2024年現在、日本の半導体製造業は変革と戦略的方向転換の時期を迎えている。歴史的に半導体産業の支配的なプレーヤーであった日本の地位はグローバルな競争と技術のシフトにより困難な現状に直面している。
1. 戦略的投資と再生への努力
日本の半導体企業は、その能力を活性化させるために多額の投資を行っている。東京エレクトロンやサムコのような大手企業は、競争力を維持するために先端技術や材料に注力している。日本政府も、国内の半導体生産と研究を後押しすることを目的とした政策を通じて、こうした努力を支援している。
2. コラボレーションとアライアンス
日本企業は技術力とグローバル・リーチを強化するため、国際的なパートナーとの協力関係をますます強めている。例えば、ソニーと東芝は、最先端技術を共同開発し、市場でのプレゼンスを拡大するために、世界的な半導体企業と協力している。
3. ニッチ市場への注力
日本の半導体メーカーは、自社の専門知識を活用できるニッチ市場に注力している。車載用エレクトロニクス、産業用センサー、先進メモリ・ソリューションなどの分野への投資が増加している。ルネサスエレクトロニクスのような企業は、こうした高成長分野での地位を強化している。
なお、ニッチ(niche)とは「隙間」を意味する言葉で、とりわけ「大手が狙わないような小規模で見逃されやすい事業領域」を指す意味で用いられることが多い。 「スキマ産業」、「ニッチ産業」、「ニッチな商品」、「ニッチな趣味」といった表現で用いられることも多い。 ニッチの語源は英語の niche である。
4. サプライチェーンの強靭性
日本は、COVID-19 パンデミック時に経験した世界的なサプライチェーンの混乱への対応もあり、半導体サプライチェーンの強靭性強化に取り組んでいる。海外サプライヤーへの依存を減らし、重要な材料と部品を国内で確保する努力がなされている。
5. 研究開発とイノベーション
半導体技術の革新を推進するため、研究開発(R&D)が重視されている。日本企業は競争力を維持するため、新素材、製造プロセス、次世代半導体デバイスの開発に多額の投資を行っている。
6. 政府の支援と政策イニシアティブ
日本政府は半導体の戦略的重要性を認識し、半導体産業を支援する政策を実施してきた。これには、研究開発への資金援助、国内製造への優遇措置、外資誘致への取り組みなどが含まれる。
7. 課題と競争
このような努力にもかかわらず、日本の半導体企業は、特に米国、韓国、台湾などのグローバル企業との大きな競争に直面している。激しい技術競争と価格圧力は継続的な課題である。
日本は投資、協力、戦略的集中を通じて世界の半導体産業で再び影響力を示そうと懸命に努力しているが、継続的な革新と適応を必要とする競争環境に直面している。
半導体製造に携わる代表的な日本企業
日本は半導体産業において大きな存在感を示しており、半導体製造の様々な側面に関わる主要企業がいくつかある。この分野で注目すべき日本企業のいくつかを紹介する。
東京エレクトロン株式会社(TEL)
東京エレクトロン株式会社(とうきょうエレクトロン、英:Tokyo Electron Limited)は、日本の東京都港区赤坂に本社を置く世界最大の半導体製造装置メーカーの一つ。半導体製造装置およびフラットパネルディスプレイ製造装置を開発・製造・販売している。この分野でのシェアは国内首位、世界第3位。国内半導体関連メーカーとして最大の時価総額および営業利益を誇る。
概要
半導体製造装置分野でアメリカのアプライド・マテリアルズ、ラムリサーチ、オランダのASMLと競合する。2022年、ソニーとトヨタなどの大手8社が出資して設立したRapidusや台湾の世界最大半導体メーカーTSMCの熊本工場建設の件でこの会社も再び注目を受けた。元々、海外売上がほとんどであったが、日本が半導体国産化を進めようとしているため、これからは国内への売上が伸びるという展望もある。
半導体製造装置は日本が強みを持っている分野の一つであり、世界様々なところで日本製の機械が使われている。特に、東京エレクトロン(TEL)が開発しているコータ/デベロッパーは全世界で90%(EUV露光用はほぼ100%)のシェアを持っている。このように世界半導体動向にかなり大きな影響を及ぼす会社なので、アメリカのバイデン政権は日本、オランダ、アメリカの半導体同盟の大事さを強調している。オランダのASMLと日本の東京エレクトロンはアメリカのバイデン政権から対中規制に対しての協調を強制されている。
半導体だけではなく、フラットパネルディスプレイ分野でも有名な会社である。次世代OLED量産方式であるInkjet Printing技術を保有している。
