81キロ級と63キロ級が行われ、永瀬選手が銅メダル、田代選手は5位という結果でした。
永瀬選手は、初戦を有効勝ち、3回戦を合技で勝ち、準々決勝に進出。
UAEのトマ選手と対戦、やや攻めあぐねている印象がありましたがいつか捉えるだろうという展開。トマ選手の片手から袖釣込腰に反対側から落ちるて有効を奪われてしまいました。
それでも逆転できるという感じでしたが、トマ選手は指導とられても逃げ切るという露骨な柔道。
結果、捉えきれずに準々決勝敗退。
敗者復活戦ではカナダのヴァロアフォルティエ選手に一本勝ちして、3位決定戦では元世界チャンピオン ジョージアのチリキシビリ選手に有効勝ちして、銅メダルを死守しました。
世界チャンピオンの永瀬選手にとって銅メダルが目標でない事は明白で、やはり悔しい銅メダルとなりました。
63キロ級の田代選手も2回戦、準々決勝と勝ちあがり、準決勝で過去一度も勝った事がないフランスのアグベニュー選手と対戦、アグベニュー選手の強烈な技は完封したものの、不用意な場外指導の反則で惜敗しました。
3位決定戦も元世界チャンピオンのゲルビ選手(イスラエル)に技有負け。残念ながらメダルに届きませんでした。
試合後、「たくさんの方々が支えてくれて、背中を押してくれたにも関わらず、こういう結果になってしまって申し訳なく思っています。」
というコメントに、悔しさと日本代表としての責任感を感じました。
テレビなどマスコミで
柔道選手が銅メダルで謝ることは、他競技の銅メダルを獲得した選手に失礼だ。
という意見が出てるようですが、アスリートは自分の目標としてやってきたところに到達できなかった時に悔しさを感じるものです。
もちろんそれでも充実感を感じることもあるでしょう。
柔道をはじめとする格闘技などの競技は、負けたらとても悔しいものなのです。
負けた経験ばかりの私ですら、負けたらとても悔しいのです。
それが多くの方々の期待を背負い、注目度も高いオリンピックとなれば、その重圧や責任感など我々の知るところではありません。
当然ながら他の競技の選手の銅メダルを卑下する気持ちなど微塵もないと思います。
そんなところで上げ足をとるような意見が出る事自体がとても残念な話しだなと個人的には感じています。
今日は、
90キロ級 ベイカー茉秋選手
70キロ級 田知本遥選手
が登場します。
90キロ級ベイカー茉秋選手
東京都出身
春日柔道クラブー文京第一中学ー東海大浦安ー東海大
小、中学生時代は軽量級だったベイカー選手。
小学生時代に鳳雛塾の選手とも対戦がありよく記憶しています。
高校入学後にトレーニングしまくり、
食べまくり増量して、ものすごい身体になりました。
ベイカー選手の努力の賜物だと思います。
このものすごい身体はバランスが良く。
相手の足技を透かしたりする器用さもあります。
注目してほしいところは、大内刈、小外刈などの足技ですが、それらの技は相手がこらえたところから投げきるところまで追い続けるところです。
投げれないだろうと思われるところから、投げきってしまう技や勝利に対しての貪欲さは大変勉強になります。
昨年の世界選手権では銅メダルでしたが、現在世界ランキング1位。
勝利への貪欲なまでの執念で、絶対に金メダルを掴みとって欲しいです!
トーナメントは…
ランキング1位のベイカー選手は第1シード。同じ山にフランスのイディア選手がいるが好調ベイカーは手堅く勝ち上がると見る。
準決勝は、ギリシャの英雄イリアディス選手が存在感を出すが、肉体的な衰えは否めない。
五輪1発勝負に賭けるほどの地力も残っていないと見る。
反対側は韓国のガァク選手、ロシアのデニソフ選手、ジョージアのリパルテリアニ選手と有力選手がひしめくため誰が勝ち上がるか全く予想できない。
地元ブラジルのカミロ選手の名前が見える。
2007 81キロ級で世界チャンピオンになったカミロ選手ももう34歳。
あのキレキレの背負投は健在なのだろうか?
超級のタングリエフ同様に、超ベテラン選手の頑張りにも注目したい。
70キロ級
富山県出身
小杉少年柔道クラブー小杉中学ー小杉高校ー東海大学ーALSOK
ロンドン五輪に次ぐ二回目のオリンピック出場。
ロンドン五輪では試合中に肘を負傷して
思うように組めず、力を出し切れることなく終わってしまった。2013以降世界の舞台から遠のいていたが、最後の最後にリオ五輪代表を決めた。
田知本選手の柔道は、姿勢が良くカッコいい。
姿勢良く自分の組手になったところから繰り出す大内刈、大外刈のキレに注目してほしい。
また寝技も上手い。
トーナメントから
ワールドランキング12位の田知本選手はノーシードだが、ワールドランキング1位のポリング選手と2回戦で対戦する組み合わせとなった。
初戦で対戦する中国の選手も不気味だ。
田知本選手が初戦を突破すれば、2回戦がプレッシャーのかかる初戦となるポリング選手としてはいきなり田知本選手との対戦は非常に嫌な組み合わせとも言え、さらに過去の対戦成績では田知本選手が上回っていることを考えると田知本選手が勝つ可能性が高いと思われる。
しかしポリング選手に勝っても、
準々決勝でカナダのズパンシック選手、準決勝でオーストラリアのグラフ選手かドイツのファルカスコッホ選手らシード選手との対戦が待ち受ける可能性が高いが、田知本選手の本来の力が出せればポリング選手を越えれば決勝進出の可能性が高いと思われる。
反対側の山には、2009.2013.2014の世界チャンピオンであるコロンビアのユリ アルベール選手、2007.2011.2015の世界チャンピオンであるフランスのエマヌ選手という2人のビッグネームと、韓国のキム選手、スペインのベルナベウ選手ら有力なシード選手がひしめきあう。
ロンドン五輪を経験しているベテランの田知本選手だけに、その経験値を最大限に活かしてほしい。
がんばれニッポン!
がんばれ日本柔道!
がんばれベーカー茉秋!
がんばれ田知本遥!