「誰か、他にいませんかね?」
「う~ん………。」
「そうですよね。じゃあ、箱ください。」
「その子ネコ入れる?」
「はい。あとガムテープもお願いします。」
「悪いね。飼ってあげられなくて。」
いえいえとんでもない。
今思えば、あの監督さん、仕事の手を止めて、すす汚れたチビネコのために倉庫から、ダンボール箱とガムテープをわざわざ探して持ってきてくれたんだ。
あの時は、私も必死で
監督さん、ホントありがとうございました
ダンボールの中の伊之助
ダンボール詰めにされた伊之助、「みゃ~みゃ~」鳴き始めました。
車にダンボール箱を乗せ、知り合いに携帯で連絡をしてみましたが、うまいこといきません。
アパートに連れて帰るわけにもいきません。
車を走らせてみたものの、行先は未定です。
その時、ふっと頭に浮かんだのは、ちょっと遠いけど動物病院があったなあ…ってこと。
一度も入ったことないけど、この際だ、行ってみよう
伊之助入りのダンボールを持って病院の中へ
「子ネコ保護しちゃったんですけど。
どうしたらいいでしょう?」
「そうやって、連れてくる人も
いるんですけどね…。」
「私アパート住まいで、
飼ってあげることができないんです。」
「うちも、入院患者がたくさんいるのでね。」
「そうですよね。でも、どうにかなりませんか?」
「実は、病院の前に子ネコを捨てて行っちゃう
人もいるんですよ。」
「先生、何とかお願いします。
絶対に飼い主見つけますから!」
成り行きとは言え、つい口走ってしまった私
「わかりました。
すぐには見つからないでしょうけど、その間、
預かりましょう。」
「先生、ありがとうございます。
早く見つけられるよう頑張りますから、
よろしくお願いします。」
「お預かりします。」
偶然とはいえ、
なんて良い先生に出会えたんでしょ!!!
感謝感謝です。
そして私は、伊之助を先生に預け、その日から里親探しを始めたのでした。