導入前のワクワクと不安

我が家のキッチンリフォームで最大の目玉といえば、やっぱりミーレの食洗機。世界的ブランドで「一度使ったら手放せない」と評判の代物。導入を決めたときはワクワク半分、不安半分でした。

ワクワクしたのはもちろんその大きさとパワー。日本製に比べて一回りも二回りも大きい庫内は「大容量」という響きだけで魅力的でしたし、洗浄力もすごいらしい。フライパンや鍋までそのまま放り込めると聞いて、家事の負担が大幅に減る予感しかしませんでした。

一方で不安もありました。ミーレは乾燥機能が弱いとか、むしろ「乾燥機能はない」とまで聞いていました。以前の日本製食洗機は、出した瞬間に棚にしまえるほどカラッと乾いていたので、あの快適さを失うのはどうなのか…。果たして本当に大丈夫だろうか、そんな不安も正直ありました。

使ってみて分かった圧倒的な洗浄力

そして、いざ使ってみると――洗浄力がすごい!の一言。カレー鍋の油汚れやグラタンの焦げ付き、普通なら下洗い必須のフライパンも、すべて予洗いなしでピカピカ。まるで新品かのように仕上がって出てくる姿には、思わずスミ妻と声をそろえて「おぉー!」と感動しました。

これまでシンクに残りがちだった大物調理器具が一度に片付くのは、予想以上の快感です。洗浄中の食器の音を聞きながら「もう手洗いに戻れないな」と思うくらい、圧倒的な力を実感しました。

大容量という安心感

さらにうれしいのは、その“収納力”。日本製では「これは入らないから手洗い」というシーンが多く、結局シンクに食器が山積み…というのがお決まりでした。

でもミーレなら、夕食後の食器と鍋フライパンをほぼ全部一度に投入可能。扉を閉めたら、シンクはからっぽ。これが本当に大きい。片付け終わった後の解放感と、「今日も一日終わったなぁ」という安心感は、家事ストレスを大幅に減らしてくれます。

気になる乾燥機能の違い

そして不安だった乾燥機能について。結論から言うと――日本製の方が優秀です。以前使っていた日本製食洗機は、運転終了後すぐに取り出しても食器はほぼ乾いており、そのまま棚に戻せるのが魅力でした。

ミーレはというと、運転直後はやっぱり水滴が残ります。「あぁやっぱりか」と思いましたが、時間が経てば自然に乾くので、それほど気にはなりません。夜に回しておけば、翌朝にはほぼ乾いているので実用上の不便はゼロ。強制的に乾かす風や熱はないけれど、「まぁ時間が解決するから大丈夫だね」というのが正直な感想です。

総合的な満足度

乾燥については日本製に一歩譲るものの、それ以上に洗浄力と大容量のメリットが大きすぎる。手洗いに戻ることはもう考えられません。使えば使うほど「やっぱりミーレでよかった」と思える買い物になりました。

これから食洗機を検討する方がいたら、私は声を大にして伝えたいです。「乾燥はちょっと弱いけど、それ以上の満足がありますよ」と。


👉 「期待と不安 → 実際の使用感」という流れで一つにまとめました。
ご希望なら、最後に「唯一の後悔ポイント」をちょっとユーモラスに入れて、次の記事へのつなぎにすることもできますが、入れますか?

荷物ゼロになった部屋で

長いあいだ格闘してきた引っ越し作業もついに終わり。最後の段ボールを運び出して旧居に戻ると、そこにはがらんどうの空間が広がっていました。家具や荷物でいっぱいだったはずの部屋が、いざ空っぽになると、驚くほど広く見えるんです。音が反響してまるで体育館みたい。「あれ?こんなに広かったっけ」と首をかしげる私とスミ妻。荷物がないだけで、見慣れた部屋がまったく違う表情を見せる瞬間でした。

最後の掃除とチェック

引き渡しに向けて、大家さんや管理会社に返す前の最終仕上げ。掃除機をかけ直し、雑巾で床や窓を拭き、ドアや壁の小さなキズをチェック。長年住んだ家なので、ところどころスレや小キズはあるものの、大きな破損はなし。思った以上にきれいに使っていたことにホッとしました。
ただ、最後の掃除というのは不思議な感覚があります。手は動かしているのに、頭の中では「あのときここでご飯食べたな」「ここで寝落ちしたな」と思い出がよみがえってきて、作業に集中できない瞬間が何度もありました。

