「あのご相談なんですけど。」
「はい、いかがされましたか。」
「あの子の生活態度なのですが・・」
どうやら朝は11時まで寝ていて、14時頃まで家にいるらしい。
春は図書館に行くなど勉強をしていたが全然行ってないらしい。
「私が仕事から帰ってきても、まだいることがあるんです。
いくら行きなさいって言っても、何かにつけ言い訳して・・。」
図書館まで歩いて行く時間が無駄。
かといって家で勉強している様子は無い。
「そうですか。実は私たち講師も同じ認識を持っておりました。」
今のままでは志望校どころか大学受験、いや浪人生活を続けることすら
危うい状態だ。
密度の薄い勉強、宿題への取り組みの甘さ。
志望校を受験するのは、何も第一志望者だけではない。
それに現役生はこれから馬鹿みたいに力を伸ばして行く。
「そうですよね。偏差値が芳しくないにもかかわらず、こんな状況だから。
本人が一番危機感を持っていなくて。」
「RRRRRRRRRRRRR」
いつも通り教室長も外部から来た社員も、誰も電話に出ない。
お客様のことをどう思っているのか。
神経を疑うのも疲れてきた。
授業を中断し、駆け寄る。
「大変お待たせしました。○○塾△校のxxでございます。」
「お世話になっております。」
あいつのお母様からだった。
「こんにちは!お世話になっております。」
「ご相談なんですけど・・・。」
クレームか?
授業、偏差値、教室対応それとも・・・。
あらゆる覚悟を決めた。
いつも通り教室長も外部から来た社員も、誰も電話に出ない。
お客様のことをどう思っているのか。
神経を疑うのも疲れてきた。
授業を中断し、駆け寄る。
「大変お待たせしました。○○塾△校のxxでございます。」
「お世話になっております。」
あいつのお母様からだった。
「こんにちは!お世話になっております。」
「ご相談なんですけど・・・。」
クレームか?
授業、偏差値、教室対応それとも・・・。
あらゆる覚悟を決めた。
触れずにはいられない。
こちらに投げ出される左手は、心を開いているようにも見える。
厚手のシャツに変わった。
胸板に額を押し付け、その柔らかい布の温かみを感じたい。
後輩が干された。
次期教室リーダーにするため、今から育てようと思っていた講師だ。
その中継ぎとして、日頃から頼りにしていた小坂先生も同じ目に合っている。
私のせいだ。
私が二人の名前を出したからこそ、干されたのだ。
大学受験指導の需要が高いため、私のコマが減っていることは無い。
運がいいのと、生徒さんに恵まれているだけに過ぎない。
使えない社員にとって、全体を見れる講師・生徒思いの講師ほど邪魔なものは無いだろう。
急なシフトの改変、生徒さんの気持ちを無視した講師手配。
目に余るものだった。
これこそ会社の方針からの逸脱ではないか?
朝からむかむかした。
仕事のできない正社員の復讐が始まるのかと、覚悟を決めていた。
勝手に病欠にし、授業ができないことにし、顧客側に私の評判の落とし、
担当変更。そんなことだってやりかねないだろう。
精神的に不安定だったのも否めない。
他の生徒さんの前だったら隠せる。
空元気で乗り切れるけど、
あいつの前では違った。
穏やかな横顔を見ると安心して、すべてを吐露してしまいたい衝動にかられた。
こんな年下の男に過ぎないのに、体温が高めのその手に触れたい。
なんだか、父親が与えてくれるはずだったものを、あいつの中に感じてしまった。
子供のように泣きついても、平静として受け止めてくれそうな、そんな余裕のある
表情、手。
すべて、かつて慎吾に求めたものを、あいつの中に見出だしていた。
「先生?」
「え。」
「書きました。」
「そう。」
いつもより、あいつの手が大きく見えた。
こちらに投げ出される左手は、心を開いているようにも見える。
厚手のシャツに変わった。
胸板に額を押し付け、その柔らかい布の温かみを感じたい。
後輩が干された。
次期教室リーダーにするため、今から育てようと思っていた講師だ。
その中継ぎとして、日頃から頼りにしていた小坂先生も同じ目に合っている。
私のせいだ。
私が二人の名前を出したからこそ、干されたのだ。
大学受験指導の需要が高いため、私のコマが減っていることは無い。
運がいいのと、生徒さんに恵まれているだけに過ぎない。
使えない社員にとって、全体を見れる講師・生徒思いの講師ほど邪魔なものは無いだろう。
急なシフトの改変、生徒さんの気持ちを無視した講師手配。
目に余るものだった。
これこそ会社の方針からの逸脱ではないか?
朝からむかむかした。
仕事のできない正社員の復讐が始まるのかと、覚悟を決めていた。
勝手に病欠にし、授業ができないことにし、顧客側に私の評判の落とし、
担当変更。そんなことだってやりかねないだろう。
精神的に不安定だったのも否めない。
他の生徒さんの前だったら隠せる。
空元気で乗り切れるけど、
あいつの前では違った。
穏やかな横顔を見ると安心して、すべてを吐露してしまいたい衝動にかられた。
こんな年下の男に過ぎないのに、体温が高めのその手に触れたい。
なんだか、父親が与えてくれるはずだったものを、あいつの中に感じてしまった。
子供のように泣きついても、平静として受け止めてくれそうな、そんな余裕のある
表情、手。
すべて、かつて慎吾に求めたものを、あいつの中に見出だしていた。
「先生?」
「え。」
「書きました。」
「そう。」
いつもより、あいつの手が大きく見えた。