調理を終えて皿を居間に運ぶ。
やっと落ち着いた。
『いただきまーす。』
「十和田バラ焼きみたいー。」
おのおのの箸は、予想通り肉に伸びる。
このままではたまねぎだけが残ってしまいそうな勢い。
フレンチトーストとたまねぎを交互に食べる。
お腹ふくらみそう?とみんなに聞くたびに、奴は「お前が一番腹減ってるだろ。」と心配してくれる。
テレビでは、いつもくだらないなと感じている某バラエティ番組。
一人で見るにはつまらないものでも、今日はみんなが気ままにツッコミを入れたり意見したりするので、和やかに楽しめた。
テレビ番組とはみんなで見て楽しめるように作られているのだろうか?
『ごちそうさまでした。』
「あ…俺パンツ無いんだ。」
純が財布を持ち、立ち上がる。
急な泊まりには出費がつきものらしい。
コンビニに行くというのでスキンケアセットのお使いを頼んだ。
この前無理矢理奴の家に泊まらされたときに買ったのと同じものだ。
買うのが悔しい気もしたが、他にどうしようもない。クレンジングだけは、和馬の家にあった。元カノのものであろうか。
品名とパッケージの特徴を伝える。
「え、待って。俺やっぱこれ眼鏡かけていかないと見つけられないかも。」
品名を復唱している。
「女の子は大変だねぇ」だなんて言われてしまった。
「俺も行くで。」
奴が立ち上がった。
二人を送りだし、しばし和馬とお留守番。
二人で食器の後片付けをしたりゴミをまとめたりした。
全員でテーブルを囲む。
ビール、知らない銘柄の日本酒が数種類、そして奴が買ってきた白ワイン。
つまみとして残り少なくなったポテトスナック、青のりがかかったものだった。
「お腹すいてないの?」
うん大丈夫ー、と口々に言う。
そんなはずないだろう。
5時間バスケの後なんだから。
「肉焼いたら食べる?」
今度は口々に男どもが、食べるー。
白ワインを一口飲んだあと、台所に向かった。
スーツを着ていたため、またインナーが白であったため、油がはねるのが嫌だった。
破天荒ぶりにもほどがあるのは承知で、インナーを脱いで調理したいことを和馬に申し出た。
奴に限っては私の下着姿なんて見飽きただろう。
きっと深い仲になった男がいたから、こんなことができたんだろう。
居間と台所の間の襖を閉め、上の衣服を脱いだ。
直後に、襖が細く開き、間から和馬がハンガーを差し出してくれた。
「ありがとう。」
食パン、卵、牛乳があったため、最初にフレンチトーストをつくった。
キッチンが広かったため、作業が大変はかどった。
襖に人影が映る。
居間から笑い声。
困って笑ってるような雰囲気。
〈しまった!そうか〉
「トイレだよね、ごめんね。気にしないで開けてー。」
和馬が入ってきて、トイレに直行。
一緒にプールに行ったと思えばいい。
みっともないとは思いながらも、羞恥心は消えていた。
出てきたときに、ついでに砂糖の場所を教えてもらった。
食パンを浸した後、焼きに入った。
和馬と入れ代わりで今度は純がトイレに向かう。
…と思いきや、こっちをじっと見てくる。
恥ずかしいけど、開き直っていた。
今は焦がさないことに集中だ。
純がゆっくり近づいてくる。
〈え?〉
何か不満でもあるのか?なんか言われるのかな?と、かまえていた。
「うまそー。」
フライパンの中をのぞき込みたかったらしい。
そしてそこから離れない。
その後奴がこちらに来た。「デキ女でありダメ女。」
そう言い残し、冷蔵庫から新たにビールを持っていく。
焼けた分から、どんどんテーブルに運んでいった。
すべて焼き終わったあと、今度はたまねぎを切る。
肉が少ないため、できるだけ小さく切って、個数を増やした。
私自身がっつり食べたい気分だったが、これでは私の胃に入る分はほとんど無いだろう。
ビール、知らない銘柄の日本酒が数種類、そして奴が買ってきた白ワイン。
つまみとして残り少なくなったポテトスナック、青のりがかかったものだった。
「お腹すいてないの?」
うん大丈夫ー、と口々に言う。
そんなはずないだろう。
5時間バスケの後なんだから。
「肉焼いたら食べる?」
今度は口々に男どもが、食べるー。
白ワインを一口飲んだあと、台所に向かった。
スーツを着ていたため、またインナーが白であったため、油がはねるのが嫌だった。
破天荒ぶりにもほどがあるのは承知で、インナーを脱いで調理したいことを和馬に申し出た。
奴に限っては私の下着姿なんて見飽きただろう。
きっと深い仲になった男がいたから、こんなことができたんだろう。
居間と台所の間の襖を閉め、上の衣服を脱いだ。
直後に、襖が細く開き、間から和馬がハンガーを差し出してくれた。
「ありがとう。」
食パン、卵、牛乳があったため、最初にフレンチトーストをつくった。
キッチンが広かったため、作業が大変はかどった。
襖に人影が映る。
居間から笑い声。
困って笑ってるような雰囲気。
〈しまった!そうか〉
「トイレだよね、ごめんね。気にしないで開けてー。」
和馬が入ってきて、トイレに直行。
一緒にプールに行ったと思えばいい。
みっともないとは思いながらも、羞恥心は消えていた。
出てきたときに、ついでに砂糖の場所を教えてもらった。
食パンを浸した後、焼きに入った。
和馬と入れ代わりで今度は純がトイレに向かう。
…と思いきや、こっちをじっと見てくる。
恥ずかしいけど、開き直っていた。
今は焦がさないことに集中だ。
純がゆっくり近づいてくる。
〈え?〉
何か不満でもあるのか?なんか言われるのかな?と、かまえていた。
「うまそー。」
フライパンの中をのぞき込みたかったらしい。
そしてそこから離れない。
その後奴がこちらに来た。「デキ女でありダメ女。」
そう言い残し、冷蔵庫から新たにビールを持っていく。
焼けた分から、どんどんテーブルに運んでいった。
すべて焼き終わったあと、今度はたまねぎを切る。
肉が少ないため、できるだけ小さく切って、個数を増やした。
私自身がっつり食べたい気分だったが、これでは私の胃に入る分はほとんど無いだろう。
コンビニまでたった数メートル歩くだけの時間にもかかわらず、私たちの間にはぎこちない空気が流れる。なぜか険しい奴の表情。
明るく振る舞おうとするほど空回る私の口調。
ここ数日奴と顔を合わせるのを控えてたから?
