酔心さんの青ニ柳刃購入しました。包丁の素材と包丁の出来上がりが相対的独立であるということ痛感しました。

思う所があって酔心さんに特注で青ニの柳刃の製作依頼しました。酔心さんの製品の質の高さはいつもながらなのですが、それ以上に、切れ味の鋭さと研ぎやすさが両立していることに驚かされました。

青ニの柳刃、所有するものを含めて何本か使った事があるのですが、青二鋼自体が柳刃向きの優れた素材であるということとは相対的独立に、包丁にする工程(鍛冶、刃付け等)の違いが包丁の出来上がり(切れ味、研ぎやすさ等)の差を生んでいるという事痛感します。、、、酔心さんの「酔心 疾風」いちおしです。少し高いですが(^^;
近頃、食材と食材の扱い(=料理)は相対的独立であるということ痛感します。

例えば、同じ魚を切れる包丁と切れない包丁で切った時の味の違い。同じネタを冷えたシャリと人肌くらいのシャリと合わせた時の味の違い等々。

要するに、劣った食材であっても料理の仕方では美味しく食べられる。良い食材も料理の仕方によっては台無しになるという当たり前の事でしか無いのですが(^^;
包丁を選ぶ場合に、素材、形状とともに「長さ」は迷う所です。これも絶対的なものは無く条件次第です。

大雑把な言い方をすれば、同じ素材、形状であれば長い方が切れます。デメリットとしては、調理場にある程度の広さが必要とされる事と作業の効率が落ちるということがあります。

より具体的にいえば、30cm前後以上の包丁はそれなりのスペースを必要とするので狭い台所では扱い辛く、通常の家庭ならば20cm前後以下の短かめが扱い易いと思います。

また、効率の面でいえば、単純計算ですが30cmの包丁は20cmの包丁の1.5倍切る時間が必要ということになります。、、、これは刃長全部を使って切った場合ですが、そもそも刃長全部を使うので無ければ長い必要など無いのですから(^^;

以上を要するに、一般的には狭いスペースや効率良く切りたい場合は、短かめの包丁を。広いスペースがあって、切り口の美しさにこだわるのなら長めの包丁をという事になります。
焼きの入り過ぎた包丁を研ぎました。包丁に必要なのは単なる硬さではなく「包丁としての硬さ」なのだということ痛感しました。

昨日、焼きの入り過ぎた包丁(もしかしたら焼き戻しの工程を抜いているのかも知れません。)を研ぐ機会がありました。蛤刃に仕立てようとしたのですが、中砥では歯が立たず、荒砥を使って見たのですが、それでもダメでした。仕方ないので刃先だけでも切れる形にと思ったのですが、硬いばかりで粘りが無いようで、刃が上手く付きませんでした。

一般的に包丁の素材は硬度の高い方が鋭い切れ味が出ると思っていたのですが、単に硬ければ良いのではなく、粘り等その他の要素も含めての「包丁としての硬さ」が必要なのであり、研げて、刃が付いてこその硬さであるということ痛感しました。

補記:包丁の鍛造の工程を少しでも知っている方ならば、だからこその焼き戻しの工程なのだと納得されると思います。
切れる事にこだわると今のところ避けて通れないのが砥石・研ぎの問題です。

通常は中砥石(#1000程度)と素材に合わせた仕上げ砥石(#3000~#8000程度)があれば十分です。、、、研ぎについては他でも繰り返し解説していますので参照してください。

通常の包丁は、キチンと研いでやれば程度の差こそあれ、切れるようになります。中には例外もありますが(^^;
五本目は柳刃です。切れ味という面からも、研ぎの奥深さが学べるという面からも是非、使ってみて欲しい一本です。

私の場合、柳刃は仕事で主に使う包丁という事もあって、一つの食材を切るのに様々な長さ、素材の柳刃を使って、様々な砥石で様々な研ぎを試してみました。

結果、切れるという事が最初に、いわばアプリオリに思っていたのと違って、絶対的なものではなくて相対的なもので、切る食材・切り方によって最適な砥石・研ぎがあるということが次第次第に分かって来ました。そういう意味で研ぎの奥深さを感じさせてくれる包丁です。おすすめです。

