雨の中の通院 | お日様母さん ― 晴れのち曇りそして雨 ― がんとの闘い

お日様母さん ― 晴れのち曇りそして雨 ― がんとの闘い

私の母親が突然「がん」と診断された。「がん」と闘い、一生懸命に生きた母と後悔ばかりの子の闘病生活を綴る。そして、2018年ついに私自身にも「がん」との診断が…。

昨晩は0時前に寝て、枕もとのガラケーのアラームで目を覚ました。5:30の表示が真っ暗な部屋に煌々と浮かんでいる。う~寒い。天気予報は今日は雨なので薄暗い一日なのですが、それ以前に2月初旬の5:30はまだ真っ暗だ。布団からのっそり起き上がって、着替えを始める。速攻で着替えなくてもいいくらいの寒さ。勿論寒いことは寒いのですが。

 

昨晩判を押した検査依頼書と問診票をデイバッグに入れ、また忘れずに財布も入れる。多分費用は昨年と同じ、16,000 円くらいだと思う。雨でなければスクーターで地元駅まで行くのだが、今日の午後は降水確率100%なので、スクーター移動は諦めバスで行くことにした。

 

起きたら、コップに1~2杯の水を飲むように書かれていたので、コップに水を汲み、レンジでチンして温め白湯にして飲んだ。流石に冬の朝一から冷たい水を体に流し込むのは辛すぎる。

 

ほぼ支度が整い、時計を見ると6:00に時計の針が差し掛かっていた。バス停までは15分くらい歩けば着くので、デイバッグを背負って玄関の鍵を閉めて出かける。路面はそれほど濡れていなかった。まだ日が出ていないので、全体を見渡したわけではないが、降るなら午後だろう。傘は折り畳みではなく普通サイズの傘を持った。

 

バス停に着きバスを待っていたが、中々来ない。バスなのでぴったりとした時間に着かないことは承知しているが、そろそろ予定時間を7~8分過ぎている。通勤時間帯のバスとは言え、これを乗り逃がすと次は30分後なので、まさか早めに着いて既に行ってしまったのかとちょっと心配になる。

 

そんなこんなで待っていると、バスがやってきた。後はバスに揺られて移動する。会社へ通勤する時と同じ、一度バスがターミナルに到着。タイミングがイイと乗り換えなしで駅まで行ける。今回のバスも乗り換え不要のタイプだ。私はSuicaやPasmoは持っていないので、現金払い。停車中に両替をしておく。

 

JRの駅に向かう人が多いかと思っていたがそうでもなく、途中何度か降車のために停留所に止まる。駅には当初の遅れを挽回できず、10分ほど遅れて到着。残念ながら予定していた列車は出た後だ。次の電車は今から15分後。ホームに降りて電車を待つ。

 

ホームで電車を待っている人の手には傘が目立っている。多分手に持っていない人も折り畳み傘を準備しているのだろう。空は次第に明るくはなってきていたが、熱い雲に覆われて気温も上がりそうもない。駅のアナウンスでは身延線や御殿場線の運休予定のアナウンスが流されていた。私は沼津から御殿場線に乗るのだが、多分アナウンスの内容からすると影響はなさそうだ。

 

ホームのアナウンスの後すぐに列車がホームに滑り込んでくる。電車が止まると降車客の後、並んで乗車。席は空いていたが通勤時同様に立っていることにした。移動時間は暇なのでこれも通勤時同様Walkmanで音楽を聞く。そういえば、もう殆どの人がワイヤレスタイプのイヤホンを使っているよう。私は相変わらず有線イヤホンだ。SONYのMDR-XB90EXというイヤホンが気に入っていて、もう長い間これを使っている。

 

ワイヤレスタイプを使わないのは、

 (1)別にコードがうざいとは思わない

 (2)ワイヤレスタイプはスマホと同様にバッテリーが劣化するので、定期的に買い替えなければいけないが、高価(そこそこの音を目指すと万は超える)なものをしょっちゅう変えたくない。

 (3)有線はワイヤレスのようにノイズが入ったり音が途切れたりしない

という理由だったりする。

 

さて、車内で音楽を聞いているうちに、沼津へ到着。まぁ、三島まで行ってバス or タクシーでがんセンターまで移動する方法もある (以前、電車の遅れで間に合わなかったときにタクシー飛ばしてやっと間に合った) が、今日は2案経路があるうちの早く着く時間の経路を選んだので、バスおよび電車の乗車時間がずれたがこのまま行けるところまで行ってみる。(私はスマホ持っていないのでタイムリーには乗り換え案内は見れない)

