Startin' over… -66ページ目
二度寝した。
午後3時を過ぎている。
教室長からの中身のない意気込み、挨拶メールを無視して寝ていた。
用件が書かれていないから対応しようがない。
業務に影響は無いから良いだろう。

久しぶりの2連休だった。
確かにここ二週間は働き過ぎだったかもしれない。
あいつが心配だ。

iphoneの画面修理に排水溝の修理。
そして掃除、洗濯、洗い物。
休みといってもやることがたまっている。
いっそ全部放棄したい。
シャワーを浴びれば暗くなっている。
夜の街に繰り出したい。
久しぶりに浴びるように酒を飲みたい。

浪人生の孤独感に寄り添いたい気もする。
ただこれ以上休日出勤をすると
ナメられるか、コンプラ逸脱云々で制裁を受けるかもしれない。
そもそも、自分が働く原動力ってどこから来るんだろう。
最初は金だけのためだった。
でも今は
浪人生とは、実に孤独である。
学校で毎日と友達と合い、部活ではしゃいでいつの間にか夜になる生活から
放り出されるわけだから。

誰とも会話しない日が多いからこそ、
誰かと話した1つ1つの言葉が、濃く脳裏に焼き付くようにもなった。
ただそれで何度も何度もその言葉をリピートしては、
頭がこねくり回され、おかしくなりそうにもなる。

秋の夕暮れ時だった。
キスをするよりも前の話。
18時から授業に備えるため、腹ごしらえをしようと近くのセイコーマートに
向かった。
歩き方と姿勢が乱れている。
運動不足でにぶる太ももの感覚が煩わしかった。

その時は何を買ったのか覚えていない。

「○○円のお返しです。ありがとうございましたー。」

商品を受け取り店を後にしようとしたところ、
後ろにいたのは、一番会いたい人であった。

「奇遇だね。」
「先生!」

店内調理されたカツ丼にエクレア、グレープフルーツジュース。
講師も腹ごしらえが必要だ。
幼かった私は、ジュースの缶を見て、
「先生、それお酒じゃないですか?」
「ちがうちがう。これ知らない?今すごい人気でね、生産が追いついてなくてね・・・・」
慎吾の経済ニュースの時間が始まった。
今考えたらテレビでも通用するプレゼン力なのではないか。
ふとした会話に過ぎないのに、知識を提供しようとする
サービス精神。
だけど、彼の声を聞けている方がよっぽど幸せであった。
申し訳ないけど、内容なんてどうでもよかった。


センター英語の長文を解かせていた。
答え合わせをして、解説中。

「ちょっと、聞いてる?」
「えっと、ね、待って。今思い出す。」
「whatの固まりはOの一部だよね。what S Vはどうやって訳すの?」
「え、こっちじゃなくて?」
「違う、違う、こっちの行、ほらもう一回いくよ。」
あいつの問題用紙に赤ペンを入れる。
私ばかり構文について語り、あいつはふーーんと聞いている。
書き込みもろくにせず、次にちゃんと読解できるか不安である。
一方通行過ぎただろうか。
でもわからなくもない。


帰り道、薄い赤色に染められた空の下、
教室までの数十メートルをいっしょに歩けたのはいい思い出だ。


※いつも御覧頂き誠にありがとうございます。この先には若干の性的描写がございます。18歳未満の方及び不快に思われる方は、読み飛ばして頂きますようお願い申し上げます。

















和馬がTシャツを脱いだ。
曇りガラスから漏れる青い光に照らし出される。
筋トレが趣味なだけあって、腕や胸が引き締まっている。
でも全くそそられない。
美しいとさえ思えなかった。好きでもなんでもない。
だけどぶっ壊れてしまいたくて、和馬の腰に手をかけた。
服を脱ぐ私を、まどろむように見つめてくる。
2回目のキス。
どうしてこんなに何も感じないんだろう。
仕事のようにさえ、感じた。

風呂の壁に押し付けられ、太ももを持ち上げられた。
奴とは違って、腰や胸を撫で回してくる。
触り方は優しかった。

向こうからは、奴のいびきが聞こえてくる。

続いて和馬が後ろに回った。
腰をつかみ、割れ目に顔を近づけてきた。
遠慮なく舐めてくる。

「ゴムつける?」

蝶のデザインが施されたパッケージを破る。
中身は至って普通のゴム。
和馬を舐め上げ、固くなった棒に被せた。

にゅるっと入ってきた。
分け入るように、奥まで進んでくる。
痛くもないし、嬉しくもない。
あと少し耐えるだけ。

こんな風にしか使われない身体が、憎らしかった。