EUV露光とは、波長が13.5nmの極端紫外線(Extreme Ultraviolet:EUV)を用いた半導体露光技術のことである。半導体チップは、影絵を投影するのに似た方法で、光(紫外線)を原版(マスク)に当て、そこに描かれた回路パターンをレンズで縮小し、シリコンウェーハ上へ転写することを繰り返して微細な素子や配線を形成している。露光技術の解像度が高まるほど、より微細な回路パターンをウェーハ上に形成できる。露光に用いる光学系装置の仕様と解像度には、レイリーの式と呼ばれる関係があることが知られている。ウェーハに回路パターンを投影するレンズの口径を大きくするか、光源の波長を短くすることで解像度を高めることができるということ。
TELの主な取り扱い製品
・半導体製造装置
・コータ/デベロッパ - 半導体を製造する際に、フォトリソグラフィープロセスにおいて感光剤の塗布と現像を行う装置。
・エッチング装置
プラズマエッチング装置
ガスケミカルエッチング装置
・成膜装置
熱処理成膜装置 - トランジスタの絶縁膜をつくるための製造装置。半導体製造において、トランジスタの性能向上を図るために、短時間で高温での熱処理が必要とされている。
枚葉成膜装置
縦型拡散/LP-CVD/ALD装置
SiCエピタキシャル成膜装置
・洗浄装置 - 半導体製造過程において、チリ、ほこりなどの不純物を洗浄するための装置。
枚葉洗浄装置
オートウェットステーション
バッチスプレー式洗浄装置
極低温エアロゾル枚葉洗浄装置
スクラバー洗浄装置
・テスト装置
ウェーハプローバ
マルチセルテストシステム
ウェーハボンディング/デボンディング装置
ウェーハエッジトリミング装置
・ガスクラスターイオンビーム装置
・フラットパネルディスプレイ製造装置
・FPD エッチング/アッシング装置
(上記は“ウイキペディア”を基に編集した引用部分があります。)
ルネサスエレクトロニクス
ルネサスエレクトロニクス株式会社(英: Renesas Electronics Corporation)は、東京都江東区に本社を置く半導体メーカー。三菱電機および日立製作所から分社化していたルネサス テクノロジと、NECから分社化していたNECエレクトロニクスの経営統合によって、2010年4月に設立された。社名の『Renesas』は、あらゆるシステムに組み込まれることで世の中の先進化を実現していく真の半導体のメーカー(「Renaissance Semiconductor for Advanced Solutions」)を標榜して名付けられた。
概要
ルネサスの主力工場である那珂事業所は中央に四角い棟が、2021年時点でロジック向け日本国内最先端の40nmプロセスを抱えるN3棟が在る。
ルネサスのRXマイコンは身近な家電や産業機器にいくつも搭載されている。
大手グローバル半導体メーカーであり、マイコンはもちろん、アナログ、パワーSoC*など、幅広い製品ラインアップを「ウィニング・コンビネーション」(ソリューション)として提供する。自動車、産業(データセンターなど)、産業機器など、多岐にわたる分野でルネサスの製品は採用されており、生活を支える多くの機器に貢献する。
*SoC [System on Chip、システムオンチップ] 全体システムを一つのチップにまとめる技術集約型の半導体。 様々な機能のデバイスで構成されたシステムを一つのチップとして作る技術である。
"To Make Our Lives Easier"を目的 (Purpose) として、半導体ソリューションを通じて全てのステークホルダーの暮らしを楽 (ラク) に、そして持続可能な社会を実現することを目指す。また、全従業員の行動指針であるRenesas Culture (Transparent、Agile、Global、Innovative、Entrepreneurial) のもと、新たにルネサスグループに加わった企業とともに、グローバルな組織を形成している。
日本、中国、東南アジア、米国に12の自社生産拠点を所有。日本国内には、前工程を担う5工場(那珂、川尻、西条、高崎、甲府)と、後工程を担う3工場(米沢、大分、錦)を抱え、特に那珂工場ではロジック向けとしては国内最先端である40nmプロセスのLSIを製造している。ただし、必要最小限の製造能力のみを維持するファブライトの方針のため、28nmプロセス以降の製品は外部のファウンダリ(主に台湾のTSMC)に生産委託しているほか、自社工場で賄える40nmプロセス以前の製品においても、外部製造の比率を高めている。