補記:近頃はステンレス系でも切れる包丁が出ています。ですが、切れる事の味の部分を加味して総合的に考えると鋼がわずかに勝るように思えます。
四本目は薄刃です。一般的な包丁の揃え方では、無くても済むという紹介の仕方しましたが、切れる事にこだわるのなら是非とも欲しい一本です。「切れるって気持ちいい~~~!!」っていうこと実感させてくれる包丁です。

薄刃で切った野菜の切り口は、いつも紹介しているようにピカピカと輝いて美しいです。これは洋包丁ではなかなかに難しい事です。理由は、薄刃の切れ味の秘密が和包丁独特の片刃という造りにあるからです。

一般的に包丁は刃厚が薄い程に鋭い切れ味が出ますが、逆に刃が弱くもなります。切る食材にあわせての切れ味と丈夫さの妥協点みつけることがある意味、研ぎの醍醐味かも知れません。

昨日は極限の切れ味ということで、薄刃を非常に薄く研いでみました。なんとも言えない気持ちいい切れ味でした(^^;

具体的には、切刃の刃先から三分の一くらいから蛤刃に仕立てました。、、、私の場合、通常は四分の一から五分の一くらいです。(蛤刃の詳細は、酔心さんのHPをごらんください。)

使ってみると、食材に「スルッ!」と入って行く薄刃独特の切れ味が極まった感じで、ほとんど手応えが無い中に薄刃独特の感触がありました。これは気持ちいいです(^^;、、、ただ、レモンを切ると種で刃先が微妙に刃こぼれしてました。

あくまで趣味的な研ぎで、現実的では無いのかも知れません。切る対象に合わせた研ぎが必要という事になるのですが、、、遊び心ですから(^^;
三本目は硬いものを切るための出刃・洋出刃です。この包丁に鋭い切れ味を求めると言う事は、ある意味大変な事です。

というのは、出刃・洋出刃はその目的からまず何よりも丈夫さが要求される包丁なのですが、鋭い切れ味と刃の丈夫さという両者は、素材、形状、研ぎ等、あらゆる面から矛盾する存在だからです。

この矛盾の解決の方法は二つあります。一つは高硬度と高靭性の両方を兼ね備えた素材を使う。もう一つは研ぎに一工夫するという方法です。

具体的には、前者はZDP189に代表される新素材の包丁です。楽天には扱いありませんが、お気に入りにいれているZDPキッチンで扱いがあります。ただ、価格が小出刃で四万円弱とかなり高価なものになります。

後者の方法は、以前にも紹介しましたが、片刃の出刃の刃元の三分の一から半分くらいを両刃に仕立てるという方法です。価格的な事と研ぎの容易さを考えると鋼の出刃を刃元半分くらいを両刃に仕立てるのがわたしのおすすめです。

一般家庭の調理を考えると、牛刀・三徳の次に欲しいのは、やはりペティナイフです。飾り切りとかには欠かせません(^^

研ぎの容易さという面からおすすめは鋼なのですが、ペティナイフばかりはステンレスをおすすめします。理由はレモン等の酸のある果物類を切ると言う事に尽きます。やってみれば分かる事ですが、鋼の包丁でレモンを切るとみるみる錆びます。そういう事情で、わたしのおすすめはグレステンに代表される切れるステンレスです。

酸のあるものは切らない、錆びても気にならないという方は、鋼という選択肢も。実際、ステンレスが登場して来た当時、果物を切った後は包丁を洗って拭くのが当たり前だから錆びない事にたいした意味が無いと考える人が多くいたそうです(^^;

切れる事にこだわった包丁で、基本的な包丁の揃え方やります。鋭く切れる包丁を使うと「切れるって、気持ち良い~!!!」っていうのを感じます。

家庭での料理に関して十分な時間を取れるならば、切れる事にこだわった包丁を揃える事をおすすめします。包丁を研ぐ作業も必須の作業になって来ますが、いろいろ抜け道もありますので、、、気持ち一つだと思います。

切れる事にこだわっても最初の一本は、やはり万能包丁がおすすめです。理由は現代の家庭料理は、いろんな料理が混在しているのが通常だからです。、、、ベジタリアンなので野菜しか食べない、肉は食べないで魚ばかり等々、特殊な場合は、またの機会に(^^;

万能包丁と考えると、やはり牛刀・三徳がおすすめです。素材は、今回のテーマならば白鋼か青鋼がおすすめです。錆がどうしてもダメという場合はグレステン、銀三等の切れるステンレスという選択もあります。洋包丁、和包丁はお好みで。