天が二物を与える寺院・文武廟 | Howdy from China !!

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香港からわずか1時間弱の都市・深センで発見&体験したヒト・モノ・コトをレポートします :-)
☆香港情報もありますよ☆

受験シーズンですね。

私の受験の時は、学校の先生から「毎年2月の18日前後は必ず雨か雪が降るから気をつけるように(滑らないように)」との予言じみた助言があり、確かにその日雨が降ったので(関東地方限定でしょうけど)、それ以降毎年2月になるとこの日の天候に注目してしまいます。

さて、香港には文武廟(広東語: ManMouMiu)という、日本の北野天満宮や太宰府天満宮のように、受験生の拠り所となる寺院があります。

香港では150年以上の歴史がある最古の道教寺院であり、学問の神様(文神: 文昌帝君)と武道の神様(武神: 関聖帝君•••三国志で有名な関羽を神格化したもので、商売の神様・財神としても有名)を祀っている寺院です。

文武両道を目指して頑張っている方にもオススメの寺院ですね。
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廟内は円錐状にグルグルと巻かれたお線香が天井からたくさん吊り下げられている独特な空間。

火傷をすることはないですが、灰や煙にまみれるので、オシャレ着で行かない方が良いかと思います。。
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お線香から下がっている赤い短冊には願い事が書いてあり、2週間とも1ヶ月近くとも言われる燃焼期間を経て、燃え尽きた時に祈願が成就するそうですょ。

なんだか、ジワジワと燃える線香から煙が出ている数週間、願い事を叶えるべき人物か否か、神様からじっくり審判されているみたいで緊張しますね。
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合格祈願でなくともお願い事のある方は、廟内右手にある受付でペンを借りてこの短冊に願い事をしたため、お線香代(120HK$)を払えば、程なく天井から吊り下げてもらえます。

さて時期的にも注目の文神についてですが、張亞子(Zhang YaZi)という実在の人物が神として祀られています。

張亞子は教師であり、また政府の官吏として学生の試験を担当していたこともあることから、学問の神様として崇められたと言われていて、その才能に嫉妬した者による策略で、最後は戦場で非業の死を遂げた人物だそうです。
(☞ http://en.wikipedia.org/wiki/Wenchang_Wang)

学者出身の政治家だった、日本の菅原道真と相通ずる何かを感じるのは私だけでしょうか。

文神は武神と共に廟内の一番奥にいらっしゃり、向かって右側に筆が飾ってある方が文昌帝君です。

"二物"欲しい方は、この筆だけでなく隣の刀(武神の象徴)も撫でると良いそうですょ。

廟内の図↓
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因みに、左奥にいらっしゃる包公(Bao Gong)という方は、中国人にとって非常に有名な偉人なのだそうです。

なんでも、親孝行者であり勉学にも励み、官僚の試験である科挙に合格して出世した人物で、清廉潔白かつ厳正で公平無私な仕事ぶりは、後にアノ大岡越前のエピソードにも反映されているとか。
(☞ http://ja.wikipedia.org/wiki/包拯)

文武廟には学問の神様がもうお一人いらっしゃるようです。
包公はとりわけ法曹界や政界の神様とも言えそう。

そして文武廟の隣には列聖宮(広東語: LitSingGung)というお堂があります。
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こちらには堂内を囲むように数多くの仏様がいらっしゃいます。
道教寺院ですが、
黄大仙同様、三教同源の精神ですね。

購入したお線香をまんべんなく供えていく傍から、管理人らしき方が短くなったお線香を片っ端から処分していくので、なかなか余韻に浸れません(笑)
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お線香に対する考え方が日本人と違うようです。

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堂内左手の壁には引き出し?のようなものが…これは何だろう?

文武廟はかつて香港住民の紛争や問題を解決するための集会所、時には医療・福祉の場として、宗教だけでなく地域の重要な役割を担っていたそうです。
現在は香港最大のNPO組織と言われる東華三院グループが文武廟を運営されています。


【文武廟】
アドレス: 香港上環荷里活道128(128 Hollywood Road, Shueng Wan, Hong Kong)
アクセス: 上環駅から徒歩約15分
営業時間: 8:00-18:00(毎月1・15日のみ7:00より開門)
定休日: 無休
入場料: 無料
TEL: 2540-0350
http://www.tungwah.org.hk/?content=1333



二兎、追ってみる?
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