お爺さんは山へ芝刈りへ
お婆さんは川へ洗濯に行きました
すると川上から大きな桃が
どんぶらこどんぶらこと流れてきました
お婆さんは血眼になりその桃を
捕まえました
そしてこう言いました
『こんなん絶対バズるやん(笑)』
いや、お婆さん世代にもSNSの
承認欲求あるんかい
バズってどうすんねん
確かに大き過ぎる桃とか、
なんかバズりそうやけど
それどころちゃうねん
中に、今後の物語を左右する
物凄いもん入っとんねん
すかさずお婆さんは
その大きな桃を良い感じに写真を撮り、
『ちょwwwなんかデカイ桃拾ったwww』
というキャプションを添えて、
Twitter、インスタ、TikTok、YouTube
全部を使って投稿しました。
凄いなおい。
バズる事への執着心ハンパないやん。
ほんで、ご高齢の方がそんな
全部のSNSやらんねん普通。
そして家に着いたお婆さんは
お爺さんに桃を見せました。
お爺さんは食い気味に言いました。
『え、すご、絶対バズるやん』
いやお前もかい。
お前も、SNSで何かしら一度は
バズってみたかったんかい
『でも、さっきから一向に通知が来ないから、
多分バズってないわ』
いやご高齢の方が
投稿後の通知気にすんな。
もっと身体の関節とか、
血圧とか、健康面気にしろ。
長生きしてくれ。
『それにしても、これどうする?』
『う〜ん、どうしたらいいものか、、』
はよ割れ。
割って食べる、という発想に
なんでならへんねん。
さっきも言ったけど中に
きびだんごを代償にあらゆる
仲間を携えて鬼を退治するという
物凄い勇敢な生物が入っとんねん
そこからがメインやねん
『わし、桃のアレルギーなんじゃ』
そうなんかい。
そうやったんかい。
『そうよねぇ、私もそこまで桃が好きって言うわけでもないし』
詰んだやん。
その桃が割られる可能性は、
極めて低いやん
主人公 in 桃 Forever やん。
『でもこの桃、ただの桃ではない気がするのぉ』
お、ええやん
『どういう事?』
『何かこう、例えば鬼ヶ島にいる鬼を退治するような、物凄いポテンシャルを持った赤子が入っている気がするんじゃ』
いや凄いな。
急カーブでピンポイント突いてきてるやん。
ゴン攻めのビッタビタやん。
『それはワロタwww』
なにワロてんねん。
お爺さんが奇跡の名推理したんや。
阻止すな。
桃太郎の飛躍をこれ以上阻むな。
『やっぱりこの桃は、
お隣の桃だけを摂取して生きている
桃大好きご夫婦にお渡ししましょう』
いやお隣にちょっと怖い
桃大好きご夫婦おったんかい。
『なんかお隣のご夫婦、
4泊13日の旅行に出かけてますって
玄関に張り紙されてたわ』
どこ行っとんねん
4泊13日って、時空歪んでるやん
色々と怖いねんその夫婦
『仕方がない、腐らすのもアレだし、
嫌々食べましょうか、、』
嫌々食べんな。
でっかい桃は、嬉々として食え。
『すっごい!!
なんじゃこの果肉の甘味と蜜の量は!!』
桃太郎、入ってなかったやん。
なんかごめんやん。
色々言うてもうてごめんやん。
ただの、激甘でっか桃やったやん。
そんなこんなで、
お婆さんの投稿結果は
Twitter 36000 いいね 8000リツイート
インスタ 19000 いいね
TikTok 12760いいね
YouTube 1600000回再生
でした。
いやバズったんかい。
ちゃんと全部バズったんかい。