シカゴで大型二輪免許を昼休みの時間に取ったほそみちです。

帰国してから知り合った日本の大型バイカー達にこの話をすると嘘やろ❕と言われるのですが、それは実際に私自身が経験したことです。

 

そして大型二輪は$10(1400円)だけの費用です。

滋賀では守山に免許センターがあるのですが、筆記試験でも実地試験でも落ちたらもう一度試験料金を払いますが、シカゴでは一回だけ$10を払えば何度試験に落ちても合格するまでお金は要りません。

 

私が車と免許を取ったのはシカゴ郊外にあるSchaumburg市のDMV(Department of Motor Vehicles、免許センター)でした。

 

【SchaumburgのDMVのオフィス】

 

アメリカの大型バイクの試験、絶対に笑いますよ❕

 

SchaumburgのDMVのオフィスの裏の駐車場に白線が引いてあるだけです。

 

【オフィスの裏のバイクテスト場】 以下の写真のバイクは私がシカゴで乗っていたHONDAの大型バイクです。

 

$10を払って大型バイクの免許を試験を申し込むと受付で問題用紙をくれます。

その問題用紙を貰うと受付の横にある場所で勝手に問題用紙に答えを書き込みます。

時間制限はありません。

所要時間は10分~15分ぐらいですかね。

 

25年前のことですので、今でもあるかどうかは判りませんが、DMVに行くと無料で貰える参考本がありますので、その中に載っている問題を事前に一度でもやっておけば誰でも合格します。

馬鹿な嫁さんでも一発合格でしたからね。笑

殆どが標識の問題なので、日本の運転免許を持っている人は普通は一発で合格するでしょう。

 
出題された問題の中にはちゃんとその参考本の問題をやっておかなければ日本人には正解が判らないものもありましたね。

4択の問題でした。

 
1.お酒を飲んだ後はバイクを運転することは出来ない。

2.お酒を飲んだ後は近い距離ならバイクを運転しても良い。

3.適量なお酒なら、飲んだ後にバイクを運転しても良い。

4.お酒に強い者ならいくらお酒を飲んでもバイクを運転できる。

 

どれが正解だと思います❓

 

正解は3番、”適量なお酒なら、飲んだ後にバイクを運転しても良い”です。

 

運転できるワインやビールの量が示されています。

また少々多く飲んでも時間が経てばOKです。

アメリカでは警官に寄ってまちまちですが、私の22年間の経験から言うと、白線をしっかり真っすぐ歩けば普通はそれでOKです。

測定器で息の中のアルコールを検査されるのは白線を真っすぐ歩けない場合ですね。

同僚達とステーキなどを食べに行ってワインの一杯も飲まなかった奴は一人もいませんよ。笑

 

書き込んだ問題用紙を受付に渡すと受付の方がその場で直ぐに採点をしてくれ、合格票を渡してくれますので、実地テストを受ける場所に自分のバイクを持ってきます。

 

実地テストを受ける唯一の条件は自分が乗ってきたバイクに保険がかかっているかどうかだけです。

つまりシカゴでバイクの免許を取るのは先にバイクを買って、保険に入ってからというのが一般的です。

 

筆記テストを合格すれば路上でバイクを運転することができます。

基本的には3年以上バイクの免許を持っている人と一緒に走らなければならないですが、そんな真面目に規則を守っている人はシカゴでは誰もいないと思います。笑

 

SchaumburgのDMVのバイクの実地テスト、日本人なら笑いますよ

 

バイクの実地テストは4回駐車場を走るだけ。

一回目は単に白線の四角を普通に走るだけ。

二回目はスラロームを走るだけ。

三回目は急制動。

四回目はObstacle Swerve(障害物回避)と呼ばれるテストで、要領は急制動と同じですがあるが、停止線の次にある白線を完全によけ、指定範囲内にバイクを停止させます。

急に目の前に人が飛び出して来た時に避けらるかどうかのテストです。

 

ハッキリ言って、よほど下手な者でない限り、誰でも一発で合格するものです。

テスト時間は20分もかからなかったと思います。

駐車場に引かれた白線の中を4度回るだけですからね。

 

 

125㏄の排気量以上であれば大型バイクの免許を貰えます。

デカいハーレーを買った奴でもレンタルバイク屋で125㏄のバイクを借りて、ちゃんとその日に有効な保険に入ってテストを受ければそれでOKです。

 

実地テスト自体は20分ほどでも並ばなければならないのです。

私が大型バイクの免許を取ったのは確か4月初旬だったと記憶していますが、シカゴの4月はまだまだ寒く、バイクに乗れる季節ではありません。

こんな時期にバイクの免許を取る奴なんかいないだろうと思っていたら、私の前に2人いました。

温かくなった5月なら半日ぐらい待たされるかもしれません。

 

