(私達は) そんなに急いで何処へ行くのか? | お日様母さん ― 晴れのち曇りそして雨 ― がんとの闘い

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私の母親が突然「がん」と診断された。「がん」と闘い、一生懸命に生きた母と後悔ばかりの子の闘病生活を綴る。そして、2018年ついに私自身にも「がん」との診断が…。

私は昭和生まれのオッサンなので、結構昔のことを語ることがある。ちょっとだけ専門的な話です。

 

私が E-mail (電子メール) を初めて使ったのは就職前の学生時代 (一応情報工学科だったので)。それ以前の環境は「インターネット」ではなく「パソコン通信」という仕組みがあった。よって、その頃はスマホはおろかガラケーさえもない時代でした。

 

高校時代の同級生が別の大学に進学したので、その友人と時々メールのやり取りをしていました。今の時代、よりお手軽なチャットやメッセージングサービスがあり、ほぼ一瞬で会話ができますが、当時のメールは配送に1日かかるということもありました。まさに“電子的にやりとりをする手紙(郵便)”です。

 

電子メールはバケツリレーのようにコンピュータ間を巡って宛先のコンピュータに配信されます。まさしく電子的に置き替えただけで、郵便の仕組みと変わりません。配信の仕組みは標準的に決められており「SMTP (Simple Mail Transfer Protocol)」という規約 (約束事) に従ってコンピュータ間でやりとりされています。

 

ご存じのように昔は今のような高速で安価なネットワークの仕組みはなく、一番身近なコンピュータ同士が通信するために電話を掛ける(電話回線, 回線交換)を使っていました。当たり前ですが、電話を掛ければそれだけで通信費が掛かりますので、メールは溜まったらまとめて転送する仕組みです。本当に今は便利で早く安価な通信ができるようになりましたね。

 

このような背景もあり、先ほどのように配信に1日掛かることもありました。しかも、画像や動画、音声なんかは送れません (後に送る仕組みが開発されました) ので文字のみのやりとりです。

 

ちなみに今でもインターネット上では先ほど挙げたSMTPという規約でメールをやり取りしており、画像も音声もすべてテキスト(文字)に変換して送られています。変換の仕組みも標準の規約として世界に公開されているので、規約さえ理解していれば自分で変換もできます。

 

私は職業柄という理由もありますし、個人スマホを持っていないという理由からも、電子メールは PC 上で閲覧しています。このため、メールアプリなどを使うと覆い隠されてしまう配信記録が記録されているメールヘッダと呼ばれる記録部分を見ることができます。

 

特にスマホアプリでは、メールヘッダような一般の利用者が見なくて良いものは表示しないようにしています。表示もすっきりとしますし、仮に見ることができたとしても利用者が中身を調べることもないでしょうから。

 

さて私のメールボックスですが、今日 (5/22) 一日で受け取ったスパムメールやフィッシングメールなどの迷惑メールをチェックすると 22 通ありました。私の契約しているプロバイダでは SpamAssassin というスパムフィルタ(迷惑メールを識別する仕組み) を使っており、結構優秀に迷惑メールを振り分けてくれます。

 

振り分けされた迷惑メールのメールヘッダを調べてみると、一番多いのが中国のプロバイダ経由で送られてくるものでした。まぁ、そうなんでしょうね…としか言えませんが。

 

このような迷惑メールは送信者を偽造しているだけでなく、先ほどのコンピューター間でのSMTPによるやり取りをする時にも自分の名前 (ホスト名≒コンピュータ名) を詐称します。いかにも信頼ある会社のコンピュータだと名乗る (amazon やその他有名企業) のですが、コンピュータがインターネット上で通信するには IP アドレスが必要なため、実際に通信してメールデータをやり取りするためには IP アドレスを詐称 (嘘をつく) ことはできません。

 

このため、メールヘッダに記録されている IP アドレスを確認するとスパムメールやフィッシングメールのような迷惑メールである可能性が高いかどうかを推測することができます。

 

迷惑メールは大量の宛先へツールを使って送られるのですが、冒頭で書いたような 1 日に 1 回しか配信できないような環境では量を捌けませんし、送りたい量のメール送信が完了するまでに途方もない時間が掛かってしまいます。今は安価に高速で大容量のインターネット環境が「そこにある」状態なので可能になったとも言えるのかも知れません。

 

電子メールは電子的に送られるお手紙です。冒頭で書いたようにハガキや封書のように昔は1日以上かけて到着することもありました。「手紙」なんてそんなものだと当時から思っています。

 

電子メールとして出す内容も、そこまですぐに届かなければいけないものなのですかね…。ビジネスメールは速達で送りたいという要望はあるかも知れませんが、通常のメッセージのやりとりであれば気長に待つのもオツなもんですよ。それなら紙媒体のハガキや封書でイイじゃんと思うかも知れませんが…。

 

タイパ、タイパ、と効率ばかり引き合いに出される今日この頃ですが、ゆっくり時間を掛けても問題ないことも世の中にはあると思うのですがね…。老い先短い私のようなオジサンならともかく、若い人はまだまだたくさんの人生時間が残っているのですから。