2021年における半導体企業売上高ランキングで15位。日本国内では首位の売上である(2022年時点)。車載半導体市場シェアランキングではNXPセミコンダクターズ、インフィニオン・テクノロジーズに次ぐ3位として車載BIG3の一角を占め、特に車載マイコンでは世界シェアの3割を握る1位である。汎用マイコンでもマイクロチップ・テクノロジーとSTマイクロエレクトロニクスに次ぐ世界シェア3位であり、車載と汎用を合わせたマイコンの世界シェアはNXPに次ぐ世界2位(17%)である。
(上記は“ウイキペディア”を基に引用した部分があります。)
なお、ルネサスエレクトロニクスについては、”当ブログ 2024-08-13" を参照して下さい。
ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社(英: Sony Semiconductor Solutions Corporation)は、神奈川県厚木市に本社を置く日本の半導体メーカーである。ソニーグループの半導体部門であるソニーセミコンダクタソリューションズグループの中核企業である。イメージ・センサを中心として、マイクロディスプレイ、各種LSI、半導体レーザーなどを含むデバイスソリューション事業を展開している。2021年現在、CMOSイメージ・センサで世界シェア40%の最大手であり、2019年第3四半期には世界半導体売上高ランキングで日本企業として唯一TOP10に入るなど、日本を代表する半導体メーカーの一つである。
概要
2016年、ソニーの半導体事業を分社化して誕生した。ソニーグループの半導体部門である「ソニーセミコンダクタソリューションズグループ」として、製品の開発から生産、販売まで全てをグループ内で行う垂直統合型デバイスメーカー(IDM)である。本社機能および研究開発と商品企画・設計を担うソニーセミコンダクタソリューションズとプロセス開発・生産を担うソニーセミコンダクタマニュファクチャリングを中核としている。ソニーセミコンダクタソリューションズは商品設計を担うソニーLSIデザインを2022年に吸収合併した。国外拠点として、距離画像センサー(ToF)を開発するベルギーのSony Depthsensing Solutions(旧・SoftKinetic)、LTE通信モデムチップを開発するイスラエルのSony Semiconductor Israel(旧・Altair Semiconductor)、クラウドコンピューティング向けソフトウェアの開発を行うスペインのミドクラ、イベント駆動型センサーの開発を行うスイスのSony Advanced Visual Sensing AG、などの子会社を持つ。
2020年現在、スマホ向けCMOSイメージセンサを主力としている。半導体部門は2010年頃まではソニーグループの中でもお荷物部門であったが、2010年頃からはスマホブームに乗ってスマホ向けCMOSセンサーの需要が急拡大し、ソニーセミコンの業績も急拡大。2019年第3四半期には世界半導体売上高ランキングで9位にランクイン(日本企業唯一のTOP10入り)するという快挙を成し遂げるなど[2]、2020年現在ではソニーグループの中でも稼ぎ頭の一つとなっている。2020年現在、日本の半導体売上ランキングでは半導体記憶メモリ(NANDフラッシュ)を主力とするキオクシア(旧東芝メモリ)に次いで2位、世界では16位である。
2017年度にはソニーグループ全体の投資額の70%を超える2400億円の投資をイメージセンサ事業に対して行うなど[3]、巨額の投資によって生産量と世界シェアを拡大し続け、2020年現在ではCMOSイメージセンサの世界シェアが4割に達し、特に稼ぎ頭であるスマホ向けCMOSイメージセンサの世界シェアは5割を超える。デジカメ向けCMOSイメージセンサに至っては世界シェアが9割を超え、ほぼ独占している。
ロジックICやアナログICも製造しているが、売上としてはCMOSセンサーが圧倒的である。2020年現在、CMOSセンサーの売上高の8割がスマホ向けだが、車載やインダストリアル領域(ファクトリー・オートメーションや監視カメラなど)にも参入している。
歴史
ソニーの半導体事業は、1954年に日本で初めてトランジスタを商用化したことから始まる。それ以来、ソニーの独創的な製品や市場の創出に貢献し続けていたが、次第にお荷物事業となり、2005年にソニーが赤字に転落した際には半導体部門が売却候補に挙げられるなど、苦境が続いていた。
