焼岳の山頂ドーム単独の人もありグループの人もあり...と
前回は、単独行と複数(グループ)行について比較しました。その最後に出しだ図が下記です。
さて、今回は登山に関して作られるグループについてですが...
- カップル 友人 2人
- 3人以上の当登山以外に接点がある仲間(山岳会、山岳部などのサークル 部活、町内会、仲の良い友人同士)
- 当登山がきっかけでできたグループ(山で出会ってご一緒しましょうのグループ)インターネットの募集サイトで知り合ったグループ。
- ツアー業者の募集で集まったグループ。
これらの集まりで上図のプロセスを考えてみましょう。
- 目標設定ですが、大きな目標はできています。
普通は〇〇山に登る でしょう。しかし、そのためには細分化された目標が必要になってきます。
①コースタイム 速い 普通 標準 どこでどのくらいの時間休憩するか
②①はグループ内メンバーの力量も考慮されます。
- 組織化は、ただ人が集まっただけでは支離滅裂になりますので
①リーダーの決定(サブリーダーなども)
②分担の決定(装備品のうち共同で持っていってよいものは分担しますね)そのほか、交通機関の予約係や宿泊の予約なども分担します。
- 管理は、組織としての活動は常に管理されていなくてはならないということです。
①1.2で決められた内容をきちんと実行できる。そして、実際の山行が始まってからも組織としての動きを乱すような行為が出ないように管理する。
例えば、分岐点で、左へ行く予定だけど右へ行った方が早いよ!とリーダーでもないメンバーが言い出して、コンセンサスもできないまま組織をそっちに引っ張って行ってしまうとか。
②山小屋内で打ち合わせをするときなども、きちんと時間と出席者、場所を守る
- 情報伝達では、どのように情報を伝達するかです。
組織として一緒に動くのだから口伝えでいいじゃん...というわけにはいかないことも。
3にありましたように代表者がミーティングで出席する場合は出席したメンバーが出席してないメンバーに伝達する方法なども大切になります。
例えば、学校の修学旅行での登山、諸外国のツアー会社が募集した登山では恐ろしいくらいのメンバー数が移動したりしますので。
どうでしょうか...
前ブログに、グループ登山では遭難が起きたときは多数名が遭難して大きな事故になる。
と記されていますが、過去の吾妻山などの遭難事例を見ても、リーダーの判断ミス、リーダーの指示ミスが原因となっていますが、実際問題として登山のすべてをリーダーにまかせっきりになっているのが原因に思えます。
- 新幹線の切符が手配されておらず次の新幹線になった。
- 登山口のスキー場までスキーを積めるタクシーが無く、マイクロバスをチャーターした。
- 設備が整った慶応山荘に行かず、貸し切りで宴会をすることを優先したリーダーの避難小屋での夜明かしという計画にだれも異論を唱えなかった
詳しくは下の動画をご覧ください。
この動画では、登山計画書を出さず、アプローチの段取りの悪さ、天候を確認しなかった...
という顕在化した失敗を取り上げて、その結果がどうなったかを解説しています。
7人も居てなんで遭難死するの?と思いませんか...
そうなんです。前ブログで解説した
顕在化していない(非顕在化した)失敗が根底にあります。
これはいうなれば、氷山の水面上に出ている部分(顕在化した失敗)と水中に浮かぶ部分(潜在化した失敗)のようなものです。
そして、さらに広げて考えていくと 単独行では組織の問題がないから安全か?というとそうではありません。
組織ってなんでしょうか?会社、学校、家庭、同好会、インターネットのSNSなどの友達、フォロワーなども含めて組織なのです。大きく言えば地球上の人間全員、日本人全員なども組織であり、その中で知らぬうちに影響を受けているのは否定できない事実です。