たいへんご無沙汰しております!(この書き出し、何回目?)
SNSは完全に閲覧専門になっているし、このブログもまったく更新していないけれど、まだしぶとく生きながらえております。
急にブログを書き始めるのは、たいてい人が亡くなったときか、何かに急激にのめり込んだときかどちらかなのですが、今回は後者です。
もうすでに見たという人もたくさんいるかもしれません。目下「X」で1.5億インプレッションという驚異の数字をたたき出している、元SMAP・香取慎吾くんの若かりし頃の映像ポスト。
2001年のライブから切り取ってつないだほんの10秒の映像なのですが、これが稀に見るほどの吸引力で、 人生でほぼジャニーズを通って来なかった(解散後20年近く経ってから何故か男闘呼組にはハマってしまったけど)わたしを全力で振り向かせました。ポストの引用を見てもわかるように、「香取くん(世代なのでついこう呼んでしまう)ってこんなイケメンだったっけ?」という驚きがここまでのインプレッション数になっているようです。
で、若かりし頃の画像映像もひととおり漁ってみるのですが、この金髪ロン毛の香取くんが神がかりビジュアルすぎて越えられるものが見つけられず、件の映像の元映像及び、この当時主演していたドラマを見ることで気持ちを満たしています。
わかりやすく顔が整っている2枚目キャラのキムタクと違って、かっこいいけどちょっと個性的な顔立ちゆえかグループの中でも3枚目扱い・イロモノ担当みたいになっていた気がしますが、このライオンのような、ゴールデンリトリバーのような、ひまわりのような、太陽のような、太陽神アポロンのような、おおらかで堂々たるイケメンぶりはどうよ?? 恵まれた男っぽい体格で昔のイケメンだよねという古さもなく、普遍的に素敵ではないですか! そんな姿で、もともと上がっている素晴らしい口角で全開のアイドルスマイルを見せつけられたら、そりゃ通りすがりの者も全身で振り向いちゃうよね!
あまりに感動したので最近人に会うたびこの話題を振ってしまうのですが、「人生で一度もかっこいいと思ったことがない」とまで失礼断言する友人でさえポストを知っていて、「あのビジュアルはハッとするよね」と興奮気味に言っていました。こういう友人やわたしのような一見さんを虜にして未だ視聴数が伸びているというわけです。
SMAPは当たり前にずっとテレビにいた人で、ヒットした歌も多くてサビくらいは何となく口ずさめてしまうし、ことさら注目して見るという存在ではなく、特にありがたいと崇めることもなかった人生でした。ところどころで印象的だったドラマはいくつかありますけどね(香取くんなら「いちばん大切なひと」とか)。
と、ここまで熱く書き連ねながらも、ここまでは実は前置き。本題はここからです。
このポストを見る少し前に、わたしは友人に誘われて、香港映画『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』を観に行きました。なんの予習もせずに観ましたが、九龍城砦という旅人及び廃墟好きの心をそそりまくる舞台、全編を通して男男男男男!男しかいない男のための男の映画というストーリー(ほとんど背景な感じで女も出てきますが)、そして主要キャラのかっこよさで楽しく鑑賞することができました。アーロン・クオックとサモ・ハン・キンポ―以外、まったく知らなかった俳優ばかりにもかかわらず。
お話を簡単に説明しますと、ベトナムから密入国してきた若者・陳(チャン)は、身分証を手にするために香港の黒社会に頼るも騙され、命からがら九龍城砦に逃げ込みます。そこで、ボスの龍やその手下の若者たちと出会い、友情を深めていきます。麻雀卓をたびたび囲んで仲よくなっていくところが中華らしくていいですね。
それぞれキャラも立っていて、特にダニエル・ラウ演じる信一(シンイチと呼びたくなるが、実際にはソンヤッと読む)は特筆すべきビジュアルのよさですが、主演のルイス・クー演じる龍捲風(ロンギュンフォン、という読みもかっこいい)の、ニヒルだけど強くて優しい、背中で語る兄貴ぶりがたまりません。この二人の家族とも師弟とも取れる濃い関係もいい。そして、脇を固める男たちの絆!龍たちのボス世代と、信一たちの若者世代の絆がこれでもかと交錯し、熱いというより暑苦しい。もはや暴力?なアクションもすごい(ボス世代、つまりおじさんたちもみんな華麗なるカンフーの使い手)。
いや、これはもう『男たちの挽歌』やん? そこに香港の伝統的なカンフーアクションを掛け合わせたらこうなるやん? そういえば、突然『男たちの挽歌』シリーズを立て続けに観た時期もありましたっけね。それにしても、黒社会とかマフィアとかギャングといった存在が、フィクションになると途端にかっこよくなるのは何故でしょうか。
そして、Xのポストを経て、当時の香取慎吾神ビジュアルを拝むためだけに見始めたドラマ『人にやさしく』。これがまたいい作品で、全話をほとんど一気見してしまいました。