2003年より長崎県諫早市の生産ライン(現・ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング株式会社 長崎テクノロジーセンター、通称・長崎TEC)に約1300億円を投じ、高性能プロセッサ「Cell Broadband Engine(Cell B.E.)」の量産が2006年より開始されたが、「Cell B.E.」をPS3以外にも多方面に展開するという「Cell構想」は頓挫し、Cell B.E.への投資が回収できず、ソニーの半導体事業は2000年代後半にソニーグループに巨額の赤字を与える結果となった。2007年には「Cell B.E.」や画像処理LSI「RSX」を製造していた長崎工場を東芝に約1000億円で売却し、生産部門の売却が完了したが、ソニーの半導体部門自体は買い手が見つからなかったため、仕方なくソニーグループ内に抱えたままになっていた。
イメージセンサーの分野では、1980年に世界初のCCDカラーカメラを商品化し、さまざまなヒット商品を生み出した。しかし2004年以降、半導体部門の復興のため、CCDに代わって低消費電力で高速読み出しを実現したCMOSイメージセンサーへ注力する、つまり自社の主力製品であるCCDをCMOSで置き換える、という決断を行う。その結果、2009年には裏面照射型CMOSイメージセンサー「Exmor」を、2012年には積層型CMOSイメージセンサー「Exmor R」を世界で初めて商品化。
2010年当時のソニーのイメージセンシング事業はデジカメ向けCCDイメージセンサが主力であり、2010年時点ではデジカメ向けのCCDイメージセンサのシェアで5割を超える最大手だったが、CMOSイメージセンサのシェアはまだ10%だった。しかし2011年以降にはスマートフォン市場の拡大を背景に、スマートフォン向けのCMOSセンサ市場が急拡大し、ソニーセミコンの業績も急拡大。「スマートフォンの市場急拡大・HD動画のニーズ」という「イメージセンサーに対するニーズの変化」によってソニーの裏面照射型CMOSイメージセンサが売れる、という2011年当時のソニーの読みは当たった。2011年にはCMOSイメージセンサー市場でも、先行していたサムスン電子を上回って世界シェアトップとなり、以来イメージセンサ分野において業界トップを維持している。2010年には長崎工場を買い戻してCMOSセンサーの製造を行うなど、2010年代以降には巨額の投資による生産拡大を継続しており、2020年時点ではCMOSセンサの世界シェアが5割を超えるダントツ1位となっている。
ローム・セミコンダクター
ローム株式会社(英: ROHM Co., Ltd.)は、京都府京都市右京区に本社を置く電子部品メーカーである。おもな製品はLSI、トランジスタ、ダイオード、LED、抵抗器、ディスクリート部品、アナログIC、パワーマネジメントデバイスなど幅広い半導体製品を提供している。ロームは、半導体・電子部品メーカーとして、創業以来60年以上にわたり、設計技術や製造技術、品質保証技術、ソリューション提案能力を積み上げ、事業領域を拡大してきた。
会社概要
創業者である佐藤研一郎が立命館大学在学時に考案した炭素皮膜抵抗の特許を元に創業した。社名のROHM(R:抵抗 Ohm:抵抗を示す単位)はそこに由来する。その後、大規模集積回路の製造を手がけ始め、現在は様々な機能を顧客の要望に応じてLSI上に集積するカスタムLSIが主力となっている。
取引きの主体である大証では一定の出来高を維持しており、技術者よりも投資家の間で有名なメーカーである。日本のカスタムLSI市場を席巻するほどの企業であり、日本の集積回路のトップシェアを誇っているが、ロゴなどは製品上に表示しておらず、一般向けのアピール(広告など)をほとんど行っていないため、地元の京都を除くと比較的知名度は低い。最近はバイオ関連にも進出を計っている。
最近はびわ湖毎日マラソンやひろしま男子駅伝のゼッケンスポンサーを務めるようになり、社名の認知度上昇に大きく貢献した。びわ湖毎日マラソンにおいてロームは大会事業費のおよそ半分を担うほどであったが、いずれも2009年の大会を最後に撤退した。
営業を除く京都本社社員はマスタードカラーまたは薄黄色の制服を着用、その他の開発拠点は私服である。
2008年5月8日に、FeRAMの技術を応用してLSI内部のデータ記憶領域に不揮発性のロジック回路を組み込んだLSIの開発に成功したことを発表した。この技術を応用することで、待機電力をゼロにしたカスタムLSIを開発することが可能になるとしている。
株式会社村田製作所
株式会社村田製作所(むらたせいさくしょ、英: Murata Manufacturing Co., Ltd.)は、京都府長岡京市に本社を置く電子部品メーカーである。電子部品を主力とする企業では世界トップクラスに位置している。半導体デバイスに欠かせないセラミックコンデンサやインダクタなどの受動電子部品で知られる。