因みに私の実地テストは満点でした。笑

 

新しい免許証を貰うまで更に待たなければならなかったので、昼休みの1時間では終わりませんでしたが、二時間ほどで済みましたね。

シカゴの冬はマイナス15でも珍しくないのですが、1月や2月に試験を受ける根性があるなら恐らく1時間以内で大型バイクの免許を取れるでしょう。

 

アメリカでバイクの免許を取るのは滅茶苦茶簡単ですが、免許を取った後の自己責任はキッチリ追及されることを言っておきます。
 
シカゴのバイク仲間だったGeorgeの話では、立ちゴケして、自分のバイクを引き起こすことが出来ず、周りの交通妨害を引き起こしたら、下手すりゃ逮捕されて留置所に入れられるのかシカゴだと言います。
22年間のシカゴ生活で自分のバイクを引き起こせない奴に誰一人出会ったことがないので、私はそれが真実かどうかは言えませんが、少なくとも事故した時に保険からは満額出なくなる可能性があることはジャズ仲間だった保険屋さんから直接聞きました。
 
前述した様にアメリカでは簡単に大型二輪の免許は取得できますが、自分がコントロールできるバイクを運転するという宣誓をして免許を貰っていますので、自分のバイクを引き起こせないような重い大きなバイクを運転することは危険行為とみなされるのです。
 
以前の日記に書きましたが、シカゴではSIZIKIのはバイカー達に一目置かれるバイクでした。
シカゴのハイウェイでこのバイクに速さで勝てるバイクはありませんでした。
Andyと私はそのバイクを買う約束をしていたのですが、Andyだけがを買い、帰国後に私は裏切ってハーレーを買いました。笑
 
恐らくGeorgeはAndyや私よりもを欲しがっていたのですが、彼は泣く泣く諦めたのです。
Georgeは私の嫁さんよりも背が低く、足が短い彼はに跨った時に両足が地面に着かないのです。
彼は以下の写真をWhatUpで送ってきましたが、写真では右足のつま先が地面に着いているものの、左足は完全に浮いていたことをAndyから聞きましたよ。笑
 

 
Georgeはバイクの運転が上手なので、片足のつま先しか着かないであっても十分に乗りこなせるのは間違いないのですが、問題は事故に巻き込まれた時です。
たとえこちらが100%悪くなくても両足が地面に着かないバイクを運転していたことは警察や保険屋さんにとっては危険行為とみなされるのです。
 
相手が少しでも怪我をすれば簡易裁判になりますが、両足が地面にちゃんと着かないバイクを運転していたことは事故の原因が何であれ、非常に不利になります。
バイク保険にしても、自分がちゃんとコントロールできるバイクに乗るという条件で契約をしていますので、その条件に違反したバイクに乗って事故すれば無制限の保険に入っていても満額出してくれるとは限らないことをその保険屋さんから聞きました。
 
両足がちゃんと地面に着く身の丈に合ったバイクに乗っていれば事故は発生しなかったと判断されてしまうのはある意味で正解かもしれません。
自分で引き起こせない重い大きなバイクを運転していて、事故に巻き込まれた時に、事故の相手は自分の身の丈に合ったバイクに乗っていればその事故を回避できたのではないかと主張してきますので、裁判では非常に不利になります。
 
Georgeがに乗るのを諦めたのは事故に遭った時に裁判や保険で不利になってしまうという理由だけでなく、自分が逆の立場だったら許せないからだと言います。
Georgeには3人の成人した娘がおり、何人もの孫がいるのですが、その孫が赤信号で飛び出してバイクに轢かれてしまった場合でも、そのバイクの運転者が両足が地面に着かないバイクに乗っていたら、いくら孫の飛び出しが悪いと判っていてもそのライダーを許すことができないと言います。
もしそのライダーが身の丈に合っているバイクに乗っていたらその事故は避けられたのではないかとどうしてもそんな風に思ってしまうからだと言います。
 
Georgeは自分がされたくないことは絶対に他人にしたくないと言います。
彼も片足のつま先しか着かないであっても十分に乗りこなせる自信はあると言いますが、片足しか着かないバイクは明らかにGeorgeには適さないバイクであることは事実ですからね。
 
年末にGeorgeと話した後に私はE君に謝りたい気分になりました。
E君もGeorgeと同じぐらいの背丈であり、私の嫁さんよりも低いかもしれません。
去年私はE君が350㏄のハーレーを買うことに賛成しないようなことを話しました。
E君には1000㏄以上の一般的なハーレーを乗って欲しかったのです。
 
