オリンピックで予選を勝ちぬいて本戦出場をかなえる。

実力が拮抗する競技での疲労について、
肉体のつかれだけではなく、
むしろ脳髄の消耗について、
物すことがすくなすぎやしないだろうか。

球技種目でオリンピック本戦出場をかなえた国。
主催のフランスのつぎはニッポンであるそうな。

さきのオリンピック予選。
女子バレーボール ネイションズリーグ
パリオリンピックへの出場がきまっている国の主力選手が出場しなかった。
やすませるためだときいた。

出つづけるべき。
試合勘というのがあって、
そこがおろそかになるのではないか、
なぞと、
わたくしは勝手に想像した。
が、
本番での動作をみて納得せざるをえなかった。

球技種目でのオリンピック出場はむずかしく、
アジア予選で負けることをくりかえしてきた。
それが昨今、
予選を勝ちぬけるようになってきた。
予選は死闘。
そこをしのぐことでめいっぱいである。

予選を勝ちぬく経験をくりかえす(男女サッカー)ことで、
疲労のあらわれかたはちがったかたちになるだろう。

本番の試合をみて感じるのは、
ニッポン選手諸氏のくたびれ加減である。
そうとうに疲れている。
まさに、
精彩をかく。

問題は、
ご本人は疲れているとの認識がないことである。

今後必要なのは、
やすみかたの本義についての整理。
なぜやすまなければならないのか。
どのようにやすむべきなのか。

ワーカホリックといわれてきたニッポン。
現状はかなりちがってきているとはおもうけれども、
ずるやすみ
このことばに象徴される、
やすむことへの抵抗感は、
いまだ根づよい。

ひとはなぜやすまなければならないのか。
俎上にのせて議論すべき好機である。

パリ2024オリンピック
サッカー男子 準々決勝
8/2日 U23日本0-3U23スペイン

前半11分、
フェルミン(バルセロナ)ロペスにミドルをきめられた。

このときのニッポンチームの陣をみるがいい。
7/27日 マリ戦でわたくしが指摘した弱点の場面とおなじである。

後半28分、
フェルミン(バルセロナ)ロペスに再度ミドルできめられた。
これもまたおなじような局面できめられた。

わたくしが指摘した弱点を、
スペインチームは好機到来と分析。
ミドルをうつべし。
事前に確認する。
で、
ミドルの上手な選手を配置し準備させておく。

いっぽうのニッポンチーム。
あぶない局面であるにもかかわらず、
それでもなおゾーンディフェンスに拘泥したのか。

これは選手の失策というよりも、
むしろ頭数(あたまかず)をそろえておきながら、
試合について、
いったいなにを、
どのように分析しているのか。
ずるずるとさがるのを注意喚起すればことたりる。
にもかかわらず。
危機を放置した、
コーチ他スタッフの無策、
といわざるをえない。

パリ2024オリンピック
サッカー男子 グループステージ
グループD
7/27 U23日本1-0U23マリ

6/14 いつ、がんばるのか
女子バレーについて書いた。

 

 

バレーボール ネーションズリーグ カナダ戦である。
重要な場面で、
ずるずると後退するニッポンチームをみて、
「空気」をおびた組織の弱点について述べた。

7/27 オリンピックサッカー マリ戦でもおなじような状況をかいまみた。
試合はアディショナルタイムにはいりかけた。
そのときのU23ジャパンの陣をみてみるといい。
全員が自陣に引いている。
まもりにはいっているのだろう。
だが、
それは、
相手チームの攻撃をよびおこす行為でしかない。
そのことに、
だれもきづいていない。
ずるずると後退するイメージ。
この空気こそが問題なのである。

だれかが、
めをさまし、
攻めのディフェンスへスイッチをいれればすむ。
そのときこそ、
がんばるときなのである。

人員をかけてまもりきる発想は凡庸でしかなく、
積極的に相手陣地でボールを奪取しにいく。
その展開こそ、
サッカー強国といわれる国々のたたかいかたではあるまいか。

コパアメリカ2024での、
コロンビア対ブラジル戦、
ウルグアイ対ブラジル戦、
コロンビア、ウルグアイの選手たちは、
これを試合中つづけた。

まもるとは、
ゴールへのパスをさせないことである。

パリ2024オリンピック
7/27 バスケットボール男子1次リーグB組
ドイツ97-77日本

ニッポンチームが世界と伍してたたかうためには、
NBAで活躍する選手がすくなくとも3人。
そうしてはじめてジャイアントキリングは可能になる。
いまのままでは無理だろう。