概要
村田昭により、1944年10月に京都市中京区四条大宮北(四坊大宮町)で、元染物工場を借りて工場として創業された。元々はがいしなどの陶器製品を製造する町工場であった。主力商品はセラミックコンデンサで、世界随一のシェアを占める。その他、セラミックフィルタ、高周波部品、センサー部品も強い。いずれも世界的に圧倒的なシェアを持つ。原材料からの一貫生産に特徴がある。
村田製作所は積層セラミックコンデンサーでトップの地位を走るが、「にじみ出し戦略」と呼ぶ周辺分野の企業とのアライアンス、M&Aを進めており、ここ数年は周辺の部品に領域を拡大している。2017年、M&Aでソニーから電池事業を買収した。さらに自動車、エネルギー(電池事業)、ヘルスケアなどの注力市場やIoTなどの新規市場に対して研究開発(R&D)を促進して事業拡大を図るため、2020年12月には横浜市西区みなとみらいに新たな研究開発拠点となる「みなとみらいイノベーションセンター」を開設した。同拠点には「エンジニアの卵が生まれるきっかけの場」をコンセプトとした、子供たちが科学を楽しく学べる体験施設「Mulabo!(ムラーボ!)」も併設されている。
特徴
高い海外売上比率; 海外売上比率は91.6%である(2021年3月)。売上高1兆円以上の企業でトップの海外売上高比率である。
高い営業利益率; 2020年度の売上高の数字で営業利益率は19.2%である。工場を多く所有する製造業としては非常に高い数字(製造業の平均は約5%)である。
高シェア製品; 多くの高シェア製品を有する。
積層セラミックコンデンサ 世界シェア35% 世界一位
SAWフィルタ 世界シェア45% 世界一位
Wi-Fiモジュール 世界シェア60% 世界一位
EMIフィルタ 世界シェア35% 世界一位
ショックセンサ 世界シェア95% 世界一位
高い新製品率; 売上高における新製品の割合が40%である。
会社としては1950年12月23日の設立だが、村田昭は生産を始める前に、火を使う仕事なので(火の神様である)愛宕神社へお参りした。これを記念として後に村田製作所の創業記念日は10月15日と決められている。
2000年代以降は新聞・テレビ広告にも力を入れ、「村田製作所は何をセイサクしているんだろう」という出だしで始まるテレビコマーシャルや、村田“科学少年少女”製作所といったテーマで展開される新聞広告など、企業イメージ向上に努めている。特に当社の技術を集めたムラタセイサク君というロボットが注目を集めている。
主な製品
コンポーネント
コンデンサ;スマートフォンやカーエレクトロニクスなどに使用されるチップ積層セラミックコンデンサなど。
圧電製品 ; 携帯電話向け表面波フィルタやコンピュータ向けセラミック発振子など。
その他のコンポーネント; EMI除去フィルタ、コイル、サーミスタ、コネクタ、センサなど。
モジュール
通信モジュール; 近距離無線通信モジュール、多層デバイスなど
電源モジュール
ロボット製作
自社の技術や製品を生かしたロボット製作も進めている。ムラタセイサク君とは、自転車に乗ったロボットで、倒れることもなく前にも後ろにも自力で進め止まれる機能を持つ。1990年に開発された自立走行ロボットを元に、ジャイロセンサなどムラタの技術を集めて2005年に発表された。
ショックセンサー:段差や振動の検知, 超音波センサー:障害物検知
パワーライン用部品としてコンデンサーとインダクター
アンテナ:PCや携帯と通信して遠隔操作や画像の撮影と送信
Bluetoothモジュール
Wi-Fiモジュール
無線通信モジュール(省電力版Bluetooth)
フィルタ
フェライトビーズ
水晶振動子
マジックストラップ(RFIDタグの商品名)
研究拠点
みなとみらいイノベーションセンター(2020年12月開業)
日本国内に5つの研究開発拠点を設けている。
野洲事業所(滋賀県野洲市、当社最大の研究開発拠点)
長岡事業所(京都府長岡京市、本社近くに立地)
八日市事業所(滋賀県東近江市)
横浜事業所(神奈川県横浜市緑区)
みなとみらいイノベーションセンター(神奈川県横浜市西区)
低層部に科学体験施設「Mulabo!(ムラーボ!)」を併設。
キオクシア株式会社
キオクシア株式会社(KIOXIA Corporation)は、日本の東京都港区芝浦に本社を置き、主にNAND型フラッシュメモリを製造する半導体メーカーである。純粋持株会社キオクシアホールディングス株式会社(KIOXIA Holdings Corporation、旧・東芝メモリホールディングス株式会社)の完全子会社である。
