2つの白い部屋 | 坂本龍~今夜は泡風呂ぐ~

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2つの白い部屋があります。



その1つには、

『何かを生み出す人』が居ます。


そしてもう1つには『お金が大好き』な人が居ます。




その2人の様子を、

覗いてみます。




この2つの白い部屋は、

何もない訳ではありません。



たくさんの種類の絵の具や紙、

高価な楽器、

パソコン、意外と何でもあります。





『何かを生み出す人』は、

おもむろに絵を描き始めました。

その顔は、どこか生き生きとしています。



『お金が大好き』な人は、

それらを使用する事なく、

ただ立ち尽くし、どこか困り果てている様子です。









さて、2日が経ちました。






『何かを生み出す人』の方の部屋は

真っ白な部屋だった筈が、

いつの間にかとても沢山の

『作品』で埋め尽くされていました。



『お金が大好き』な人の部屋は、

2日経てど、未だ真っ白のままで

沢山ある絵の具や楽器は、綺麗なまま

置かれています。




すると突然、白い部屋に異変が起き、

2人の部屋はシャッフルされ、

入れ替わってしまいました。





入れ替わった『何かを生み出す人』は、ひどく困惑しました。

沢山生み出した作品が見当たらないので絶望した様子です。




『お金が大好きな人』は、

周りにある芸術作品を見て

何かに使えないか、と悪知恵を働かせます。





ここで、さらに部屋に

異変が起きます。






『今、あなたが1番行きたいところに行ける通路』





が開きました。





なにやら、1番行きたいところを望めば、そこへと繋がる通路のようです。





『何かを生み出す人』は、

さっきまで居た、自分が

沢山の作品を生み出した部屋に

戻りたいと強く望み、

通路が開きました。




そして、さっきまでいた部屋に

戻りました。





しかし、自分の作品はおろか、

絵の具や楽器、パソコン、

何も残っていません。






何故なら、わずか数分の差で

『お金が大好き』な人が

『何かを生み出す人』の

作り上げた作品、

それに使用した物を根こそぎ

『質屋』に持って行ったからです。






『お金が大好きな人』は、

2日間特に何もせずお金をもらったので、

ただただラッキーと言った笑みを浮かべました。






おわり。










注釈


この小説における『お金が大好き』の定義は、法律を無視してまで、或いはグレーな手を使ってまでお金を目的、ゴールにして生きる人の事を言ってます。

ヒントを言えば、最近アクセス不可になった、なんちゃら村ですね。笑