玉川温泉で強烈な湯の洗礼を受けた帰り道、田沢湖畔に立ち寄りました。
最初に目に飛び込んできたのは、湖と空の境界が分からなくなるほどの青。
田沢湖は日本一の水深(約423m)を誇る湖として知られています。
その深さゆえか、湖面の色はどこか底知れず、吸い込まれるような青さをしています。
湖畔に立つと、波は驚くほど穏やか。
風が水面をなでるたびに、きらきらと光が跳ね返ってきます。
遠くに連なる山々の稜線が、そのまま湖に沈み込んでいるようで、「深い湖」という言葉を視覚で実感させられました。
湖畔には白い砂浜が広がり、足元を見ると砂の表情が実に豊か。
踏みしめられた跡が陰影になっています。
近づいてみると、一粒一粒の砂が太陽を反射してきらめいています。
田沢湖は、かつては透明度の高い湖として知られていました。
しかし、玉川温泉の酸性水の流入などにより生態系が変化した歴史も持っています。
そのため、現在も「クニマス復活」の話題など、静かな湖面の下に多くの物語を抱えています。
刺激の強い湯から、静まり返った湖へ。
玉川温泉で身体を揺さぶられ、田沢湖で心を落ち着かせる――
この組み合わせは、思っていた以上に相性が良い寄り道でした。
温泉旅の締めくくりに、これ以上ない“深呼吸の時間”をもらった気がします。