2017年に東芝の半導体メモリ事業を分社化して設立され、2018年にグループから離脱して持分法適用会社となった。2019年(令和元年)10月1日付で、東芝メモリ株式会社(とうしばメモリ、Toshiba Memory Corporation)より商号変更した。社名の「キオクシア」は、日本語の「記憶」(Kioku)と、ギリシャ語で「価値」を意味する「axia(アクシア)」を組み合わせたもので、社内公募で選ばれた。
NAND型フラッシュメモリは、工学博士である舛岡富士雄が東芝に勤務していた1980年代に発明したものである。東芝の半導体メモリ事業の主力製品は、このNAND型フラッシュメモリとその応用製品(ソリッドステートドライブなど)であった。半導体メモリ事業は直近の2015年(平成27年)度に、8,456億円の売上で1,100億円の営業利益を稼ぎ出し、東芝の主力事業のひとつとなっていた。また、スマートフォンの大容量化、データセンターにおけるSSDの普及などを背景に、将来性も申し分ない事業であったため、東芝は2016年(平成28年)3月の段階で、半導体メモリ事業を原子力事業と並ぶ「経営の柱」に位置付けていた。
ところが同年12月、東芝グループの原子力企業ウェスティングハウス・エレクトリック・カンパニーが買収した原子力サービス会社CB&I(ストーン&ウェブスター)の資産価値が想定を大きく下回ったため、親会社の東芝は、巨額の損失額を会計計上せざるを得ない状況となった。その結果、何の資本対策もとらない場合、東芝は2016年度期末決算で大幅な債務超過に陥り、東京証券取引所第二部に降格する見通しまで示された。
優良子会社東芝メディカルシステムズを2016年にキヤノンに売却したばかりの東芝には、債務超過の解消に必要な数千億円から数兆円規模の売却益が期待できる事業は、1年前に「経営の柱」と位置付けたはずの半導体メモリ事業しか残されていなかったのである。東芝メモリは、東芝の債務超過を解消するために、2017年(平成29年)2月10日に設立した会社である。2019年(平成31年)3月1日、単独株式移転により東芝メモリホールディングス(現・キオクシアホールディングス)を設立、その傘下に異動した。
2024年6月17日、2100億円の追加融資枠を設けることにメガバンク3行などの銀行団と合意したと発表した。2019年に融資を受けた約9千億円のうち、この日が返済期限の約5400億円についても、借り換えによって期限延長した。
2024年8月23日、東京証券取引所に上場の申請を行ったことが複数のメディアから報じられた。早くて同年10月頃の上場を目指しており、上場時の時価総額は1兆5000億円規模になるとしている。
主要製品
フラッシュメモリ
東芝は、舛岡富士雄を中心にフラッシュメモリの開発を進め、1980年にNOR型フラッシュメモリを、1986年にNAND型フラッシュメモリを発明した。
DRAMでのサムスン電子を始めとする、外国企業への技術流出の反省から、NAND型フラッシュメモリ開発では、サンディスクと共同で三重県の四日市市の四日市工場で生産し、日本での製造を徹底して、秘密主義と集中投資の方針を貫き、2006年から2008年までの2年間、世界シェア2位を確保していた。iPod nanoなど、フラッシュメモリ型オーディオプレーヤーやSDメモリーカードなどにフラッシュメモリを提供していた。他社へのフラッシュメモリ供給に限らず、自社ブランドのUSBフラッシュメモリ「TransMemory」シリーズやSDメモリーカード「EXCERIA」シリーズ、SSD「EXCERIA」シリーズも展開している。
最近の業績
2025年3月期連結決算の売上高を過去最高となる1兆6千億円台と見込んでいることが8月31日分かった。半導体市況の急速な回復が追い風だ。今月23日に東京証券取引所に上場申請し、早ければ10月中の上場を目指しており、好業績は弾みとなる。
本業のもうけを示す営業利益も3千億円程度を予想。24年3月期に記録した過去最大の赤字2527億円からのV字回復を目指す。好業績は売り出し価格や上場後の時価総額を押し上げ、十分な設備投資や開発資金の確保につながるとみられる。
時価総額は1兆5千億円を超え、今年最大の新規株式公開になる可能性がある。
現時点で、26年3月期も同程度の業績を見込んでいる。これまでの売上高の最高は22年3月期の1兆5265億円だった。営業利益は東芝メモリ時代の18年3月期の4568億円が最高で、25年3月期はこれに次ぐ高水準と予想している。
キオクシアは三重県四日市市と岩手県北上市の工場を米ウエスタン・デジタルと共同運営している。
サムコ株式会社(英: SAMCO Inc.)
