五感のデザイン 色の役割と色の表し方
次回打合せの準備で今日はインテリアのデザインをするための、五感のデザイン、色の役割と色の表しかについて、少しお話しします。
色には感情や行動に及ぼすさまざまな役割があります。色を正確に表すために、色名ではなく記号が用いられます。
色の役割
朝、眠りから覚めた時、世界が赤だけだったらどうでしょう?息苦しさを感じるのはもちろんのこと、ものや人を容易に区別することもできず、動きや方向の感覚を失ってしまうなど、生活の極度の支障をきたすことになると思います。
天高き青空、新緑の木々や彩豊かな花々、繁華街のネオン、街を闊歩する女性たちんのファッション等々、多彩な色の世界がそこにあるおかげで、私たちは感動したり、認識したり、表現したりなどと円滑な生活を送ることができまます。インテリアデザインにおいても「色」は、「かたち」、「素材」とともに表現の伝達機能を担っています。デザインの過程で、かたち・素材・色を、かたち→素材→色と時系列的に考えることは意味をなさないこと、ナンセンスであります。この3つは、デザインの構想時から同時発生的にイメージしておくべきこととなります。普段、何気なく見ている色を意識して、プランニングすることはデザイナーの重要な仕事となります。
色を正確に表す
茜色、珊瑚色、桜色、これらはすべて表情の違う赤です。このように色名はその色のイメージを直感的につかむことができます。しかし、この世に存在する無数の色すべてに名前をつけるというのは、不可能でありますし、また正確性や客観性にも欠けます。そこで、色の物差しとして表色系といわれる色の相対的な位置関係を定義付け、数値や記号によって定量的な体系として色を正確に表す方法が開発されてこました。
物体色を表示する場合、通常、色の三属性と呼ばれる色相・明度・彩度を尺度として用いられます。
三属性による色立体の骨組み
色相は赤や青のような色みを示すもの、明度は色の明るさの度合いを示すもの。明度が高いと白に近づき、明度が低いと黒に近づきます。彩度は色の鮮やかさの度合いを示すもの。彩度が高いと純色(最も鮮やかな色)に近づき、彩度が低いと無彩色(白、灰色、黒)に近づきます。
三属性による色の表示方法としては、マンセル表色系が代表的であります。
マンセル色相環
色相(Hue・略称H)は赤(R)黄(Y)緑(G)青(B)紫(P)の
5色を基本色相とし、それぞれの間に黄赤(YR)黄緑(GY)
青緑(BG)青紫(PB)赤紫(RP)の中間色相を加える。
さらに各色相はそれぞれ10分割され、合計100色となります。
各色相は1から10まで表示され、5がそれぞれの中心となります
マンセル色立体
マンセル記号はHV/Cで表します
例)5R4/14(5アール4の14と読みます)
この色は、色相がRの中心で、明度は4で中明度、
彩度は14で高彩度、すなわち「鮮やかな赤」になります
マンセル色立体は、それぞれの色相の最高彩度値が
異なるため、歪んだかたちをしています
インテリアデザインの現場では、塗装色は日本塗料工業会塗料用標準色、DICカラーガイドといった色見本帳から色指定を行うことが多いです。色見本帳にない色は、現物提示が望ましいです。マンセル表色系は、景観色彩の分野や論文発表など国際的コミュニケーションにおいて用いられています。また、景観色彩における色票集としてはJPMA景観色標準色体系などもあります。