銀座で30年間もの間多くの人に親しまれた「ボザール・ミュー」が、
この6月いっぱいをもって看板を下ろされることになりました。
以前、グループ展に参加したり、
数ヶ月に1回くらいでしたが、知人の個展の際にも顔を出していたことで、
僕は作家という立場ではありませんが、
作る側の人間として顔を覚えて頂いてこともありましたので、
とても残念な思いを抱きつつ、ご挨拶を兼ねて、ギャラリーへ足を運びました。

入り口の階段の脇には、いつも猫のための食事用の器が...
もうこのビルへ足を運ぶこともないのかと、寂しく感じながら中へ...

これまで、多くの人の名前と作品を掲げてきた案内板です。
この日は、人気作家である佐山さんの個展が開催中で、
その変わらない、猫が猫らしい瞬間を切り取ったような
非常に細やかな観察力と巧みな造形力によるカワイイ作品に
今回も頬を緩ませつつ、宮地さんともお話をすることができました。
そしていつも、訪れた人には欠かさずお茶を出して下さっていた姿も
もうこれで見れなくなると思うと少々切ない気持ちになりました。
一方、これまで、作品やいろんな荷物がたくさん置いてあって
奥が見えないほどの状況だったギャラリーの裏側がすっかり片付いていて
そのスペースが想像以上に広かったことを今さらながら知り、驚きました(笑)。
また、いつも、ギャラリーが入っているビル界隈に住み着いていた
地域猫の食事のお世話をしていた宮地さんですが、
旅立ってしまった先代猫たちの遺骨をガラスの容器に入れて
その裏のスペースに大切そうに飾ってあって、
嬉しそうにその猫たちの思い出話をされていたことも
宮地さんの猫たちに対する優しさを感じる一コマでした。
長い間、本当にお疲れさまでした。
どうもありがとうございました。

ビルの入り口の横にあるプレート。

4階に上がって右を見ると目に入るこのいつもの光景も残り2週間です。
もうこの場所に来ることはないのか...と、寂しく感じていたのですが、
なんと、その場で予想外の嬉しい情報に触れることができました。
6月をもって、「ボザール・ミュー」としてのギャラリーは終わるのですが、
作家の有志の方々が同じ場所、同じスペースを引き継ぎ、
9月から、体制新たにギャラリーを運営していくとのこと。
...なんとも嬉しい話です。
新しいギャラリーの名前は「シャトン de ミュー」。
銀座のこの同じ場所に引き続きギャラリーがあるということは
作家の方々にとっても多くのファンの方々にとっても非常に大きいことですし、
何より、この場所が特別なものになっている宮地さんにとって
とても嬉しいことでしょうし、意味のあることだと思います。
名残惜しく寂しい反面、新しいギャラリーがどんな感じになるのか
9月のオープンが楽しみでもあります。

ギャラリーの世代交代に合わせるかのように最近現れた新入りの猫さん。
なんだか不思議なものです。
宮地さんによって「まる」ちゃんと命名されてました。

「Chaton de mieux」9月オープンです。