坂本龍~今夜は泡風呂ぐ~ -16ページ目

坂本龍~今夜は泡風呂ぐ~

記事のテーマパーク。
記事の複合型施設。
記事のパルコ。




ふと唐突に思った。



齢28にして、ゴリラを見た事がない。




もちろんTV越しや
図鑑、YouTube、ゴリラっぽい知人
などで間接的な
目視は経験済みだが、  
この目で、生ゴリラをまだ
1度も見た事がない。




超見たい。
生ゴリ。





と言うのも、大阪の動物園に
ゴリラは居ないのである。
チンパンジー、オランウータン、
マンドリル、などと言った
ゴリラみが深い動物は沢山いるのだが、
ゴリラみに用は無い。



ゴリラそのものを欲している。


寸分の狂いもないゴリラ。



嗚呼、ゴリラが見たい。
どんな大きさなのか、質感、佇まい、
それら全てを存分に堪能した後、
最終的にビールで乾杯したい。





そこで僕は検索をした。



もしかしたら、見落としているだけで
大阪にもゴリラを飼育している施設が
あるかも知れないと思い、
大阪 ゴリラ で検索した。






ゴリラ脱毛しか出てこなかった。




ゴリラ脱毛は大阪に沢山ある。




ファミマ感覚で存在する。



僕は髭が濃いのでいずれ行く予定だ。
少しばかりプランを見てしまった。
やはり根が張るが頑張って清潔男子を
目指そうと思う。





いや、そんな事よりゴリラだ。


やはり大阪にゴリラは一頭もいないっぽい。



本当か?


こんなにも人や娯楽施設が多い街で、
一頭も居ないなんて事あるだろうか?



そう思うと、心なしか
1週間くらい前に交差点で
すれ違った気がしてきたし、
この前行った美容室の端っこに
座ってた気が、しなくもない。




一体、
何処の毛を切るんだ。



インナーカラーとかいれるのかな。



ゴリラのインナーって何処?



さて。




範囲を広げて
関西 ゴリラ で調べてみた。


なにやら京都の動物園に存在するらしい。


京都かぁ。


絶妙な距離だ。


良い歳こいた大人が
ゴリラだけの為に京都まで足を運ぶ
モチベーションが、少しだけ見当たらない。


もし京都に着いて、
お上品な舞妓さんに
『お兄さん、何しに来はりましたん?』

と問いかけられた時、
俺は胸を張って
『ゴリラを見に来ました』
と言えるだろうか。


そんな京都名物でも
なんでもない動物を見るためだけに
京都まで足を運ぶやつは、
やはり少々イカれている気がしてきた。


舞妓さんも反応に困るだろう。
困り果てて無言で立ち去られる可能性がある。
せっかく話しかけてくれたのに
この有様だ。


京都で舞妓さんに無言で立ち去られた
ゴリラを見に行く男

になってしまうのは怖いし嫌すぎる。

そんなキャリアを持ち合わせたくない。
そんなキャリアは絶対に無い方が良い。



ならば複数人ならどうだ。
複数人となると、羞恥心やイカれ具合も
かなり軽減される。

『ゴリラ見た事ない人集合』
というグループLINEを作り、
友人を誘いまくる手口だ。




いや待て。
28歳ともなれば、
ただでさえ休みが合わない上に
せっかくの合う休みをゴリラに
捧げるのは如何なものか。


確実にお酒を飲んだりした方が
楽しい気がする。



と言うかさっき、複数人だと
イカれ具合が軽減されるとかほざいて
しまったけど、むしろ
イカれ具合に拍車がかかってない?