 

沼津駅で御殿場線に乗り換え。出発は20分後。駅のホームでこの寒い気候の中待つ。手袋を持ってこなかったので上着のポケットに手を突っ込んで暖める。時間の少し前に電車が到着。良かった、電車の中は温かいので凍え死なずに済む。

 

御殿場線でも席は空いていたがやはり立っていた。今日久々に乗って気が付いたのは、電車に乗り込むと手動でドアを閉める。もともと停車駅で手動で下りる時に開いていたのは知っていたが、やはり寒いので後続を確認してさっとドアを閉め、外気が車両内に少しでも入らないようにしているようだ。去年もそんなだったのだろうか、全然気が付かなかった。

 

車内アナウンスがあり、東海道線の遅れて到着する電車を待って出発とのこと。まぁ、天候も悪ければ遅れも出るのでそうなるよね。ただ、3分遅れで発車だったのでそれほどの待ち時間が発生はしていなかった。

 

電車に揺られやっと電車移動での目的地「長泉なめり駅」へ到着。駅舎から出ると、うぉっ! と急に寒さが押し寄せてきた。風も少し吹いていて、体がブルッと凍える。さて、こちらのバスも確か1時間1~2本だったはず。今回も20分待ちだ。音楽を聞きながら気を紛らわせて待つ。電車もバスも遅れるから、早めに着く案の方を採用して正解だった。それにしても…、風がビューと吹くたびに耳が痛くなる。

 

バスがやってくる頃には、バス乗り場には結構人が並んでいた。私より前に女性の方が一人待っており、私は2番目。その後に数人が並んでいた。バスに乗り込みがんセンターへ出発。バスの中は暖房で暖かい…。

 

暫く坂道を登ってゆくと、がんセンターの建造物が見えてくる。がんセンター前の道が今日は混んでいる。私は先生の予定で検査は大体月曜日なのだが、ここまで混んでいたなかったような気がする。今日の天気のせいか。

 

玄関口でカメラで体温測定し、手をアルコール消毒してから受診受付機へ。診察券は財布に入れているのだが、寒さでかじかんで中々出せない。やっと取り出し、受付機へ入れると「液晶付きの呼び出し機」と「今日の診療予定」が出てくるのでそばにあるビニールケースへ格納する。そのまま採血室へ向かう。

 

採血の受付で、ビニールケースを渡すと、いつものように名前と生年月日を聞かれる。ささっと答えて、採血の前に採尿するように言われる。まぁ、多分大丈夫 (出ないことはない) だろう。

 

採尿と採血を済ます。採血も私は血管が細いので外されることもあるのだが、今日も一発で針が入った…良かった。

 

次にCTだ。CTの受付へ移動して、先ほどのビニールケースを渡すと、先に問診票に記載してほしい旨促された。まぁ、いつものことで、例の新型コロナウィルス対策の問診表。ササッと記入して、検査依頼書とCT用の問診票を渡して受付が完了。時間より20分ほど早い。検査室前で番号を呼ばれるまで待つようにとのこと。

 

駅で極寒の中待つよりは全然イイ。TVも付いているし。私は椅子に座ると目を閉じて順番を待つ。目を閉じると周りの音や声が急に聞こえるようになる。「〇〇番の方いらっしゃいますか?」と看護師さんの声が幾重にも聞こえる。

 

「△△番の方~っ」「はい!」と返事をする。まずは看護師さんと対面での問診と、着替え。上はTシャツ、下は下着で、上から検査着を羽織る。病院の中は暖かいので、この格好でも全然寒くはない。準備ができても、また検査室前の待合室で待つ。また目をつむって順番を待つ。

 

ふと時計を見ると、予定時間の15分前くらいになっていた。すると「△△番の方~っ」と自分の番号が呼ばれる。CT撮影室に入ると、いつもの白地に青の字が鮮やかなキヤノンメディカルシステムのAquilionが設置されている。検査技師、看護師の方といつもの個人識別のための名前と生年月日のやりとりをして、CTの台座に横になる。まずは、造影剤なしで撮影し、次に造影剤を入れて撮影。特に何の問題もなく完了した。

 

