新緑の季節に訪れた日光は、思考を静かに解きほぐしてくれる場所でした。
そして秋。
同じ日光は、なんだか圧倒そうなくらいの勢いで、こちらに迫ってくるように感じられます。
最初に向かったのは、竜頭の滝。
今回は、上流側から滝を望みました。
流れ落ちる水の先に、中禅寺湖が穏やかに広がっています。
勢いのある流れと、静かにたたずむ湖。
動と静が一つの景色の中に自然に収まり、日光らしい奥行きを感じさせます。
場所を変え、再び竜頭の滝へ。
紅葉に囲まれた滝は、夏とは異なる表情を見せています。
爽快さよりも、重みのある迫力。
水音も低く、周囲の静けさと対照的に響いています。
秋は落ち着いた季節という印象がありますが、
この滝に限っては、季節が変わってもその力強さは変わりません。
色づいた森に囲まれることで、かえって存在感が際立っているようでした。
最後に訪れたのは、湯ノ湖です。
それまでの流れを受け止めるように、湖畔は静かでした。
穏やかな湖面には、山と空がそのまま映り込みます。
風が吹くと、さざ波が立ち、景色にわずかな変化を与えます。
夏に訪れたときは、思考が自然と遠のいていく感覚がありました。
一方、秋の湯ノ湖は静けさが際立ち、自分の内側に意識が向いていくように感じられます。
新緑の日光は、考えることから解放してくれる時間でした。
紅葉の日光は、今の自分の感覚に目を向けさせてくれます。
同じ場所であっても、季節が変われば役割も変わる。
だからこそ、日光は何度訪れても新鮮さを失いません。
次に訪れるとき、どのような表情を見せてくれるのか。
また季節を変えて確かめたいと思います。


