Startin' over… -6ページ目
400m走の、300m地点にいる心地だ。
一般入試ラッシュを迎える前だから、授業自体は落ち着いて来たが、
明日より教室は本社直轄に。
それに伴いシステムの大幅な変更。
月末まで、フル勤務が確約された。
そして普段の事務作業に加え、授業手配、後輩講師の育成、教室を作り上げて行くことが課せられた。
確かにいい方向には運んだだろう。
小坂先生を時期リーダーにすることも可能だ。
彼には苦労をかけたが、私の夢はどうやら叶いそうだ。


久しぶりに退勤が日付をまたいだ。
悠長に16時前に出勤したが、やはり最後の方は頭がふらふらした。
こちらから引き継ぎ業務について働きかけてやっと、問題が明るみになることもチラホラ。
全部では無いが、少しくらいリスク管理はできたと思う。
明日は14時には出勤しないと間に合わないだろうか。
野菜スープをちゃんと食べよう。
今週は倒れられない。

M大とT大の入試前日。
今日も二人の生徒さんを送り出した。

要約文の作成、英作文は手を動かした者が勝つ。
考える前にとにかく書く。
微調整はその後でも間に合う。
第一志望合格を勝ち取って欲しい。

その後エリアマネージャーが見えた。
マネージャーが入会担当だった生徒さんの合格を報告。
非常に喜んで下さった。
準備不足な点もあったけど、少しはお金に見合う仕事ができただろうか。
生徒さんの合格通知と笑顔が、何よりも嬉しかった。

中心業務に引き抜かれたのは、当初私が目をつけていた講師2人。
うまく回りそうな予感。
自分も不勉強な部分が多いが、彼らとともにもう少し頑張る。
精神の糸を伸ばさなきゃやっていけないと思った。
8コマの授業を終えた昨日の夜、片道一時間内で行ける温泉街を検索。
時間的な都合で通勤にタクシーを使うくらいだ、徒歩15分の距離を。
遠出しすぎると、かえって疲れてしまうのでは?
格安のホテルを探したが駅から遠い。
いっそ近所の健康ランドでも事足りるのでは?と思い寝落ちした。

看護受験の生徒さんは昨日が最後の授業。
合格報告をしに来て下さった。
また別の生徒さんは次の日に試験を控えていた。
体調不良で授業を欠席されたが、今日は行けただろうか。
また3人目の生徒さんも昨日がラストであった。
今後一人で一ヶ月間試験に向け闘うことになる。
努力家にこそ、結果はついて来て欲しい。
願うことが彼女たちの力になるならば、惜しみなく私は捧げる。

目を覚ますとまだ太陽は昇っている。
今日こそワッフルが食べたい。
先週は一日一食生活。
うまいものが食べたい、と眠りについても起きたらすぐに出勤しなくてはならない。
コーヒーや栄養ドリンクが空腹をごまかし夜までぶっ通し。
退勤した頃には飲み屋しか空いていない。
焼き鳥、刺身、よくてファミレス、コンビニ、カップ麺。
野菜が圧倒的に不足していて、胃の働きが良くなかったのを感じた土曜日。

デトックスが必要、なんて意識の高いことを言ってみる。
スキンケアをして、髪だけ整え、スッピンのまま黒のミリタリーコートをひっかけ近所へ繰り出す。
あいつと遭遇するであろうか?

邪念は振り払った。

田舎町の中心街。
駅に近いからだいたいのものは揃っているけど、洗練はしていない。
職場近くのパン屋まで歩く。
いつも目と鼻の先にあるのに、退勤する頃には閉まっているからこの味にありつけない。
せいぜい、まれにここで昼ごはんを買えればいい方である。

ビーフパストラミ、たまねぎ、レタス、パプリカ、フライドポテトが入ったクロワッサンのサンドイッチを買った。
好きなものばかり入ったこの一個。
コーヒーと共にゆっくり頬張ってみる。
ショッピングセンターの入り口付近のそのパン屋。
人通りが多く、決して落ち着きはしない。
テーブルだって小さいし、その上隣との距離は近い。
客層は、なぜか圧倒的に高齢者が多い。

かまわず村上春樹の1Q84なんかを読み始める。某古本屋で赤本を漁っているついで買ってしまった。
ノルウェーの森以来だ。

ロシアの作家チェーホフ、北海道・樺太の先住民族ギリヤークの話が載っているらしい。
そのことを友人やその他の本で知ってから気にはなっていた。

起きてから初の食事を終えた後、食材の買い出しにスーパーへ。
こうやって休日に食材を買い込んでも、平日の晩ご飯、というか食事は主に居酒屋で済ましてしまう。
先週はコンビニのケーキを腐らせたほどだ。
本当に生産者の方々に申し訳ない。食えなくて社会を恨んでいた二十歳の自分は、どう今の私を叱責するだろうか。

それから無印良品をうろつく。
買うのはいつもジャスミン茶と入浴剤。
なんだかんだ毎週来ている。
タイカレーを見る。いつも迷ってたが今日は購入。
でも晩ご飯にはしないつもり。
スープで野菜を摂るのだ。

大量に買い込んだタマネギはある、にんじんも残っている。
キャベツくらいでいいかな。
鶏肉にしようか、でもパワーをつけるのに豚肉。
ならば厚切りベーコンにしよう。

ポカリのイオンウォーターとキャベツをかごに入れふらふら歩く。
納豆、買おうかな。
夜寝る前、無性に和食の朝ご飯が恋しくなることがある。
米さえ炊いておけば困ることはない。

入試前対策はほとんど終わったし、今週は少し時間がとれるかも。
そう期待してミニ納豆をかごに入れた。

その後ケーキ屋でガトーショコラを一つ買った。
帰り道では大学の後輩と遭遇。
以前も退勤後、スーパーの袋を下げている時に会った。
自炊なんか全然しないよ。


看護学校受験のラッシュであった。
予備知識は全く無い中で、今年からスタートした。
手探りで対策をしながらも、また準備不足を感じていた中、
一人の生徒さんが合格を勝ち取った。今年に入って一番嬉しい知らせ。
働きながらの勉強、なんて大変であっただろうか。
彼女のたゆまぬ努力に敬意を表したい。

一方のあいつは、授業時の隙間をぬって伊藤先生と面談。
安全圏の某大学の出願締切まであと数日。

今週一週間は再面談に関して伊藤先生と打ち合わせ。
先日彼がお父様に電話をして下さった。

面談の必要は無いとのことであったが、ご家庭からも働きかけて頂けることに。

働きかけといっても、ただ講師としてできるのは、見守ることのみなのかもしれない。
下手に口出しして、機嫌を損ねられても困る。

「どれ、現代文いかが?」
「けっこう合ってた。でも2回目だった。」
「なんだよ。」

志望大学かつ私の母校の過去問。
2浪となると過去問の得点率は信用ならない。
センター試験もしかり。

「解説いる?」
「じゃ、ここだけ。」

間違い選択肢を見ると、またも比喩表現を言葉面通りに読み取っている。
しかもその述部が傍線部の言い換えになっていない。

結局設問の正解根拠、またなぜその選択肢が間違っているかを説明させる形で授業を進めることに。