香取くん演じる主人公・前田前(まえだぜん)は、騙されてローンで買ってしまった原宿の一軒家に、加藤浩次演じる大坪拳、松岡充演じる山田太朗とともに暮らしています。ある日そこに、「この子を預かってください」という手紙を携えた6歳の明(須賀健太)がやって来て、試行錯誤・力戦奮闘しながら男3人で子育てするというストーリー。設定は『赤ちゃんに乾杯!』『スリーメン&ベビー』の流れを汲んでいるのでしょうかね。主役は男3人だけど、それぞれ思いを寄せたり寄せられたりする女性も3人、脇を固めています(星野真里、りょう、小西真奈美)。
男3人は2年ずつ先輩後輩の、原宿中学校の歴代番長。皆よくない家庭環境で育ってきて、中学時代は悪さばかりしていた、いわゆる不良です。シェアハウスでも貧乏暮らし。現実だったらむさ苦しいに違いないけれど、そこはドラマですから、ぼろいなりにDIYを駆使したおしゃれな雰囲気で、芸大の部室(勝手なイメージ)みたいでいい感じになっています。対する明は、もともと私立の小学校に通っていたお坊ちゃん。3人とはまったく育ちが違うけれど、不思議と気が合うように。何はなくともハートだけは熱い男たちが、明の父母が迎えに来るのを待ちながら、育児を通して自らの中にある傷や空洞に向き合い、疑似家族として仲間として、ともに成長していきます。急にミュージカルみたいに大勢が登場したり、コメディらしい大袈裟な演出と掛け合いもあったりで、ドラマらしい”ありえなさ”も絶妙なバランス。笑って泣けてついでに眼福、最高じゃないですか。
「仲間がいればさみしくなんかない!」「男だったら強くなれ!」「勝たなくたっていいんだ、逃げなきゃいいんだよ」などなど、少年ジャンプばりの熱血台詞が次々と出てくるし、全編がド直球すぎる価値観に貫かれていてじつに清々しい。そして、主題歌と挿入歌に使われているブルーハーツの音楽がドラマの世界とシンクロしすぎている上、原曲とオルゴールバージョンで代わる代わる攻めてくるので、いちいち涙腺が決壊します。
男ってのはなあ!みたいな価値観や、何かにつけてつい拳が出てしまうのは、現代から見ると時代錯誤でコンプライアンス的にグレーな部分もあるかもしれませんが、まあドラマは時代を写す鏡ですから、いま見て古いと感じるのは当たり前。そもそも言いたいんですけど、歴史ドラマにやたらと出てくる現代的正義を振りかざす登場人物が、いつも見ていてイライラします。
そして、いまどき男も女もないというのが世の風潮ではありますが、そうはいっても、男という性が持つ魅力は確実にあって、それはファッションの好みと同じく、頭ごなしに否定されるものでもない。しっかりした骨格とか頼りがいのありそうな上背とか見た目の美しさもあるけれど、体の性別だけじゃなく、心根や生き様などにも男特有の美学みたいなのがあると思います。
前、太朗、拳は三人三様に「バカだけどいいやつ」で、でもそれぞれ心に寂しさや欠損を抱えていて、明るさと切なさのコントラストが絶妙で、男という属性のいいところを詰め込んだ素晴らしいキャラクター造形でした。
特に、いままさにバズっている香取くんのビジュアルで演じる主人公の前は、もうどこからどう見ても陽キャで、勉強はできないけど運動能力が高く、直情バカ一代な性格。すべてがこれ以上なく似合っていて、こんな適役ある?!という感じでした。思いを寄せる女の子の気持ちにも気づかず暴言を繰り返す不器用ぶりすら愛しい。
ドラマの舞台が、昔の原宿というのも私的にポイント5倍。わたしは2006年に上京して原宿にある会社で働き始めますが、それより遡ること5年くらい前の街ですね。原宿が壮大な田舎かのように人情味に溢れていて新鮮でした。しかし、いくらフィクションかつぼろ家とは言え、原宿の一軒家を20代の貧乏青年が買える時代だったのだろうか⁉
放送は2002年1月~3月。わたしは長い旅に出る直前で、残念ながらこのドラマはスルーしていました。当時もし見ていたら、香取くんじゃなくて、松岡充を推していた可能性があります。あの顔で関西弁を喋るのがいいですよね~。
「気は優しくて力持ち」とは昔からある言葉ですが、わたしはここに、男、いや漢の理想像が凝縮されていると思っています。
また、レイモンド・チャンドラーの小説『プレイバック』には「強くなければ生きていけない。優しくなければ生きていく資格がない」という有名な一節が出てきますよね(訳はいろいろありますが、とりあえずこれで)。
強くて優しいこと。かっこいいなと思えるヒーローたちは、すべからくこの2つの属性を持っているような気がします。
一見なんの関係もない2つの作品を敢えて並べたのは、こういう“強く優しくかっこいい兄貴”をもっと見たい!と思ったからで、なんだか話が取っ散らかってしまいましたが、わたしはとにかく、暑苦しい男たちの暑苦しい絆が大好物だということを、あらためて認識したのでした。歴代の少年ジャンプ漫画でも読み直そうかな…。