八村(レイカーズ)塁選手、ジョシュ(渋谷)ホーキンソン選手、渡邊雄太選手、につづく、
Bリーグの選手諸君の奮闘、
レベルアップがないかぎり期待してはいけない。
この差はおもいのほか大きかった。

河村勇輝選手とて、
連携のとれていない、
一見すると身勝手な判断をくりかえしているようにみえる。
Bリーグではそれで通用したのかもしれない。
が、NBAでは、セレクションの段階でつかわれなくなるだろう。
それはケアレスミスであり、
くりかえしてはならない安易な失策でしかない。
あってはならない選択だからである。

試合中、
河村勇輝選手がミスをする。
そのボールをうばったドイツチームはあっさりと得点した。
馬場雄大選手が判断でミスをする。
そのボールでドイツチームはきっちりと加点する。
これだけで、
4点差になる。

その結果の20点差である。
決定的な差である。

パリ オリンピック サッカー 女子1次リーグ
7/25 スペイン2-1日本

FIFAワールドカップ オーストラリア&ニュージーランド 2023
スペイン0-4日本
雪辱に燃えるスペイン。
パス、トラップの精度はいちだんとあがっているようにおもえる。
で、
対する、
なでしこジャパン。

CONMEBOLコパアメリカ USA2024
7/2 グループD ブラジル1-1コロンビア
7/6 準決勝ウルグアイ0-0(PK4-2)ブラジル
ここにひとつのこたえがある。
個人技にまさる選手がおおいのならば、
その個人技を披露するまえに、
ちかづき、
おもうようにさせない、
それだけのことを励行する、
ということである。

この日のなでしこジャパンには工夫はかんじなかった。
前半2分。
相手ミスパスから藤野あおば選手がシュートをはなつ。
藤野あおば選手がはなったのが、
ゴールへのパスであったなら、
得点になっていたのではあるまいか。
藤野あおば選手はシュートをはなったのであり、
ゴールへのパスという意識でいどまなかった、
ということである。
残念である。

スペインチームは、
まさにパスサッカー。
精確で速い。
もちろんゴールへはなつのはシュートではない。
パスである。

  COPA AMERICA2024 USA
  ブラジル敗退の理由

ブラジルがよわくなったのではない。
ほかのチームがより綿密に戦略をたててきた、
そういうことではないだろうか。

コシヒカリの牙城がくずれ、
品種が多様化し、
それぞれがレベルをあげる。
おこめとおなじような変化がおきているのだろう。
コシヒカリじたいの質はけっしておちてはいない。

ブラジルチームは個人の能力がずばぬけていることは、
クラブチームでの活躍をみれば一目瞭然である。
であれば、
かれらの得意を発揮する、
そのまえの芽をつぶす。
それしかないじゃないか。

COPA AMERICA2024 USAで、
ブラジルと対戦し、
めをみはるたたかいをみせてくれたチーム。
そのヘッドコーチがアルゼンチン出身であるという事実。
それもあるだろう。

ブラジルといういただきが高ければ高いほど、
そこをめざし、
研磨する。
それぞれが高みを経験し、
矜持(きょうじ)をもつ。

ただ、
それが、
うぬぼれにならないように、
留意しなければならないだろう。

  苦戦のブラジル COPA AMERICA2024 USA

 

GroupD

7/3日 ブラジル1-1コロンビア

 

UEFA EURO2024 ドイツ大会の

スコットランド1-1スイス戦は、

スコットランドの健闘がひかっていてみごたえがあった。

が、

それよりも、

すさまじく、

おもしろかったのがこの試合。

 

南アメリカにおいて、

ブラジルとたたかうことは、

まるで宗教儀式であるがごとく、

きびしい試合になる。

 

コロンビアは、

狩をしているかのように、

ブラジルのボールをうばおうとする。

ブラジルも負けじとうばわれまいとする。

そのせめぎあいのすごさ。

 

サッカーではないよ、

といわれても、

そうかもしれない。

首肯せざるをえない。

 

おもしろかったのはいうまでもない。

 

かれらは世界でもまれなる名優なのである。

ピッチにはいるとスイッチがはいる。

千両役者である。

 

わたくしは、

ただ、

口をあんぐりとして、

みとれていた。

 

 

 

UEFA EURO2024 ドイツ

7/1日 Round16

ポルトガル0-0スロベニア

    (3 PK 0)

 