次の胃部内視鏡までは45分くらい時間がある。基本的に予約優先なのでこの時間なのだが、ワケあって順番が変わることもあるので、まずは受付へ。

 

CT同様に検査依頼書と問診票を渡して待合室で待つ。基本的にロッカーに私品を入れておくのだが、放射線撮影室とは異なり少しロッカーサイズが小さい。傘をどうしようかと思い、受付に相談すると受付で預かってくれるそうだ。

 

20分くらい待合室で待っていると、番号が呼ばれた。看護師さんから問診を受けた後、小さなコップ1杯のあの不味い検査前準備薬を飲む。一応、レモン風味っぽいのだけれど不味いことは不味い。後は、検査室前の待合室で待つことに。

 

待合室のTVでは芸能人が一週間後に迫ったバレンタインデーの思い出を語っていた。私はチョコレート大好きですが、残念ながらまっとうな本命チョコは1度ももらえませんでした (まぁ、それもあってお独り様なのですけどね)。会社に入って、同期から義理チョコ、同じく職場に配属されてから配属先のお姉さん達から同じく義理チョコをもらったのが、私の人生においてのバレンタインのチョコの思い出すべてですね。

 
さて、そんなこんなでTVを見ていると、番号が呼ばれました。検査室に入って、個人識別のやりとり。検査台に横になって、喉に麻酔を噴霧され、これ結構キツイというか喉がヒリヒリと痛いんです。ごくんっ、と飲っくんだ後はなんか喉に皮がかかったような鈍い感覚。腕へ弛緩剤の注射をしてもらうのですが、左がちょっとダメっぽく採血した右腕にやってもらいました。
 
…で、目が覚めたら椅子に寝かされていました。がんセンターの胃部内視鏡は寝ている間に終わるから楽。ただ、そのお陰で行き帰り共に自分で車や軽車両の運転はできないのですけど。
 
カーテンが開いて、検査後状況を看護師さんが確認して、書類を渡されて無事胃部内視鏡も終了。受付で預けていた傘を返してもらい、今度は先生の診察。
 
診察も10~15分くらい待って、すぐに番号が呼ばれ、診察室へ入りました。先生に検査結果が書かれた紙を渡され、特に異常はないか確認を受けました。特に問題ないと伝えると、これでがんセンターでの半年に一回の検査は終了とのこと。がんセンターを紹介してくれた掛かりつけのお医者さん宛てに書類を書くので持っていくように言われ、5 年間の観察期間が終わりました。先生に「本当にありがとうございました」とお礼を言って病室を後に。
 
後は、会計を済ませて帰り支度です。11:45 以降なら何か飲んだり食べたりしても良いと検査後の書類にあったので、病院付属のコンビニで「ほっとゆずレモン」を買い、持ってきたカロリーメイトを食べました。昨晩もゼリー飲料だけだったので流石に腹が減った。
 
食べ終わって、玄関を出てバス停へ。外は天気予報通り雨がザンザカ降っています。ユキじゃないだけイイですが。時間をみると、つい5分前に出たばかり。お昼時というタイミングが悪いようで次は1時間後…マジか。ちょっと外で待つのは辛いので、再度がんセンターに戻って休憩場所の椅子に座ってまた目をつむって音楽を聞いて時間を過ごしました。
 
あと15分くらいになったので、再度玄関脇のバス乗り場へ移動。少しだけ椅子に座って待っていると、バスがやってきました。バスに乗って「長泉なめり」まで。御殿場線も15分くらいで来そうなので、ホームで待ち、沼津駅へ到着。後は、東海道線で地元駅まで移動。ここでも20分待ちくらい。
 
地元駅からは、バス。こちらも雨の中、15分くらい駅前停留所で待ってバスへ乗り込み、家と駅の途中のバスターミナルへ到着。残念ながら直通バスではないのでターミナルで下りて、次のバスの時間を見ると…30分後。何だか今日はもう乗り物を待つのが疲れた。仕方ないので、途中スーパーに寄ってカロリーメイトではお腹が心許ないので、柔らかな卵サンドを買ってから帰りました。
 
家に着いて、濡れた服を乾かし、途中でお湯を沸かしてAGFのスティック抹茶ラテと一緒に卵サンドを食べました。う~ん、これで十分お腹いっぱい。それにしても、疲れた…。時計は17:00になろうかという時間で、冬ということもあり辺りは次第に闇に包まれていきました。