なに、複数人でゴリラを見に
京都まで行く奴ら。
イカれ狂ってるわ。
帰れ。


というかそれ以前に、
例えば客観的に見て突然
『ゴリラ見た事ない人集合』
とか言う訳の分からない
グループLINEの招待が来たら、
いくら友人でも震え上がるわ。

まだマルチとかの方がマシだ。







と言うわけで、完全に詰んだ。
俺が生ゴリラを見る日は、
いつになるのだろうか。


















あれ、そう言えばあの日以来
一度も会ってないし、これからも
会うことはなさそうだな。


だったり



最終回や、最後の何かを
見れなかったり
触れられなかったまま、
随分と時が経っているのを
思い馳せたりする。





簡単に言えば、正式な
サヨナラを交わさないまま、
期せずして
サヨナラになっている状態だ。




そして俺は、そう言うのも
悪く無いって思っている。





いちいち決別したり、
惜別だったり、そういうのは
結構しんどいし、とても寂しい。






例えば俺は、大好きなみそっかすという
バンドの解散ライブに行か(け)なかった。


最後に見たのはいつだったろうか。
思い出せないけど、
そんなもんで良い気がしている。


俺が大好きなバンドだという事実には
変わりがない。



たまに、嗚呼もう見れないのかぁ...
という、えもいわれぬ感傷が
押し寄せるが、結局人生はそれの
繰り返しなのかも知れない。



事あるごとにまるで
お葬式や卒業式のような、
心の決別をつけなくたって、
自分の中で続くものがあっても良いじゃん。






そんな事を思っている。















もう2月。


え、もう2月?


どう考えてもまだ1月14日くらいですよね。


2月な訳がない。
笑わせないで頂きたい。
そんなに体を張らなくてもいいんだよ、地球。 
とりあえず一旦止まって、
アクエリでも飲もう?




いやもうね、
納得出来ないんですよ。


歳をとると段々日々の体感速度が
早くなる的な定説は何度も耳にしてきましたが
そんな事は断固として認めたくないんですね。



これには深いロジックなどは無く、
ただ単に『嫌だから』。


なので時空に対しての
なんらかの異議申し立てを
するしかないという結論に至りました。

そういう申請とかって何処ですれば
いいのかな。


区役所?
とりあえずそういうのは区役所か。


申請といえば役所である。
役所に申請出来ないものはないのだ。
僕らはいつだって申請をしてきた。役所で。


申請と役所は密接な関係。
さながらピッコロと孫悟飯のような感じだ。





よし。実際に申請する時の事を
想像する。



〜区役所、着く〜




俺『すみません、ちょっと申請をしたくて...』


役員の人『えっと、何の申請でしょうか?』


俺『時空における実態の質量と体感のズレに対する異議申し立ての申請です。何か問題でも?』




役員『ははは... 。えっと、』




俺『紙をください。ハンコは持ってきました』 





役員『...えーっと(こういう時は通報か...?やばい前例が無さすぎてどうすれば良いか分からない...こいつの頭の沸き具合的にはいっそ救急車の方がいいかもな...)』










落ち着こう。
これはどう考えても奇行だ。
進撃の巨人の奇行種の方がまだまともである。




こんなトリッキーで革命的な申請は、
そもそもこの世には存在しないし
もし申請を出しても、通るはずがないのだ。


もしこの申請が通ったとするなら、
誰が通したんだ。



俺と同じ気持ちを抱いていた
文部科学省の官僚達か?



で、その申請が受理された途端、
時間の進みが遅くなるの?



怖いわ。




どんなシステムなんだ。
これだけ緻密に計算された
1秒という間隔が、
大阪に住む訳の分からない
1人の成人男性によって変わるって、
恐れ多いわ。

凄いを超えて気絶するほど怖いわ。





という事はもう、
この時の速さを、
受け入れるしかないというのか。



それもそれで、あまりにも酷である。
ぐーたらとした毎日を過ごしているのであれば
それは自己管理の欠如が因果関係として
合点が付くので腑に落ちる。


しかし俺は、俺様は
毎日自炊をして、死ぬほど音楽をし、
音楽理論を日々学び、
Netflixで
ヴァイオレットエヴァーガーデンを観たり、
Tverでテレビ千鳥を見たり、
たまに歯医者に行ったりと、
毎秒毎秒、これでもかと言う程
生というものを実感し、
とても充実をしているのである。



なので、この時の速さに
憤りを覚えるのは当然なのだ。




これだけ奇っ怪な文章を羅列しておいて
言いにくいんですが、


突然そんな事は
どうでも良くなってきたので、
一旦アクエリを飲みます。





さようなら。