職場での人間関係に悩んでいる方から、質問をいただきました。
Q:人に注意を受けた時に自己嫌悪に陥らない方法は?
仕事中に、メンバーから、注意されたり、注文されたり、指摘されたりする事って、ありますよね。
こちらのお客様は、注意されると、まるで自分が責められたような、人格まで否定されたような、そんな気持ちになってしまうんだそうです。
うんうん。
向こうが感情的に話してくると、こちらも感情的になってしまう!
負の感情の連鎖反応ってありますよね!
例えば、どんな時に落ち込んでしまったのかというと、
「職場の配置の整理中で、たまたま自分のロッカーがなくて、不便をしていました。
荷物の置き場がないので、自分が働いている場所のすぐ脇に、自分の荷物を置いていたら、
「ここにあると邪魔なんですけど!」って、年下の女性から注意されたんです。
自分が今、ロッカーがない事は、その女性も知っているはずなのに、困っている事をわかっていて、ワザと注意してくるのは、自分に対しての、当てつけなのかなって思うんですよ!
職場で困っている人がいたら、自分だったら、「大変ですね。」って、言ってあげたり、
何とか解決してあげようと、自分から、上司に、「○○さん、困ってますよ。」って、言ってあげたりします。
それが普通だと思っているし、自分は今の職場で、そうやって、周りの事も考えて仕事をしているのに、そんな事をしているのは自分だけなのかなって思うんです。
この職場の人間は、みんな、人を助けてあげようっていう気持ちが薄い!
自分の不満ばっかり主張して、「何でこうしないんだ、アイツはああだ。」って、批判ばかりしてくる。
その批判が、「わかってないな!全然違うよ!」って事も多くて。
でも、職場では、それが通ってしまう!
結局、自分だけが、いつも我慢して、周りに合わせてあげる結果になっている気がして・・。
こんな職場、もう辞めたいって、毎日思うんです。もう辞めた方がいいですか?」
なるほど・・。そういう状況は、辛いですよね。
早速、解決していきましょう!!
このケースの場合、
「荷物が邪魔だ。」と注意された事に対して、「自分に対する当てつけか!」と受けとってしまう事。
これは、実は、事実に対して、自分の感情のフィルターをかけている反応になっています。
女性の言い方が、感じ悪かったのかもしれませんし、女性が怒っていて、怖い顔をしていたのかもしれません。
だから、自分も感情的になってしまって、火がついてしまった!という状況です。
コミュニケーションのストレスは、大抵は、『論理療法』で、解決できます。
論理療法とは、心理学者のアルバート・エリスが提唱したものです。
具体的には、”心理的な問題を、ABC理論で考えて、解決しよう!” というお話です。
ABC理論とは、
Activating event(出来事)= A:アクティブイベント
Belief(信念、固定観念)= B:ビリーフ
Consequence(結果)= C:コンセクエンス
つまり、Aという出来事を、Bという自分の色眼鏡で見てみると、Cという出来事として写る、という話です。
この事例の場合は、
A:邪魔だと言われた。
B :当てつけだと感じた。
C:一方的に責められたと受け取った。
こうなっています。
論理療法は、心理的な問題を、超簡単な質問をするだけで、問題解決に導いちゃう!というスグレモノです!!
(^∇^)
是非、使ってみてください!!
それは、こんな質問です。
『Bの、当てつけだと感じたのは、主観ですか?客観ですか?』
『客観で、Bを考えたら、Cはどうなりますか?』
では、事例で考えてみましょう。
Bの、「当てつけだと感じた。」というものは、主観ですよね。
まず、この反応は主観だったと、気づいてください。
次に、客観でBを考えてみます。
客観で考えるというのは、上から俯瞰してみる、状況を確認するという感覚です。
<客観視>
職場の、その位置に荷物が置いてあると、邪魔だ。
職場に荷物を置くのは、安全上よくない。収納する方がいい。
荷物が邪魔で、女性はイライラしている。
客観視のBを使って、もう一度考えてみましょう。
A:邪魔だと言われた。
B :職場の、その位置に荷物が置いてあると、邪魔だ。
職場に荷物を置くのは安全上よくない。収納する方がいい。
荷物が邪魔で、女性はイライラしている。
C:荷物が邪魔だと受けとった。
このように、Cの結果が、全然違ってくるのが、論理療法の特徴です。
C:一方的に責められたと受け取った。
↓
C:荷物が邪魔だと受けとった。
事実は、あなたが責められているわけではなかったんです!!
この方法は、Bの受け止め方を変える方法なので、巷では、ビリーフチェンジと言われたりもしています。
何かあったら、このビリーフは、主観かな?客観かな?と考えてみてくださいね。(^^)
カウンセラーは、常に、主観と客観を同時に考えて、人とコミュニケーションを取っています。
カウンセリングをしていると、だんだんと、客観で人を見る癖が、ついてきちゃうからです。
更にレベルが上がると、状況から、相手の心理状態(主観)まで、客観視できるようになります!
人と話をしながら、相手を客観視してみましょう。
例えば、こんな感じです。
(この人は今、イライラしているんだなあ。きっと、嫌なことでもあったに違いない。心の中に葛藤を抱えているんだな。かわいそうに。何か、助けてあげられることはないかな。)
そのように考えると、嫌な相手にも優しくできちゃいます。
仕方がないから、合わせてあげようかな!と思えます。
相手の事を知り、背景がわかるようになると、コミュニケーションで、相手の主張に感情的に振り回されなくなります。
理性的に物事を見られるようになります。
相手の背景や気持ちを汲んだ上で、あなたはこういう事を言っているけれど、私はこう思いますと伝えると、相手も自分の間違いに気づき、素直に間違いを受け入れてくれるようになります。
相手の事を知れば知るほど、客観視が出来るようになるので、自分の主観的な考えが、事実と違うと気づくことが出来るようになります。
主観的な考えをしなくなるにつれ、自己嫌悪に陥ることはなくなります。