中二のころ地元のうどん屋での話
その日は確かお盆ということで
ぼくはひとりで母親の実家であるばあちゃんちに遊びに行っていた
そして、お昼にじいちゃんとばあちゃんとぼくの三人で地元にあるおいしいと評判の小さなうどん屋さんにご飯を食べに行った時のこと
中二の頃のぼくは思春期真っ只中
ファッションではポールスミスとかのブランドが流行っていたんだけど
じいちゃんばあちゃんとこに行くんだから、そんなよそ行きの「カット&ソー」と呼ばれる
おされーな一張羅なんて着るはずもなく首元がたるんたるんの寝巻き同然のTシャツだった
髪型も気になる年頃ではあったが、もちろん周りに女の子がいるわけでもないのでワックスでセットするわけでもなく
ボサボサで完全に無防備な状態でうどん屋にむかった
今でもその地獄の情景は鮮明に覚えている
そのうどん屋は店を入るとカウンターでL字型で8席くらい
そして奥にいくと4人がけテーブル席が6席構えてある
テーブル席は間仕切りで簾というか屏風みたいな竹細工品がテーブル席ごとに仕切ってあった
しかし超スケスケなのであまり意味はない
適当にぼくらはうどんを頼んで待って暫くすると
女の子の声がキャッキャ聞こえてきた
女の子集団はぼくらの間仕切りを挟んだ奥のテーブル席に通された
ぼくは女子という生き物が気になって仕方なかったエロ中学生だったのでちらっと見てみると
なんと!
学校でも「かわいい四天王」のうちの特にかわいい女子バレーボール部の2人がいたのだ《゚Д゚》!
「うおーなんでよりによってこんなタイミングで!」
とぼくは軽いパニックになっていると
ばあちゃんが
「〇〇中学校はどう?楽しい?」とポツリ
その一言で向こうの女子連中がこちらに反応した
やっすーいスケスケの簾(うどん屋ごめん)なので完全にぼくの存在に気づいたようだ
ぼくは急須でお茶を注いで気がつかないフリをしていると
ば「けんちゃん、あんたばあちゃんの分も食べてね」
「ぐふっ」
かわいい女の子の前でちゃん付で呼ばれるという醜態、パンチがアゴに決まった
そして矢継ぎ早に
ば「あんた、そんなお茶の注ぎ方して!お外で同じことやっているんじゃなかろうね!」
「がはっ」
かわいい女の子の前でばあちゃんに叱られるという醜態、強烈なボディーブローが入った
「やばい、こいつを野放しにしておくと俺の身が危ない…!」
なんとかしようと完全にパニックになっているぼく
するとノーマークだったじいちゃんが
じ「けんちゃん、ママの言うことちゃんと聞いとるんか?いい子にしとんが?」
「マ、ママだと…!?」
心の中の古舘伊知郎が実況で
「おーっと、けんちゃ…中川選手、完全にストレートが顔面に決まったー!膝がガクガクしているー!」
と叫んでいる
「こ、ここにも刺客がいたとは…」
そう、じいちゃんは滅多に口を開かないタイプなのでぼくの中で完全にノーマークだった
そして断っておくが「ママ」から「お母さん」には小学生になった時点で卒業をしている!
そして中学生にもなっているので「おかん」と呼び方は確実にステージアップしている!
心の中で大声でその経緯を説明したい衝動に駆られたがそんなことも出来るはずもなく…
ぼくはもう瀕死の状態だ
もう前も向けず下を向いてぐったりしてうどんを待っている
そして恐る恐るさりげなーく
うっすーいやっすーいスケスケの簾の奥を見ていると…
かわいい女の子集団は完全におしゃべりに夢中になっていた!
そう、完全にこちらのことを気にもしていない様子だったのだ!
ぼくは自意識過剰で自分で勝手にダメージを負っていたということだ!
でもさ、これって大人になってもよく起こることだよね
そう、他人からの目を気にし過ぎてしまう
あなたの中でのステージが変わって
やりたいことや何か新しいことにチャレンジし始めたタイミングって他人から
笑われるんじゃないか
馬鹿にされるんじゃないか
冷たい目で見られるんじゃないか
と外からの評価が気になってしまう事はよくあることだ
でも多くの場合はそれは完全な思い込みであることが多い
この女子連中の様に実はあなたのことなんて気にも留めていないことはよくある話だ
卒業アルバムでもまずは自分が写っているかを見るよね?
そう、良くも悪くもみんな自分のことばかり考えているので
あなたが他人からの目が気になるというのは完全な自意識過剰なのかもしれない
こう見られるから
こう思われるから
嫌われるかもしれない
ということばかりを気にしてあなたの最大限に表現することを自分で妨げないようにしよう
そして他人の目ばかりを気にしてあなた自身をないがしろにするのはそろそろやめにしよう
勝手に瀕死になっている中学生の頃のぼくのように笑
あなたが自分で勝手にダメージを受けているだけで
周りは意外となんにも思っていないものなのだ
この学生のように最大の表現をしようね
中川賢太郎