これはかいかぶりだろうか。

クリスティアノ(アルナスル)ロナウド選手をみていると、

フランスやイギリスのみならず、

欧米にはノブレス・オブリジュがいきづいていることをおもいしらされる。

noblesse oblige

noblesse 貴族

obliger 義務を負わせる

財力、権力、社会的地位をたもつためには責任がともなう。

身分のたかいひとはそれに応じて果たさなければならない責任と義務がある。

 

延長前半、

ディエゴ(リヴァプール)ジョッタの強引ではあるけれど、

ゴールへと勇敢にいどんだその結果得たペナルティキック。

クリスティアノ・ロナウドは仁王立ち。

ゴール右隅へ蹴った。

が、

ヤン(アトレティコマドリ)オブラクの好守にあう。

 

延長後半、

ペペ(ポルト)もまた肝を冷やしたにちがいない。

 

試合はおわった。

落胆し、

なみだをうかべているかのようなクリスティアノ・ロナウドに、

同僚たちがかわるがわることばをかける。

 

勝敗はペナルティキック合戦。

先攻、

ヨシップ(マリボル)イリチッチ

ディエゴ(ポルト)コスタの好守にあう。

後攻。

クリスティアノ・ロナウド。

鼻でおおきくいきをする。

左隅。

ボールはすいこまれるようであった。

 

ゴールをきめて、

クリスティアノ・ロナウドはちいさく手をあわせ、

すこしはにかみながら声援にこたえ、感謝する。

 

そのすがた。

まさにサッカーが大好きな少年のようであった。

 

 

 

CONMEBOL COPA AMERICA2024 USA

GroupD 6/29日

パラグアイ1-4ブラジル

 

この試合、

ルーカス・パケタ選手がペナルティキックをはずすまで、

ブラジルにはにがにがしい雰囲気がただよっていた。

おどろいたことに、

ルーカス(ウエストハム) パケタ選手は、

PKのさい、

ボールをみていない。

ハメス(サンパウロ)ロドリゲス選手がおなじようにボールをみないで蹴ったのをみたとき、

わたくしは勝手な解釈でそれをよしとした。

つまり、

とまっているボールを蹴るのだから、

いいのではないか、と。

 

いま、おもう。

ボールをみて蹴る。

基本にたちかえるべきである。

 

ブラジルはワールドカップ予選でも苦戦をしいられている。

COPA AMERICA2024 USA初戦の対コスタリカでも、

攻撃は単調。

ヴィニシウス(レアルマドリ)ジュニオール選手まかせ、

ロドリゴ(レアルマドリ)選手まかせの一発勝負をくりかえす。

たしかにすごい才能なのだけれど、

相手チームとて対策はしてくる。

きたきた、

ほくそ笑むにちがいない。

 

ヴィニシウス・ジュニオール選手をワントップでつかってみればいいとおもう。

アリエン(オランダ)ロッベンのように、

アタッキングサードをかれにまかせてしまう。

ヴィニシウス・ジュニオール選手のじゃまをしない。

ヴィニシウス・ジュニオール選手をおぎなう。

ヴィニシウス・ジュニオール選手をたすける。

それに専念する。

 

もしくは、

ヴィニシウス・ジュニオール選手がおとりとなって動く。

そのアイディアをためす。

 

得点し、

首尾よくいけば、

やりたい放題にもどせばいいわけだ。

 

UEFA EURO2024 ドイツ

6/14日 ドイツ5-1スコットランド

 

スコットランドはやっぱりかなわないのか。

チャンピオンズリーグでも、

セルティックがグループリーグに出場するのが精一杯。

そうおもっていた。

EURO2024にでるだけでもすごいことなのかもしれない。

 

6/19日 スコットランド1-1スイス

この試合をみて、

スコットランドチームにほれた。

 

3人のフォワードは前線からスイスチームをおいこむ。

すると、

2列目、3列目が敵陣地にせめこんだ。

忠実に、

あくことなく、

かれらはくりかえす。

 

結果は引分けた。

 

試合終了の笛がなる。

スコットランド スティーブ クラーク監督がちいさなガッツポーズ。

おみごと。

わたくしはこころのなかでつぶやいた。

 

いいチームである。

わたくしはいっきにスコットランドチームがすきになった。

 

数日後、

J2 JEF千葉の試合をみた。

ボールあつかいが稚拙であること。

そこにつきる。

正確な捕球。

精確な配球。

パスのスピード。

決定的にかけている。

 

こまごまとしたシステムでも、

フォーメーションでもなく、

ただ、

正確な捕球、

精確な配球、

これができる。

ならば、

スコットランドへの移籍とて可能である。

そんなチャンスにだれもきづいていないかのよう。

なんともったいないことであろうか。