本日もブログにお越しいただき、有り難うございます。
 
日に日に某国の大統領選の結果による
様々な憶測が報道されていますね。
あまり気にしすぎてもいけませんし、
しっかり情報を仕入れておくくらいしか出来ませんね。
 
 
さて、先日Facebookでこんな記事と写真を見つけました。
 
 

たまには、本気で怒ります!
 
兵庫県三木市の整体院N-styleの中野さんです。
 
「本気でお客様と接していますので、
言うべきことは言います。
何も変えたくない、何も努力したくない。
そんな人には、本気で怒ります。」
 
という投稿でした。
 
 
普段はこんな温和な表情の中野さんなのに・・・

写真一番左が中野さん
 
どれだけ中野さんが真剣にお客様に接しているか
よくわかる写真でした。
 
で、なぜこんな人様の写真を使っているのかというと・・・
 
療法士の皆さん。
 
 
患者さんに真剣に怒ることは
出来ていますか?
 
 
患者さんには色々な方がいらっしゃいます。
 
それこそ、疾患も十人十色。
 
その状態もお一人お一人違います。
 
何より、患者さんがそれまで過ごしてこられた
人生自体が、唯一無二のものです。
 
痛みも、症状も、それぞれです。
 
そんな中で、必ずこういう患者さんがいらっしゃいって、
困った経験はありませんか?
 
 
「痛いからもう止めて!!」
 
 
「もうどうせあの世に行くだけやから放っておいて・・・」
 
 
痛みについては、今度NEXTAGEでやるセミナーのテーマでも
ありますが、触り方、動かし方一つで変わることが多いです。
 
しかし、術式やプロトコールによる進め方次第では、
どうしても強烈に痛みを出さざるを得ないこともあります。
 
 
後者の台詞は、高齢者の方であればよく仰る台詞です。
別に手術をしていなくても、病院に限らず施設や在宅でも
聞く可能性が高い台詞ですよね。
 
 
こう言われて、こう答えていないでしょうか。
 
「いや、先生(ドクター)にやれって言われてますから」
 
「そんなに痛くないでしょ」
 
「(あの世に~と言われて)そんなことないですよ。さ、やりますよ」
 
 
よく言う台詞ではないですか?
 
確かにドクターや上司に言われてやっている以上、
痛かろうが、仮にあの世に~と言われても、
ただやるだけ、というのも間違っていないかもしれません。
 
でもそうなると、患者さんとラポールはきちんと形成出来ますか?
 
拒否なく出来るようになりますか?
 
特に後者の「あの世に行くだけやし、放っておいて」と、
人生を既に達観されている患者さんに対して、
無理やりやるのが、正解なのでしょうか。
 
悩みますよね。
 
で、結局適当な介入(拘縮予防という必殺の呪文)しか
しない、なんてことは・・・思い当たる療法士が
少ないとしても、必ずいるはずです。
 
 
では、こんなケースではどうでしょうか。
 
80歳を超えた女性の患者さん。
 
肺の疾患で全治6ヶ月。
 
家族は死別しており、天涯孤独。
 
経済的にも余裕がない。
 
さらに視力がほとんどなく、目の前の人や物の
輪郭しかわからない。
 
何とか平行棒伝い歩き、T字杖腋窩軽介助がギリギリ。
 
そんな方のリハビリテーションで介入している最中に、
「どうせ死ぬねん。放っといてや!」
と言う患者さん。
 
療法士の思考としては以下の感じになったり
しないでしょうか。
 
「高齢やし無理させられんしな・・・」
「家族もいない。本人もそこまで活動性を望んでないしな・・・」
「適当にお茶を濁しとくか・・・」
 
高齢で身寄りも無い、しかも自力では十分に歩けない患者さん。
 
いわゆる「THE PT」ならば、治療対象として見ず、
単なる「拘縮予防」という名目で、介入とも呼べない介入を
するような気がします。
もしくは、適当に平行棒で歩かせて、杖の練習もちょっとして、
という感じになりそうでしょうか。
そして算定期限がきたら即終了、という流れになりそうです。
 
 
ちなみに、このケース。
私が新人の頃に診ていた方です。
 
私はどうしたかと言うと・・・
 
 
私:「放っといてってどうするんですか?!」
 
患:「もう死ぬんや。病院の前の道路に身を投げたるわ!」
 
私:「道路までどうやって行くの?!」
 
患:「どうやってでも行くわ。放っといて!」
 
 
ここまでなら、よくあるやり取りですよね。
 
さて、ここから・・・
 
私:「そっか。良いですよ。但し自力で歩いていってくださいね」
 
患:「あー・・・わかったわ!」
 
で、さらに・・・
ここで、当時そのタイミングで空いていたOT室を借りて、
二人きりで話をすることにしました。
※隣には医事課の部屋があって、壁も薄くてやり取り丸聞こえな環境です
 