本社を京都市に置く、半導体等の電子部品製造装置のメーカーであり、CVD装置、ドライエッチング装置、ドライ洗浄装置等を製造・販売している。2001年5月30日にJASDAQ上場。2014年1月9日に東証1部上場。東京証券取引所の市場区分の見直しにより、2022年4月より東証1部からプライム市場に移行。
会社概要
1979年(昭和54年)、代表取締役会長の辻理が京都市伏見区の雑居ビル1階のガレージで株式会社サムコインターナショナル研究所として設立。社員2名で太陽光電池用のアモルファスシリコン薄膜形成用プラズマCVD装置を製作していた。社名のSAMCOの由来は、Semiconductor And Materials Company-半導体と材料開発の分野で躍進していくことから名付けられている。2021年1月に装置販売累計4,000台を発表している。高輝度LED用途や各種レーザー用途のオプトエレクトロニクス分野とパワーデバイスやSAWフィルター用途の電子部品分野の売上が70%を占める。MEMS用途や窒化ガリウム(GaN)や炭化ケイ素(SiC)を加工材料とするパワーデバイス用途の製品の販売に注力している。
製品
プラズマCVD装置
LS-CVD装置
ALD装置
RIE装置
ICPエッチング装置
高速Siディープエッチング装置
XeF2ドライエッチング装置
Aqua Plazmaクリーナー
プラズマクリーナー
UVオゾンクリーナー
サムコの技術
LS-CVD(Liquid Source Chemical Vapor Deposition:液体ソースCVD) - カソードカップリング方式のプラズマCVD装置。SiH4に比べて安全な液体原料TEOSを気化させ、プラズマ中のイオンを利用できる。そして、カソード側のシース電界で得られるイオンエネルギーを制御することで、応力、膜密度などを制御し、カバレージ性が得られる。カソード方式では、自己バイアスによるイオンアシストで成膜するため、アノード方式に比べ、低温下での成膜が可能。
トルネードICP - ICPエッチング装置の中核となるコイル部分を3次元構造にしたICPコイル。コイル配置に自由度を持たせることで、高均一なプラズマを生成することができる。GaN、GaAs、InPなどの化合物半導体の加工から、Siや各種金属薄膜の加工が可能。
ボッシュプロセス - 等方性エッチングと保護膜の堆積の二つのステップを交互に繰り返すことで、シリコンの深掘りを高速かつ高アスペクト比で実現したエッチング技術。エッチングにはSF6、保護膜にはC4F8が主に使用され、高い選択比を保持し、高異方性エッチングを可能にする。サムコはドイツのロバート・ボッシュ社によって1992年に開発されたボッシュプロセスのライセンスを、2003年にサムコは日本の半導体製造装置メーカーで初めて取得した。ボッシュプロセスは、加速度センサー、ジャイロセンサー等の自動車部品分野、μTAS等の医療機器分野、3次元デバイス等のMEMS市場で幅広く使用されている。
上記の他に
株式会社アドバンテスト: 半導体試験装置の開発・製造のリーディングカンパニー。
日本電波工業(株):日本電波工業(株)の子会社。(NDK): 半導体のタイミング制御や周波数制御に使われる水晶デバイスの専門メーカー。
半導体洗浄装置メーカーとして
・HUGパワー株式会社(19.3%)
・ダイキンファインテック株式会社(18.4%)
・芝浦メカトロニクス株式会社 (10.4%)
・株式会社SCREENホールディングス(10.1%)
などがあります。
*(%)はクリックシェア率です。
これらの企業は、製造装置から部品、テストソリューションに至るまで、半導体産業を幅広く代表する企業である。
(上記の多くは”ウイキペディア”から引用してまとめています。)