だから不機嫌なの?
今日だって学校では5秒しか口を聞いていない。
さんさんと降り注ぐ日差しの中、奴らはバスケをしていた。そこにすっぴんキャップ姿の私が友達と一緒にロシア語のテストを終えたところを通りがかった際にだ。
「何か買ってあげるよ。」
吸っていたアメスピの火を靴底で消し、コンビニのごみ箱に投げ入れた。
火はもみ消したとはいえ、ちょっと先に灰皿があるにもかかわらず、わざわざごみ箱に投げ入れた。
憤りを感じ、この時ばかりは思わず口に出して咎めた。
しかし私の話にはまったく聞き耳を持たないばかりか、完全に下に見ているようだ。
もし自分がコンビニのオーナーで、灰皿まで設置してやってるのに心ない客の吸い殻によってごみ箱から出火し、店が全焼したら?
そこまで言わなくてもわかってくれると思ってたのに。
また、平気でこのような中学生ヤンキーがやるようなことをするくせに、兄貴ぶって金を払いたがる態度がしゃくにさわる。
しかし、手持ちも少なかったため、豚バラ肉とたまねぎだけ買ってもらった。
和馬と純も腹をすかせているだろうから。
私たちは、他に白ワインと和馬のためにグリーンのアメスピを買って、コンビニをあとにした。
信号を渡って少し歩いたら、2階建てのアパートについた。
決して新しくはないがこぎれいであった。
ガチャ。
奴が先頭になってドアを開ける。
「ただいまー。」
玄関は広々としていてなんとキッチンと寝室が別れていた。
一人で住むには十分すぎる。
おまけに単身世帯らしからぬ一般家庭と同じサイズのキッチン。シンクも横長、まな板一枚置ける広さもある。
「いらっしゃーーい。」
いつもと違って眼鏡姿の和馬。
高校時代はバスケ部。はいているのはその時のジャージだろうか。上はインターハイのTシャツであった。
キッチンの奥の居間では下だけジャージになった純が、テレビがつけっぱなしになった中漫画を読んでいる。
彼は唯一の非喫煙者。
純とは、沙那さんたちと食堂にいたときにたまたま合流し、三言話しただけにすぎなかった。
だがむこうは私を覚えていてくれて、それ以来顔を合わすたびに話しをするような仲になった。
酒を酌み交わすのは、今日が初めてだ。
明るく振る舞おうとするほど空回る私の口調。
ここ数日奴と顔を合わせるのを控えてたから?
だから不機嫌なの?
今日だって学校では5秒しか口を聞いていない。
さんさんと降り注ぐ日差しの中、奴らはバスケをしていた。そこにすっぴんキャップ姿の私が友達と一緒にロシア語のテストを終えたところを通りがかった際にだ。
「何か買ってあげるよ。」
吸っていたアメスピの火を靴底で消し、コンビニのごみ箱に投げ入れた。
火はもみ消したとはいえ、ちょっと先に灰皿があるにもかかわらず、わざわざごみ箱に投げ入れた。
憤りを感じ、この時ばかりは思わず口に出して咎めた。
しかし私の話にはまったく聞き耳を持たないばかりか、完全に下に見ているようだ。
もし自分がコンビニのオーナーで、灰皿まで設置してやってるのに心ない客の吸い殻によってごみ箱から出火し、店が全焼したら?
そこまで言わなくてもわかってくれると思ってたのに。
また、平気でこのような中学生ヤンキーがやるようなことをするくせに、兄貴ぶって金を払いたがる態度がしゃくにさわる。
しかし、手持ちも少なかったため、豚バラ肉とたまねぎだけ買ってもらった。
和馬と純も腹をすかせているだろうから。
私たちは、他に白ワインと和馬のためにグリーンのアメスピを買って、コンビニをあとにした。
信号を渡って少し歩いたら、2階建てのアパートについた。
決して新しくはないがこぎれいであった。
ガチャ。
奴が先頭になってドアを開ける。
「ただいまー。」
玄関は広々としていてなんとキッチンと寝室が別れていた。
一人で住むには十分すぎる。
おまけに単身世帯らしからぬ一般家庭と同じサイズのキッチン。シンクも横長、まな板一枚置ける広さもある。
「いらっしゃーーい。」
いつもと違って眼鏡姿の和馬。
高校時代はバスケ部。はいているのはその時のジャージだろうか。上はインターハイのTシャツであった。
キッチンの奥の居間では下だけジャージになった純が、テレビがつけっぱなしになった中漫画を読んでいる。
彼は唯一の非喫煙者。
純とは、沙那さんたちと食堂にいたときにたまたま合流し、三言話しただけにすぎなかった。
だがむこうは私を覚えていてくれて、それ以来顔を合わすたびに話しをするような仲になった。
酒を酌み交わすのは、今日が初めてだ。