※このシリーズは、僕たち夫婦が過去に取り組んだ妊活・不妊治療の記録を、時間が経った今、振り返って綴っているものです。
「夫側も検査、必要です」
婦人科での検査がひととおり終わったあと、医師から案内されたのは、僕自身の検査でした。
精子の機能検査です。
これは、妊娠の成立において「受け入れる側(妻)」だけでなく、「届ける側(夫)」にも問題がないかを確認する大事なステップ。
たとえ妻側の状態が整っていても、こちらに何か問題があれば、人工授精も体外受精も前に進まなくなってしまうのです。
「もし最初のタイミングで妊娠してたら」って考えるけど…
実はこの検査、ちょっとした迷いもありました。
というのも、自費診療なので料金が少々お高め。
しかも、もし1回目や2回目のタイミングで妊娠が成立していたら、この検査は“無駄”になる可能性があるんですよね。
でも、思いました。
「時間がもったいないな」と。
仮に僕側に問題があった場合、それが原因で半年も1年も足踏みすることになる方が、よっぽどもったいない。
だから迷った末に、「やっておこう」と決めました。
翌朝、提出用のサンプルを
検査自体は、指定された日時に合わせて、自宅で朝の精液を採取し、病院へ提出するという流れでした。
正直、気楽とは言えません。
「ちゃんと出るだろうか」「量は足りるか」「変な扱いにならないだろうか」と、心配事はいろいろある。
でも、このときは変な話、怖がってる場合じゃなかった。
妻は妻で身体的・精神的にたくさんの不安や負担を抱えている。
それを思えば、自分ができることはすぐやっておきたい、という気持ちの方が大きかったです。
不安は、「動く」ことでしか取り除けない
「原因が自分にあったらどうしよう」という気持ちは、もちろんゼロじゃありませんでした。
でも、それを知るのが怖くて後回しにするのは、違うと思ったんです。
だったら早めに調べて、対処できることがあるならする。
そうすれば少なくとも「知らないまま時間を浪費する」ことは避けられる。
そういう意味でも、この検査は夫婦の妊活の一部だったと思います。