黒川温泉 の第二駐車場から温泉街の中心までは、歩いて数分ほど🚶
路地へ一歩足を踏み入れると、空気がふっと変わります。
細い路地を進むにつれて、黒川温泉らしい風情が濃くなっていきます。
路地の両脇や川沿いには趣のある旅館やお風呂が並び、木の香りや湯気がそっと漂ってきます。
建物の軒先には提灯が揺れ、温泉街らしい柔らかな灯りが道を照らしてくれます。
歩いていると、路地の途中に小さな足湯が現れました。
湯気がふわりと立ち上り、旅の途中でちょっとひと息つくにはぴったりの場所です。
川のせせらぎを聞きながら足を浸すと、体の芯までじんわり温まっていくようで、思わず長居してしまいそうになります。
さらに下流へ目を向けると、川の上にはライトアップ用の電球がいくつもぶら下がっていました。
夕暮れが近づくと、この電球がぽつぽつと灯り、川面に反射して幻想的な景色をつくり出します。
黒川温泉の夜がゆっくりと始まる合図のようで、どこか胸が高鳴る瞬間です。
そして、このあたりにはカジカガエルの声が響くことでも知られています。
初夏から真夏には、静かに耳を澄ませると、川の流れの向こうから「フーフー」と澄んだ鳴き声が届きます 🐸
温泉街の情緒に自然の音色が重なり、黒川温泉らしい“癒しの音風景”が完成します。
思い返せば、初めて黒川温泉を訪れたのは、もう数十年前のことでした。
当時は、まだ全国的な知名度もそれほど高くなく、徐々に「黒川温泉はいいらしい」と噂が広がり、お客さんが増え始めていた頃。
今よりも人通りは少なく、山里の静けさに包まれた、まさに「秘湯」といった雰囲気が漂っていました。
それから長い年月が流れ、今では全国的に知られる人気の温泉地になりました。
それでも、年末で旅行客が多い時期にもかかわらず、思いのほか混雑しておらず、今回もゆっくりと温泉街を歩くことができました。
「年末なのに、こんなに静かでいいの?」
思わず、そんなつぶやきがこぼれます。
昔の黒川温泉を知っているだけに、今も変わらない山里の静けさや温泉街の風情が残っていることが、なんだか嬉しくなりました。
路地を歩いていると、旅館の趣ある佇まいに、ふわりと漂う湯けむり。
耳を澄ませば田の原川のせせらぎ。
音と風景が重なり合い、歩いているだけなのに、まるで昔話の世界に迷い込んだような気分。
「ここ、本当に温泉街ですよね?」
思わずそんなことをつぶやきたくなる、静かで贅沢なひとときでした☺️






