安倍総理とTPP | ほしゅぶろぐ

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純粋に「日本に生まれてよかったなぁ」という幸せな気持ちを、日本人みんなで共有できればいいなと思ってます。
※決して他国を貶めることを主な目的としてる訳ではありません!(ここ重用)

最近、安倍総理とTPPに関する誤解が多い気がするので
その件について書いてみます。


マスメディアがTPPのメリットデメリットを国民に詳しく説明していない(明らかに意図的)ので

まず、
TPPって何?ということから書きます。

TPPとは
環太平洋の域内で「人・物・金の動きを自由にしよう
もっと直球で言えば「国境を無くそう」ということです。

国家間で交流するときに、
人にはビザ(入国許可証)、物には関税、という障壁が存在するのですが
そんな障壁を取っ払ってもっと自由に交流した方が良いじゃないか」という思想がTPPの根底にあります。
いわゆるグローバリズムという思想です。

上記のことは基礎的な内容なので
みなさんもご存知だと思います。

問題なのは次です。
それらの障壁を取っ払うことが日本の国益に叶うのかという議論をしなければなりません。

そこで僕の視点から、TPPに参加した場合にどのようなことが起こるのかを見てみたいと思います。
障壁がなくなるので、企業は国家間を自由に移動できるようになります。そうなると当然のように、生産条件の良い場所に企業の資本が集中します。
具体的に言えば、日本企業にとっては日本国内で人件費の高い労働者を雇いながら生産活動するよりも、東南アジアで安い人件費の労働者を雇って生産活動した方が安い製品を大量生産することができるということです。
すなわち、多くの日本企業の資本は東南アジアに流出してしまうので
日本国内で日本人の働く場所が減ってしまうということです。

これは企業を経営する側(ごく一部)にとってはとても良いことです。東南アジアの工場で安い製品をバンバン生産して、その安い製品を日本市場で売れば大儲けできます。

しかし、日本人労働者(大多数の国民)にとっては、自分の職場がなくなる、大学生にとっては就職活動がより厳しくなるという深刻な問題です。


そして、それだけではありません。
日本が東南アジアから安い製品を大量に輸入するということは、すなわち物価が下がるということです。
言い方を変えれば、デフレが深刻化するということです。
目先のことだけ考えると、物価が下がるということは良いことのように思えます。
しかし、長い目で見て考えてみるとこのデフレは恐ろしいものです。


例えば、
ある奥様が「10万円のブランド品を買いたいわ」と思ってもデフレのときには物価が下がるので、
3ヶ月後にはもう少し安く買えるかもしれないから今は貯金した方が良い」と思って買い控える。

ある企業が新たな設備投資(土地を買って工場を建てて人を雇うなど)をしたいと思っても、
数年後に価値が下がっては損をしてしまうのではないか」と思って設備投資を行わずに貯金する(これが国内で数兆円と言われる企業の内部留保金)。


日本全国でこのような現象が起こると、お金の流れが停滞してしまいます
これがデフレによる不景気というやつです。


物価が下がるということは短期的には嬉しいように思えますが、長期的には不景気を生み出し、最終的には労働者の給料を下げ、失業率を高めるという結果になります。


ここまで読んでいただければ、
僕がTPPに反対の立場であるということがわかると思います。


よく「TPP反対=農協・医師会」というように単純化されがちですが、
本当は経済的観点からでも「TPPは大多数の日本国民に不利益をもたらす」ということなのです。
(農業や医療や公共事業については別の記事でじっくり書きたいと思いますので今回は省略します)


もちろん
TPPを推奨している人は少数派ではあっても
彼らは富と権力を持つ資産家なので、多方面に圧力をかけることができるのです。
テレビのコメンテーターの圧倒的多数が「TPP賛成」の立場にあるのにも納得ですよね。(失笑)




そして、
もう一つの誤解があります。

それは安倍総理がTPPに参加したがっているかのような報道のせいで
多くの国民が「安倍総理=TPP推進なのかな?」と感じてしまっていることです。

これは安倍総理の側近中の側近である西田昌司議員が何度も仰っていますが
安倍総理はあくまでTPPが日本にとって有害なものだということを認識しています」とのことです。
これは安倍総理自身の過去の言動からも明らかです。


ではなぜ安倍総理は強く「TPP反対」の声明を出さないのだ!
という声が
実は安倍支持派の人の中から漏れ始めています。


これはなぜなのか。
正確に言うと、「TPP反対」の声明を”出さない”のではなくて“出せない”のです。

なぜなら
最初から「TPP反対」と言ってアメリカを突っぱねてしまうと日米同盟が破綻します
みなさんご存知の通り、
現状では日本は日米同盟なしでは自分の国を自分で守ることができないのです。

民主党政権下では「普天間基地移設問題」での鳩山由紀夫氏(当時、総理大臣)の無責任な発言が原因で日米同盟が破綻しました
それ以来、民主党政権が続く間アメリカは日本を軽く扱うようになってしまいました
中国や韓国は「今なら日本に喧嘩を売ってもアメリカ様から文句を言われないだろう」と踏んで挑発行為を繰り返すようになりました。


つまり、
外交交渉の裏には、常に国防安全保障の問題が潜んでいるということを忘れてはいけないのです。
このパワーバランスで日本が不利な立場にあるとき、理不尽な条約を飲まされる危険性が極めて高いのです。


きっと安倍総理は7月の参院選で
憲法改正して自分の国を自分で守れる体制を構築しよう」と多くの国民に必死に呼びかけると思います。
しかし、それまでの数ヶ月間は
厳しい現状を少しでもましな方向に持っていくように安倍総理の交渉力で耐えるしかない。


アメリカ側からの理不尽な要求も飲まなければ国を守って貰えないという状況ですから。
時が来るまでじっと堪えるしかないのです。


万が一、日本がTPPに引きづり込まれるという事態に陥ったときは
それだけ今の日本の国防は危機的状況にあるということだと思います。

日本がこのような理不尽な立場に立たされたのは、別に今回が初めてではないのです。
68年前に敗戦してGHQ支配下で様々な仕組みが作られて以来ずっと日本はアメリカのご機嫌を伺ってきました。

だからこそ僕は、
今回は日本が完全に不利な立場に立たされているということを理解した上で、安倍総理がどうやって日本の国益を守ってくれるのかを見守りたいです。


僕は、安倍自民党総裁が選挙で掲げた政策(マニュフェスト)というよりも、
むしろ安倍晋三という政治家の志、理念、そして日本の歴史を重んじ伝統・文化を愛する心を信頼しています!



まだまだこの件については書きたいことが沢山あるのですが、
一度にあれもこれも書き過ぎると訳が分からなくなりそうなので
今回はこの辺でやめておきます。


共感してくださった方のコメントも大歓迎なのですが、
僕の考え方に疑問を持った人や反対の意見がある人にも是非コメントして頂きたいです。色んな方と意見交換することによって僕自身の理解もより深まると思うので。

色んな方と建設的な議論が出来たら良いなー、と思っております。


TPP“交渉”参加とTPP参加は別なのでその辺は混同しないようにしてください。