しかし30年ぶりのリターンライダーの彼には私のFourty-Eightというハーレーの中で小さなバイクであっても重すぎて取り回しができませんでした。
それは慣れだよ❕と私は何度も言いましたが、彼は自分がコントロールできるバイクを選んだことは立派なことだと私は気付きました。
 
そして350㏄のハーレーでも立派なハーレーなんです。
 
年末年始にバイクのことをよく考えてみたのですが、日本でバイクを走らせるのに400㏄までの中型バイクで十分だと思います。
私の1200㏄のFourty-Eightでも5速に入れることは滅多にありません。
80㎞でも5速に入れるのは早すぎるのです。
増して、滋賀の山道を走るには三速までで十分ですよ。笑
 
ハーレーの中で小さな私のFourty-Eightというバイクでも、Fourty-Eightのバイクの性能を十分に発揮できる道は日本では北海道ぐらいだと思います。
シカゴで散々バイクをぶっ飛ばしていた私はそれがよく判るのです。
 
日本では120㎞で走れる高速道路が最高速度ですよ。
シカコ郊外のトウモロコシ畑にある道にはパトカーが全くいなく、信号もなく、真っすぐな道が地平線まで続いているのです。
こんな道で制限速度を守る奴もいないし、そもそも制限速度の標識さえありません。笑
 
我々は何時間も真っすぐな道を140㎞辺りの速度で走っていたのですが、それには排気量の大きい大型バイクでなければ疲れてしまいます。笑
我々を200㎞ぐらいの速度でぶっちぎって行ったのがSUZIKIの隼でした。
 
ハーレーというバイクはアメリカの広大な大地を走る為に作られたのであって、日本の様にちょっと走ったら信号で止まる繰り返しの走りではハーレーというバイクの良さを十分に楽しめないことが実際に乗ってみてよーく判りましたよ。
 
 
そういったアジアの交通事情に適応するためにハーレー社は350ccという中型免許で乗れるバイクをアジア限定で発売したのでしょう。
E君も私もそうですが、バイク乗りは人生で一度はハーレーに乗りたいと思う人は多いです。
しかしこれまでは日本で走らせるにはバイクが重過ぎるし、大き過ぎるので、諦めていた人も多かったのです。
 
正直言って、22年間シカゴで住んでいた私にはアメリカではどういう体格の者がハーレーに乗っているかは良く判っています。
申し訳ないけど、身長が160㎝で体重が50㎏以下の嫁さんのような人が一般的な馬鹿デカいハーレーをちゃんと安全に運転できるとは思いません。
E君が言った様に、X350に嫁さんが跨っていてもハーレーの中で一番軽い私のFourty-Eightの方が重いのですかね。
 
195㎏という200㎏を下回ったX350は日本人の体格をよく考慮して作られており、人生で一度はハーレーに乗りたいという夢を叶えてくれるものです。
そして350ccのX350と私の1200㏄のFourty-Eightは大きさが殆ど同じなのです。
 
X350の全長は2110mm、Fourty-Eightは2165mm、Fourty-Eightの方がたったの5㎝ほど大きいだけであり、一緒に並べれば大きさの違いに気付く人はいないでしょうね。
エンジンの排気量が違うので、その分が54㎏重いだけです。
 

前述した様に日本で走れる最高速度が120㎞なので、 X350には何ら問題がないのです。

見た目が私の1200㏄のハーレーと同じで大きさであるのは中型バイクで乗れるハーレーという劣等感を全く感じさせないバイクですよ。
 
勿論、X350は空冷V-TWINというハーレー独特のエンジンの味はしませんが、そんな些細なことよりも、還暦を超えたオッサンがバイクに乗り続けられるということが一番大事なのです。

私はE君にハーレーを乗るなら大型バイクの免許でないと乗れないバイクを勧めてしまいましたが、E君もGeorgeと同じで、少しでも自分が完全にコントロールできない要素があるバイクには絶対に乗らないという人間の基本的な道徳を私は忘れていました。

 
そしてバイクと言う乗り物は自分がどれだけ思い通りにコントロールするかで面白さが決まるものなので、E君が自分の体格に合わない大きいバイクを運転しても運転が楽しくなる筈がありません。
そんなバイクの基本的なことを忘れていた私は傲慢になっていたのかもしれません。
今の私はあんな傲慢なことを言ってしまったE君に謝りたい気分で一杯です。
 
これはバイクだけに限ったことではないかもしれません。
今から考えれば、私が働いていたシカゴの企業も大き過ぎたような気がします。
バイクの楽しさは排気量や大きさやブランドで決まるものではなく、会社も大きさや給料やブランドで自分が活かせる職場だと決まるものではないですからね。笑