玄関の框といわれる部分は、住宅の中では重要です。
なぜなら、昔は最初に住宅を訪れたときには、この框に腰を掛けて足を洗い最敬礼して中へ入ることが許されたのです。
それは、旅籠(はたご)とよばれる旅館や民宿のようなものまですべてにおいてです。
よく、足を洗うと言いますが語源はこの行動からです。
その大事な部分でもある框ですが、この建物では緩やかなカーブを描いています。
これまた、階段材と同じく集成材で作成してもらいました。
曲線は、限られた面積に広がりを持たせるのにもってこいです。
すこし曲げただけなのですが、その意外性に人間は驚きます。材木は直線という先入観があるためです。
写真で少し写っているのが、玄関のたたきと言われる部分ですが、これは本当に左官職人が土を混合させ叩いています。
那智石を埋め込み、大磯とともにいい感じを出していると思います。
むかしでは当たり前の技術でもあった、たたきは現在ではその語源でもある行為すら知られていません。
タイルが当たり前になり、建築やでもたたきという言葉は知っていてもはたしてどんなものがたたきだということがわからないのです。
昔ながらのことを行えば行うほどお金はかかるのが実情です。なぜかと言えば手間がかかるからです。
手間イコール工事費であり、作業日数にも関係するからです。
父の現役のころであ当り前の技術や工事が今では、このたたきひとつとっても行う人は少ないのです。
さびしい気もしますが、よくも悪くも時代の流れというものです。
そんな時代にこんな機会を作ってくださったお客様に本当に感謝いたします。
ありがとうございます。
