栃木県・那須湯本。
温泉街を進んでいくと、
ふわっと漂ってくる硫黄の香り。
「あ、これは本物だな」
鼻がいちばん先に反応します。
温泉神社を過ぎると、
目の前にはぐっと山が迫ってきて、
空気も景色も一気に “温泉モード”。
殺生石のある「賽の河原」の前を通り、
その先の道を曲がると――
名湯 「鹿の湯」 に到着です。
石碑には
「栃木県最古」
「那須湯本温泉 鹿の湯」
と、さらっとすごいことが刻まれています。
主張は控えめ。
でも内容は圧倒的。
右手に湯川を眺めながら、
坂道を下っていくこの感じ。
すでにもう、
心は半分くらい湯に浸かっています。
鹿の湯は、栃木県最古。
開湯はなんと1300年以上。
もはや温泉界のご長寿さん。
人生の先輩どころか、歴史の大先輩です。
入口で入湯料500円を支払い、
下駄箱で靴を脱いで奥へ。
ツヤのある木造の床が、
「よく来たね」
と迎えてくれます。
途中、建物は湯川をまたぎ、いざ浴場へ。
男湯の青い暖簾をくぐり、
廊下を進んで木戸を開けた瞬間――
「わあ〜」
思わず声が出ました。
まるで江戸時代にタイムスリップしたかのような空間。
そして耳に飛び込んでくる、
「ザッザー」
勢いよく流れる打たせ湯の音。
鹿の湯は、酸性の硫黄泉。
湯の力がかなり強いため、
入湯は短時間が推奨されています。
さらに特徴的なのが、
入浴前に“頭に湯をかぶる”という作法。
よく見ると、
ヒシャクと砂時計を手にした常連さんがちらほら。
ここでは、時間管理も大切な修行です。
男湯の湯船は、
41度、42度、43度、44度、46度、48度の6種類
4人ほど入れるサイズで、
その日の体調や気分で選べるのが嬉しいところ☺️
自分は42度からスタート。
「ああー」
じんわりと身体に入り込む熱が、
あっという間に全身へ。
「凄い。これだ…」
思わず心の中でつぶやきました。
低い温度から順に入り、
44度、そして46度へ。
ここまではなんとか耐えられましたが、
48度はさすがに別格 …… 30秒で降参です。
湯船を出て着替えたあとは、
湯川の上にかかる建物の窓から、
下を流れる川を眺めてクールダウン。
火照った体を風にあてながら、
「いい湯だったなあ」としみじみ。
その夜は、身体がいつまでもポカポカで、
ぐっすり眠れました。
さすが、長い歴史を持つ名湯。
鹿の湯、あっぱれです 🫡




