7/15、第2回定例会の最終日でした。
本会議に先立っての議員協議会で報告事項がありましたので、概要を記載します。
また、議員協議会の最後に、区議のSNS上の発信で請願者が恐怖を覚えるようなことがあったいうことについて、議長から発言がありました。このことも記載します。

〈報告事項〉
1.新型コロナウイルス感染症に対応した区政運営の取組方針
2.「豊島区方式」による感染拡大防止対策について
3.「コロナに負けるな!豊島」医療・福祉支援寄附金の状況

【報告1.新型コロナウイルス感染症に対応した区政運営の取組方針】
コロナをこえて「国際アート・カルチャー都市」を実現するために、というテーマを掲げての取組み方針が示されました.

方針1.SDGsの視点を踏まえた、国際アート・カルチャー都市への力強い推進
・国際アート・カルチャー都市のさらなる発展、SDGsを実現するための施策展開
・池袋駅周辺の4公園を核にした、まちづくり

方針2.緊急事態にも対応できる持続可能な財政運営
⑴感染症を抑え込み、区民の命を守るための取り組み
⑵大幅な歳入減と対策財源の確保
⑶感染症との戦いの長期化も想定した財政運営
⑷一般行政経費の見直し
⑸区有施設の整備等の見直し検討

◆区歳入について
これまでも景気変動により区の歳入は大きく影響を受けてきました。
・バブル崩壊時には、財政調整交付金がH5−6で△79.3億円、区民税がH4−5で△20億円、H5−6で△39.2億円など。
・アジア金融危機には、区民税がH9−10で△13.6億円、H10−11で△14.8億円
・ITバブル崩壊時には、財政調整交付金がH13−14で△30.6億円
・平成20年9月のリーマンショック時には、財政調整交付金がH20−21で△39.1億円、区民税がH21−22で△15億円

今回の新型コロナの影響は、リーマンショック時を超えると言われています。
リーマンショック時には上記のように、H 19年度と比較するとH21年度で55億円程度の影響があった計算となります(財政調整交付金はH21年度も、前年比で△39.1億円となったH20年度並み)。
今定例会の私の一般質問でも取り上げましたが、歳入が大きく落ち込むことを見通し、財政運営を考えていく必要があります。
今後も持続可能な財政運営と、コロナ対策の両立を図れるよう、注視していきます。

◆⑸区有施設の整備等の見直し検討
・施設建設事業、大規模改修事業を見直しの対象
・安全確保や維持管理の最小限の改修を行う、施設改修事業については見直し対象外
・第3回定例会で、改めて見直しの素案が報告される予定

施設建設事業  建築…12事業、土木…14事業
大規模改修事業 11事業
施設改修事業  対象外

方針3.感染拡大の防止と地域社会経済活動の両立
⑴区民に寄り添った相談体制の確保
・区民の相談を受け止める体制
・虐待、DV相談を受け止める体制 等
⑵感染拡大の防止
・保健所対応能力の強化、PCRセンターの活用
⑶セーフティネットの充実
・生活困窮者への住宅確保・融資支援 等
⑷事業者への支援
・中小企業者への資金繰り融資、事業再開の支援
・介護・障害者(児)事業者への給付支援 等
⑸感染拡大によって明らかになった課題への調整
・感染症を踏まえた災害時避難体制の確保
・行政手続きのスマート化
・ICTの積極的な活用 等

【報告2.「豊島区方式」による感染拡大防止対策について】
「接待を伴う飲食店等」、いわゆる“夜の街“に関連する感染者が多くを占めます。
本区において、6月下旬以降、ホストクラブを中心にしたクラスターが発生し、感染者増が見られます。そのため、本区では当該区内事業者、地域団体、関係団体、東京都等と連携し、スピード感を持って感染拡大防止対策を推進していく、という趣旨で対策を組み立てています。

・6/22以降に豊島区民の感染者数が急増、そのうち約3割がいわゆる“夜の街“関連
(6/22ー7/12で142名、うち46名が“夜の街“)
・いわゆる“夜の街“ではない方々が多い。経路不明者も一定数いるが不明者が増えている訳ではない。接待を伴わない飲食店も含まれている。

◆「緊急 池袋繁華街 新型コロナウイルス感染防止大会」の開催
・7/3に急遽開催した大会。先日のblogに概要は記載しています
⇒blog「緊急池袋繁華街 新型コロナウイルス感染防止大会


◆具体的な取組み
1.クラスターの発生が懸念される事業者向けの対応
⑴積極的なPCR検査の受診勧奨
・ホストクラブを対象とし、感染者が発生していない店舗も含めた全従業員(9店舗、100人程度)に対して、PCR検査の受診を勧奨し、7/15迄に実施。
・キャバクラについても協力要請を開始

⑵休業協力金の支給
・当検査に伴い、クラスターが発生したと判明した店舗に対し、本区が休業の協力要請
・休業の協力要請に従い、一定期間休業を行なった店舗に対し、1店舗当たり50万円の休業協力金を支給

2.感染防止対策の取組み
⑴豊島区感染拡大防止対策推進登録制度「ななま〜る」7つの宣言
・店舗等において「ななま〜る」7つの宣言に沿った感染拡大防止の取組みを実施することを呼び掛け(この制度への登録が、PCR検査の無料受診の条件となる)
⇒区HP「『ななま〜る』7つの宣言 〜豊島区感染拡大防止対策推進登録制度