私:「死ぬ、死ぬって言うけど、ほんまにそれでいいの?
    どうせなら、やっときたいことないんかいな?」
 
患:「そりゃ、美味いもん食べてからがええわ。寿司とか」
 
私:「ほな、せめて美味いもん食べて、飲んで、ちょっと出掛けたりして。
    死ぬんはそれからでも遅くないでしょう?」
 
患:「・・・」
 
私:「やりたいことあるのに、何で死にたいとか言うたんですか!!!」
 
私:「やりたいことがあるなら、それをやってから、好きにしてください!」
 
 
えー・・・
言葉遣いはともかくとして(苦笑)
 
でも、私は真剣でした。
 
真剣がゆえに、私の本音を証明する言い方をしないといけません。
そこで取り繕ったり、変に丁寧になると、真実味が伝わりません。
 
細かいやり取りを端折っていますが、周りからしたら相当キツイ言い方に
聞こえているはずです。
 
でも、私は周りから注意されようと、関係ないと思っていました。
実際、2つ目に就職していた職場では、よく言葉遣いで注意をされていましたが。
 
でも…

私はこの患者さんを何とかしたい。
 
生きることを諦めさせたらいけない。
 
生きる力を与えられずして、何が理学療法士なのかと。
 
私の介入現場を見たことがある人なら、わかると思いますが、
私はいつだって、大真面目です。
 
丁寧に説明をすることもあります。
他の療法士がやらない、しないような説明を繰り返し、
納得するまで、例え認知症があったとしても、
丁寧に説明します。
 
で、反対に・・・
怒る時は真剣に怒ります。
これまた、例え認知症があろうが、痛みが強かろうが、
人生をまだ諦めなくていい状態なのに、
その場の状況だけで簡単に諦めようとしている
患者さんには全力で怒ります。
 
で、先ほどのケースの方は、その後で
私の前で号泣されました。
 
号泣された後に、こう仰いました。
 
「真剣にここまで怒ってくれたんはアンタだけやー!」
 
その後、何かあれば看護師ではなく、私にあれこれ
相談なり愚痴を、前以上にこぼすようになりました(苦笑)
 
 
真剣だからこそ伝わることがあるはずです。
 
言葉遣いは大切です。
以前書いたことがありますが、療法士はマナーを
知らない人が多いです。言葉遣いも然り。
 
しかし、真剣に、その人のためを最大限に思っていて、
何とかしたい、という想いを伝える時は、
言葉遣いは度外視して良い、と私は思います。
 
マナーを気にし過ぎたその結果、
自分の真意が伝わらず、結果として患者さんに
正しい選択をさせてあげられなかったり、
それこそ生きることを諦めさせてしまうくらいなら、
そんなマナーは一旦なしでいいんですよ。
もちろん、最低限のマナーは守る、
というのが前提です。
 
そしてもう1つ。
 
最初の写真に出した中野さんもきっとそうだと思いますが、
こうやって真剣に怒るのと、
ただ単に負の感情のまま怒る、
では天と地ほどの差がある、ということを
忘れないでください。
 
自分のその日の機嫌がたまたま悪いから、その流れで怒る。
例え内容が患者さんのためだったとしても、
それはきっと患者さんには伝わりません。
 
患者さんの多くは我々より人生の先輩です。
百戦錬磨の達人たちばかりでです。
 
そんな方々に付け焼刃の戦法や、感情に任せた単なる
指摘や指導なぞ通用しません。
 
 
今回ケースとして紹介した方は、その後退院して、
様々な資源を使いつつ、ちゃんと自分なりに自立した
生活を出来るようになったそうです。
※私がその職場を退職した後の話なので、直接確認出来ていません
 
きっと美味い寿司も食べたことでしょう。
 
 
似たようなケースのお話もあるのですが、それはまたいずれ
ご紹介したいと思います。
 
 
皆さん、最後にもう一度問いかけさせていただきますね。
 
患者さんに真剣に怒ることが出来ますか?
 
それくらい真剣にその人、人生を診ていますか?
 
本日もここまでお読みいただき、有り難うございました。
 
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