里見八犬伝
深作欣二監督
1983年
夏木マリ
薬師丸ひろ子
真田広之
千葉真一
味方に思えない人物が、
実は同志…という展開って、
ドラマティックですね。
味方が敵に変わるのを闇落ちって
いいますけれど、
闇落ちからの光落ち(改心)を
今作では2人の剣士で表します。
真田広之演じる親兵衛。
姫を誘拐し敵から報奨金をせしめようとする。
彼の立ち位置が大きく変わるのが萌えポイント
乱暴者だけど根は優しい。
姫に果実をとってやろうと、
崖に実っている枝へ腕をのばす。
姫は「逃げ出すチャンス!」とばかりに
親兵衛を後ろから突き落とすが…
ドジ踏んじゃって、親兵衛に救われちゃう(笑)
血眼で姫を捕えようとする村人の姿をみて
親兵衛の心が揺れます。
「俺もあいつらと同じだ」
姫を助けながら
次第に惹かれていく。
邪魔者扱いされてしまう。
そればかりか、抹殺されかかる。
姫への恋心が憎しみへと変わり、
危うく敵に取り込まれそうになります。
孤独から闇落ちする親兵衛。
必死に自分のなかの悪と善がたたかう。
静姫にもらった笛を吹き
自分の中の悪縁を断ち切ろうとします。
この横笛は、伝説の伏姫のもの。
人の心に響く澄んだ音色を奏でます。
親兵衛が吹く笛の音によって、
もう一人の光落ちする仲間が誕生!
犬飼現八は、闇の軍団の兵士。
珠に導かれ、
親兵衛をつれて敵城を脱出。
しかし、呪いをかけられた親兵衛が大暴れ!
姫への復讐に燃える鬼と化しています。
姫は彼の誤解を解こうと、必死に説得。
「手をだしてはならぬ。
私は親兵衛と話がしたいのだ」
必死によびかけ、許してほしいと願う。
とてもいじらしくて可愛らしい
思いの強さが呪いをはねのけるという
ファンタジーの王道を楽しめるシーンです。
義・礼・智・忠・信・孝・悌
7つそろった珠。
あと1つ足りない。
姫と親兵衛の気持ちが
最後の1つを出現させます。
珠に浮かぶ漢字は仁。
人を愛するこころ
仁の珠が一番最後に現れ、
生き残るという物語のテーマが好き。
どのヒーロー映画でもそうですけれど、
闇に落ちた人物が光に鞍替えする
という設定に、私は魅力を感じるんですよねぇ💓
悪から生まれる善の心のほうが
もともと聖人である人よりも
強い輝きを放つことがあります
それって現実でもそうですねぇ
過去にしくじった人が、
人の役に立とうと本気を出したときのパワーは
誰にもかないません。
犬飼現八
「俺は罪もない人を殺め、殺生を重ねてきた。
だから盾となりたい」
敵の兵士だからこそ罠に詳しい。
さぁ、八犬士たちは
囚われの姫をいかにして救い出すのか?
派手で豪華なアクション満載!
迫力のクライマックスとなります。
そして「隠し砦の三悪人」「ローマの休日」とは違う、
お姫様が別の道を選ぶラストシーンも爽やか。
みんなの魂と共に生きていく
というスタンスは、
和製スターウォーズですねぇ(≧∇≦)
ということで、
4回にわけた「里見八犬伝」のおしゃべりに
おつきあいいただき有難うございました