家族の協力に感謝

今回の最終掃除には、実家の父母も手伝いに来てくれました。母はとにかく細かいところまで徹底派で、コンセントまわりや窓のレールなど、自分では見落としそうな部分までピカピカに。父は重たい家具の移動や分解を手伝ってくれて、大助かり。夫婦二人だけでは絶対に一日で終わらなかっただろうな、と感謝の気持ちでいっぱいでした。家族に手伝ってもらえるありがたさを改めて実感した日でもあります。

思い出とともにお別れ

部屋を磨き上げていくうちに、いろんな思い出が心に浮かんできます。初めてここに家具を運び込んだ日のこと、夜中に二人で片付けをしていたこと、雨の日に窓から外を眺めていたこと。日常のささいな場面ばかりなのに、不思議と胸に残っている。住んでいたときは当たり前だった日々が、去るときにはこんなにも愛おしく感じるんだなと。

鍵を返す瞬間

そして、いよいよ大家さんに鍵を返すときがやってきました。鍵を渡した瞬間、緊張と寂しさが入り混じる。もうこの部屋に戻ることはない。玄関を閉めたあと、思わず一度振り返って深呼吸しました。「ありがとう」と心の中でつぶやき、新しい生活への一歩を踏み出す気持ちを固めます。

新しい暮らしへのバトン

旧居をきれいに掃除して返せたことは、次に住む人への小さなエールのようなもの。「ここからまた新しい誰かの生活が始まるんだな」と思うと、ちょっと誇らしい気持ちもありました。
寂しさと同時に、新居での暮らしへの期待感もどんどん大きくなっていきます。


こうして、旧居の明け渡しが完了し、私たちスミ家の生活の舞台は完全に新居へ。長年の生活に区切りをつけ、新しい場所で新しい時間が流れ始める瞬間は、なんともいえない感慨深さがあります。

さかのぼること数か月前

引き渡し前の、まだ家具も何もない新居。
建物は完成しているけれど、まだ“生活の気配”がないその空間で、私たちは神主さんをお招きして、お祓いをしてもらいました。

地鎮祭のように何もない土地でやるわけではないので、当日は家の中での儀式。これがまた、妙に神秘的なんです。がらんとして殺風景だったはずのリビングが、榊(さかき)や御幣(ごへい)に囲まれて急に“神聖な場所”になるんですよ。
神主さんが祭壇を組み立て、白い布を敷き、塩・米・お神酒を並べると、もう空気が変わる。
「この家で安全に、健やかに暮らせますように」
神主さんの声が静かに響き、私もスミ妻も思わず背筋が伸びました。

建売だからこそのお祓い

工務店で建てる注文住宅なら、地鎮祭のタイミングで土地を清めるのが一般的。
でも私たちは建売住宅を購入したので、家が完成した状態で「これから住まう場所として清める」かたちに。
正直、お祓いをやるかどうか迷っていたんです。
でもスミ妻が「新しい家だし、気持ちの問題でもやっておきたい」と言ってくれて、やることに。

家が建っている状態のお祓いでは、神主さんが家の中を順番に回り、リビング、キッチン、寝室、玄関…と一部屋ずつ塩とお神酒で清めてくださいます。
そのたびに、「この空間にも、ようやく“私たちの生活”が宿るんだな」としみじみ。
とくにキッチンでは、スミ妻が小さく頭を下げていたのが印象的でした。
ここから毎日、家族のごはんが生まれる場所になるんですもんね。

静かな時間と小さなハプニング

式の途中、外からはカラスの鳴き声が。
「カー、カー、カー」と、まるで拍子を取るように鳴くもんだから、ちょっと笑いをこらえるのが大変。
神主さんも一瞬だけ口元がゆるんで、場が少し和みました。
こういう“ちょっとした出来事”も、後から思い返すといい思い出になります。

リビングに戻って最後の祝詞(のりと)。
神主さんの声が響く中、吹き抜けから光が差し込み、榊の葉がわずかに揺れる。
新しい家の静けさと相まって、その光景は今でも鮮明に覚えています。

終わってみて

お祓いが終わったあと、神主さんが笑顔で言いました。
「これで、この家には良い“気”が満ちました。ご夫婦で仲良く暮らしてくださいね。」
ほんの30分ほどの儀式だったけれど、気持ちはすごく穏やかに。
形式的なものだと思っていたけれど、やってよかった。

今でも思います。
“すでに建っていた家”でも、自分たちがこれから暮らす家を迎え入れる儀式としてのお祓いは、まるで家と心をつなぐ“最初のあいさつ”のようでした。