今日も、職場での人間関係に悩んでいる方からのご質問にお答えします。
Q:言い方がストレートではなく、オブラートに包む言い方の身の付け方は?
職場の人と仲良くやりたい。でも、相手にやめて欲しい事を言わなきゃいけない。
そんな時ってありますよね。
例えば、
上司のAさんは、忘れっぽい人で、自分が指示した業務内容を忘れて、場当たり的に、別の仕事の指示をします。
こんな時、どうすればいいのでしょうか?
「君!その仕事、朝からやってるけど、そっちばっかりやってないで、こっちも手伝って!」
(え!僕の仕事を決めたの、Aさんだよね!どうして責められなきゃならないの?)
上司のAさんに、ストレートに言い返すと、こうなります。
「Aさん!先週の○月○日に、この仕事の専属スタッフとして、僕に、責任を持って仕事してほしい!って、Aさんが、言ったんです。だから僕は、その通りにやっていたのに、他の仕事もやれって、それじゃ、専属の仕事ができないじゃないですか。自分が言った事、忘れちゃったんですか?」
どうでしょうか?
もしも、このように伝えたら、上司のAさん、
「何だと!俺をバカにするのか!」って、怒っちゃうかもしれませんね。
では、Aさんを怒らせずに、Aさんに正しい事を伝えるには、どうすればいいのでしょうか?
伝え方をどうするか、という問題は、『アドラー心理学』で解決できます。
アドラー心理学とは、心理学者のアルフレッド・アドラーが提唱したものです。
具体的には、”自分が伝えたい事を、『私はこう思う』という言い方をして伝える。”というものです。
アドラー心理学では、相手の話と、自分の話を分けます。
例えば、こんな風になります。
上司は、『一つの仕事に集中している部下に問題を感じた。こちらの仕事も手伝って欲しい。状況を察知して、手を貸すようになって欲しい。』
僕は、『上司の指示の通りに仕事をしていた。他の仕事が目に入らなかった。手伝いが必要だと気づかなかった。』
このように整理した上で、自分の意見を上司に伝えるとすると、こうなります。
「Aさんは、一つの仕事に集中している僕を見て、問題を感じたんですね。そちらの仕事も手伝って欲しかったし、状況を察知して、手を貸して欲しいと思っているんですね。
僕は、Aさんの指示の通りに仕事をしていたので、他の仕事が目に入らず、そちらの仕事に手伝いが必要だと気づきませんでした。
今後はどのように仕事を進めていけば、Aさんは、良いとお考えですか?」
どうでしょうか?
これならAさんに、「あれ?自分の指示の通りに仕事していたんだ !」って、伝わると思いませんか?
この伝え方は、iMessage(アイメッセージ)と呼ばれています。
ちなみに、ストレートに伝える事を、youMessage(ユーメッセージ)と呼びます。
ユーメッセージは、「あなたが」という言い方です。
(例) あなたが指示を出した事に、従っています。
アイメッセージは、「私は」という言い方です。
(例) 私は、あなたの指示に、従っています。
同じ内容でも、伝わり方が、全然違うんですよ!
ユーメッセージで気持ちを伝えると、相手は、自分を責められたように感じます。
ユーメッセージを聞き続けていると、どんな人でも、だんだん腹がたってきます。
相手を怒らせたかったら、どんどんユーメッセージを使って、攻撃しましょう!(冗談です!)
人に、自分の話を伝える時、どうせ伝えるなら、相手にちゃんと聞いて欲しいですよね。
どうせ聞いてもらえるなら、理解して欲しいですよね。
相手が理解できるように、相手にとって、わかりやすく、伝えてあげる必要がある。そう思いませんか?
例えば、
私たちは、外国人に挨拶するとき、「ハロー!」って言います。
相手の立場に立って、話しかける事。それが、コミュニケーションの基本的な姿勢です。
良い人間関係は、あなたの優しさから、始まるのです。
話をする際に、
相手に、話を聞く準備をさせてあげるのも、優しさの一つです。
相手の注意をひく、クッション言葉を使うと、相手に話を聞く心の準備をうながすことができます。
<クッション言葉の例>
Aさん(呼びかける)
今、大丈夫ですか?
お忙しいところ恐れ入ります。
失礼いたします。
ありがとうございます。
お世話になっております。
クッション言葉を使いながら、自分の心の準備も行いましょう!
<心の準備の例>
自分の話を、相手は聞いてくれる!
理解してくれる!
わかりあえる!
アイメッセージなら、絶対にうまくいく
そんな心の準備ができたなら、あなたは、自分の意見をオブラートに包む必要もなく、
きちんと相手に伝えて、理解される。それが、できるようになりますよ!!