・「ななま〜る」7つの宣言を全て満たすのが難しい、という意見もある。
⇒業態に合った形で検討したいので、個別相談は受ける(ただ、余り緩和するのは趣旨と異なる、と高際副区長の答弁あり)。HPでの記載も検討していく。ガイドラインは都に従っており、独自のものは考えていない。
更に、イベントなどの事業者向けの宣言も検討中。

⑵区民への呼び掛け
・自ら感染しないため、自ら感染拡大させないための対策を、ホームページ等を通じて改めて発信

◆当面の経費
・PCR検査委託料(医療機関への委託分) 300万円(3万円×100名)
・休業協力金 450万円(50万円×9店舗)
※上記は全額、との補助金を充当予定
※当面は予備費での予算措置

・ただし、ホストクラブについては当初の発生店舗以外では、検査の結果陽性者は確認されていないとのこと(従って休業協力金の支出予定はない)。
キャバクラは殆どの店舗で既に協力要請済み。
・全体に広げて対応するのはとても出来ないので、まずはピンポイントの対策を行なっていく(区長)
・今後、接待を伴わない飲食店などでクラスターが発生した場合、休業協力金については検討するのか?
⇒今のところ規模的に難しいと考えている。

【報告3.「コロナに負けるな!豊島」医療・福祉支援寄附金の状況について】
◆概要
募集期間…6/1〜8/31
寄付総額…760万8千円・122件(7/13現在)

◆寄附金の活用
⑴ひとり親家庭
・児童扶養手当受給世帯(7/31までに児童扶養手当受給の認定を受けた世帯、現状約1110世帯)へ、1世帯当たり米5キロを支給
・姉妹・友好・交流都市の一つである宮城県七ヶ宿町から米は購入する

⑵医療機関及び福祉事業者
・検討中(寄附金の状況を見て判断)

◆今後のスケジュール
8月下旬以降 ひとり親家庭への支援開始
8月31日(月) 寄附金の募集終了
9月以降 医療機関・福祉事業者等への支援開始

議員協議会の報告事項は以上です。

【議長からの発言】
議員協議会の最後に、区議のSNS上の発信で請願者が恐怖を覚えるようなことがあったいうことについて、議長から発言があり。
・正副議長としては、くつざわ議員がSNS上で「請願者の住所と氏名を把握している」という投稿をしたことで、請願者の方に恐怖心を抱かせてしまったことにつき、憂慮
・昨日、くつざわ議員と連絡を取り、議員協議会で謝罪するよう求めたが、応じて頂けなかった
・公人である区議が一般区民に恐怖心を抱かせたことは問題であると感じる
・請願権を奪うことになりかねない。議会を代表する正副議長として残念に感じる
・くつざわ議員においては、これまで申し上げたことを踏まえ、今後は慎重な行動をとって頂くよう強く申し上げる。

当該請願の審議については、先日blogに記載しました。
⇒blog「差別発言などに対応を求める請願、請願権条例の検討を求める陳情など 第2回定例会議会運営委員会

この時のblogにも記載した通り、

請願者が委縮するような発言は、区議としては慎むべきと考えます


議員協議会については以上です。

本会議では当該請願について、くつざわ議員からは反対討論、共産党からは賛成討論が行われました。
採決は、くつざわ議員以外は請願に賛成をして、賛成多数で採択されています。
 

なお、審議の後のくつざわ議員のtwitterでの発信で、

https://twitter.com/mk00350/status/1283391218785767426?s=20

 

https://twitter.com/mk00350/status/1283335678877528064?s=20

とあります。

 

・「川崎市みたいなヘイト規制条令を作る足がかりとなる声明」と述べられています。

川崎市の「川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例」を念頭においておられるのだと思います。

 

まず、そもそも今回の請願審議は新たな条例制定を想定したものではありません。共産党だけが委員会審議で条例に一言だけ言及したのみ。

また、私が知る限り、川崎市と似たような内容の条例を作る動きは把握していません。くつざわ氏の発信により条例制定の流れが食い止められたのではなく、もともと条例制定の動きがなかったということは断言できます。

 

・「声明を新しく作ることは阻止できました」と発信なさっています。

これは請願の記書き1についてのことを指していると思われます。

先日のblogに記載しましたが、請願審査の記書き1に対する私たちの会派の見解を再掲します。

「本区議会は第2回定例会初日に「SDGsの実現に向け『誰一人取り残さない』まちづくりを推進する決議」を全会一致で決議しています。

区からは第3回定例会に向けて、SDGsに関する都市宣言を準備する、ということも公明党の一般質問への回答で示されています。

この決議や宣言の内容に、今回の記1の主旨は包含されている、と私たちの会派は考えています。⇒参考:外務省HP「SDGsとは」」

くつざわ氏の発信により声明が阻止できた、のではありません。

請願の趣旨に沿った内容は、既に豊島区議会として取り組んでいることやこれから進めることで包含されていることを確認したために新たな声明を出さなかった、というのが正しいです。

 

豊島区議会が言論弾圧を進めようとしている、と断じておられますが、事実誤認をなさった上で持論を展開なさっているようですので、上記の点、指摘をいたします。