別所温泉の共同浴場巡りで次に訪れたのが、共同湯「石湯(いしゆ)」です。
堂々とした唐破風の屋根が印象的な建物で、温泉街の中心にどっしりと構えています。
石湯の前には「真田幸村公 隠しの湯」と刻まれた石碑があります。
戦国時代、真田氏の隠し湯として利用されたと伝えられており、池波正太郎の小説『真田太平記』にも登場します。
石碑の文字は『真田太平記』の作者・池波正太郎の筆によるものだそうです。
実際に幸村が入ったという確かな記録はないようですが、「もしかしたらこの湯に肩まで浸かっていたのかも」と想像するだけで、歴史好きにはたまりません。
石碑の足元には龍の口から温泉が流れ出る飲泉所があります。
別所温泉の泉質は「単純硫黄温泉(低張性アルカリ性高温泉)」。
硫黄の香りがほんのり漂う柔らかな湯で、美肌の湯としても知られています。
一般的な適応症には神経痛、筋肉痛、冷え性、疲労回復、健康増進などがあり、浴用だけでなく飲用も可能です。
恐る恐るひと口飲んでみると、独特の硫黄の風味。
正直に言えば「美味しいからおかわり!」という味ではありません。
しかし温泉成分を体の内側からいただいていると思うと、不思議とありがたみが増してきます。
石湯の浴室は少し地下に下りた場所にあり、天然岩を取り入れた独特の造りになっています。
共同浴場らしい素朴さがありながら、歴史を感じさせる空間は居心地抜群。
湯につかっていると、時間の流れがゆっくりになるのを感じます。
出典:別所温泉財産区公式 HP
湯上がり後は温泉街を散策しました。
歴史ある旅館や商店が並ぶ街並みは、派手な観光地とは違い、どこか懐かしい空気に包まれています。
この日は曇り空でしたが、むしろ別所温泉にはそのくらいの落ち着いた空模様がよく似合います。




